呉市 | ||
珍来軒(呉冷麺) 場所:呉市本通4−10−1 電話:0823−22−3947 時間:11時30分−18時、定休日:火曜 お店HP 呉冷麺(小・大) 600円・700円 中華そば(小・大) 550円・650円 小龍包(3ヶ) 420円 特製エビ餃子(3ヶ) 420円 すっかりご当地料理として定着しつつある、呉冷麺。広島市内にも何店か見かけるようになったけど、そのルーツが、ここ呉市の珍来軒となる。 呉市とは、広島市の東、車で30分程の瀬戸内海に面した町で、人口25万人と県内3番目の規模を誇る。小さな漁村だった呉が大きく変わったのは、明治になり、その地形から軍港に指定されたことから。海軍の拠点として人口は40万人を超え、日本有数の大都市に名を連ね、現在も海上自衛隊呉基地が置かれている。また、呉工匠の高い技術により、戦前は戦艦大和等多くの戦艦・潜水艦を製造、戦後もその技術を継承し、JFEなど全国規模の鉄鋼会社の拠点となっている。 珍来軒は、そんな呉市の商店街の一角にある。駐車場がないから、商店街の有料駐車場に車を止めて、お店へ。08年に店を移転したようで、古い情報をあてにするとたどり着けないから、ご注意を。 店内入口で食券を購入後、所狭しと並べられたテーブルの一つに座り、しばし待機。注文したのは、呉冷麺の大。大でもそれほど量が多くないから、迷わず大を選びたい。呉冷麺の特徴は、平打ち麺にチャーシュー、ゆで卵、キュウリ、エビが乗り、少し浸かるくらい鶏ガラベースのピリ辛スープが入るというもの。 冷麺ながら、どちらかというと冷し中華に近い味わい。濃厚な鶏ガラスープが平打ち太麺に絡み、なかなかおいしい。半分も食べたところで、テーブルにある辛子酢をかけると、酸味の効いたまた違う味わいを楽しめるのも、またいい。アクセントに、十数種から選べる点心を食べ、少な目の量をカバーするといいだろう。 冷し中華と比べると、麺や濃厚スープがラーメンに近く、オリジナルと言っていい。ただ、初めて食べる料理という感じは少なく、わざわざ食べに行くかと問われれば、少々疑問。ただ、呉冷麺は、着々と広まりつつあり、その発祥であるこの店には、近くに行く機会があるなら、一度訪ねてみてはと思うところ。 ちなみに、呉冷麺には、珍来軒と人気を二分する、呉龍なる店がある(珍来軒から独立。元祖より高い評価を得ていたりする)。近くにある人気の観光スポットである大和ミュージアムや、個性的なおやつの店が揃う呉の商店街と、界隈を散策しながら、呉の名物を味わうのがいいだろう。 |
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尾道市 | ||
朱華園(尾道ラーメン) 場所:尾道市十四日元町4-12 電話:0848−37−2077 時間:11時−20時、定休日:木曜、第3水曜 中華そば 580円 チャーシュー麺 780円 尾道市への日帰り観光の際、ランチに立ち寄ったのが、尾道ラーメンの名店「朱華園」。むしろ尾道ラーメンが食べたくて、尾道を目指したところもあり、楽しみにお昼を迎える。 昼時の行列は知られており、少し早めに昼前の到着を目指すも、あまりに見所が多く、12時過ぎの到着と言うことに。それでも、朝からの雨のおかげか、そこまで行列は長くなく、10分ほどで席に着く。せっかくだからと、チャーシュー麺を(780円)を注文。ちなみに、中華そばは、580円となる。 トリガラだしの醤油スープにたっぷりの背脂が浮くのが特徴。こくのある醤油スープがたまらずおいしく、久々うまいと思わせるラーメンに出会う。中細の平打麺は、少々伸びが早そうだから、一気にすする。3枚付いたチャーシューも、ラーメンとよくあい、スープ・麺・チャーシューのバランスの良さを思う。 チャーシュー麺にのみレンゲが付くのは、ちょっとしたサービスなのか。ぜひ、麺と一緒にスープを飲み進めてほしいから、ケチらず、レンゲを付けてあげたらいいのにと思いつつ。昨今の食品の値上がりからか、以前よりラーメンの値段は上がっているようだけど、この味は、また何度と食べたいもの。また機会を見つけて訪ねたいなと。 |
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つたふじ(尾道ラーメン) 場所:尾道市土堂2−10−17 時間:11時−20時、定休日:火曜 電話:0848−22−5578 中華そば(並) 450円 中華そば(大) 550円 中華うどん(並) 450円 いなり 240円 ゆでたまご 50円 尾道市役所近くにある、尾道ラーメンの老舗・つたふじ。店内は、カウンターのみ11席。昼時には、行列ができる人気店となっている。 ここの特徴は、店主が頑固親父の風で、いたって無愛想なこと。二人で利用しても、隣の席を用意されることなく、空いた席から順に入るように指示されることになる。それはそれで、効率がよくていいと思うが、タイミングがずれると、片方が食べ終わってもしばらく待つことになるから、要注意。なにはともあれ、まずはサービスに大きな期待を持たないことが、肝要。 味は、朱華園と比べると醤油が薄く、魚系ダシを強く感じるのが特徴的。背脂は少な目ながら、表面に脂が浮いていて、驚くほどの熱々のスープになっている。しっかり醤油の朱華園が尾道ラーメンの象徴だとしても、ダシの効いた熱々スープを絡めながら食す麺もなかなかおいしい。 まずは、朱華園をおさえたい。そして、次のステップに幅を広げる店として、ここを選ぶのもいいだろう。 |
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府中市 | ||
さち(府中焼き) 場所:府中市府中町750 時間:11時−20時、定休日:月曜 電話:0847−43−4508 府中焼き店地図 そば スペシャル(肉玉、もち、ぶた、いか、えび) 890円 そば シーフード(肉玉、シーチキン、いか、えび) 810円 そば肉玉 イカ天 670円 そば肉玉 590円 府中市とは、広島県東の山中に位置し、広島市内から1時間30分程の道のり。山陽道・三原久井ICで下り、御調を経由し北へと20分も進むと、府中市の中心地に出る。 その府中市で、独自に発展をとげたお好み焼きは、府中焼きとして世間に知られるまでになる。府中焼きの特徴は、豚バラ肉の替わりに、ミンチを使うこと。脂身のミンチを使うことで、焼くほどにミンチの脂がしみ出て、焼くというよりは揚げるに近い仕上がりとなる。結果、普通のお好み焼きにはない、カリッとした独特の食感を味わうことができるというもの。 ここさちは、府中焼きの中でも人気の店で、昼時には1時間待ちもざらだという。店隣の寺に駐車場があり、8台程と十分な駐車スペースがあるから、遠方訪問でも一安心。休日、13時過ぎに店を訪ね、さっそく店内に入り、長い待ち時間の理由を知る。 店内は、テーブル席が2つと、カウンター席が6つ。来店時、客はテーブル席に4人だったにも関わらず言われたのは、今からだと30分程時間がかかるというもの。お好み焼きの調理に時間がかかり、=客の回転が悪く、結果1時間超の待ち時間につながっているよう。すぐ後に入ってきた二人組は、45分待ちを提示され、そのまま店を後にしていたから、まずは時間に余裕を持って訪ねたい。ちなみに、そんな時間の問題を解消するのが電話予約。常連客は、皆事前に電話で注文し店を訪ねているから、ここを目当てに向かうなら、ぜひ利用したい。 テーブル席にしろ鉄板がないから、盛られてくるのは、陶器皿。鉄板に乗った熱々を食べることに慣れていると、ちょっと寂しいところではあるが、まあ仕方ない。30分という時間が示すように、じっくり焼き上げるのが、この店の特徴。薄くひいた生地に、たっぷりのキャベツと天かすを盛り、それを覆うようにソバを乗せる。水でほぐしながら炒めるわけでも、茹でるわけでもない生麺が乗った姿は、広島風とは大きく違い、ちょっと不思議な姿。そこに、通常の2倍の量だというお玉2杯の牛ミンチ肉を乗せるというもの。脂身多めのミンチ肉に火が通ることで、中から脂がしみ出し、ラード(牛脂)に浸かったような形で、じっくりと焼き上げられる。 これが、想像以上においしかった。しっかり焼きあがったミンチ肉は、ポリポリとした食感と共に旨みのある脂が口の中で広がり、キャベツとソースを引き立てるいいアクセントになる。麺は、調理の過程でパリパリに揚げられ、これもまたおいしい。全体的に、油っぽいと言えるのだろうが、これが全然気にならず、風味のある旨みを感じさせるのは、実質的に良質なラードで調理しているが故だろう。油系が苦手なことから、ついつい遠ざかりがちなとこ、久々ラードのおいしさに気付かされたもので。 たっぷりのカープソースも適量。ソバを始め、塩やソースで下味を付けていないから、多過ぎることはない。また、全体をまとめるラードが思った以上にいい味を引き出し、蒸し野菜をソースとマヨネーズで食べる感がある通常お好み焼きと違う味わいがあるから、まずは、出てきたままをいただきたい。 これだけ個性があれば、十分広島市内でもやっていけると思うが、中心地では今のところまだ見かけない。郊外になる広島市五日市のコイン通りに一店舗できたと耳にしたが、中途半端に食べるなら、思い切って府中市まで出かけ、一度食すことをおすすめ。見かけ以上にオリジナルがある、また食べたくなるおいしさから、そこにかかった時間に納得することだろう。 |
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