北広島町
 
 

翁達磨 雪花山房(そば)
場所:北広島町長笹636−1(豊平地区の山の中)
電話:0826−83−1116
時間:11時−14時、営業日:土・日・祝のみ(HPで要確認)
お店HP
もりそば 700円


蕎麦の町・北広島町豊平にある職人・高橋邦弘さんの店。名人と称される蕎麦打ちの腕に、全国から信者が集まり、ここは蕎麦打ち道場として、弟子育成の場所ともなっている。

その経緯は、高橋名人が蕎麦による地域おこしに熱心に取り組んでいた旧豊平町から誘いを受け、2001年6月に山梨県・長坂の翁を弟子に譲り、広島に移ったことにある。また、蕎麦に合う豊平の軟水も、ここに移る決め手の一つだったとか。この店は、とんでもなく不定期営業で、ホームページで営業日を確認して訪ねることが、必須。それも、名人が蕎麦行脚として、全国各地の蕎麦イベントでの出店や蕎麦教室の開催を行っているから。その知名度の高さに、よく広島の山奥に拠点を構えたものだと驚くばかり。

まず、店にたどり着くのが大変。道路に看板を見ることができるが、油断すると確実に見逃す。まずは、ホームページ上の地図で行き方を研究する必要がある。ナビがあれば順当に連れて行ってくれるが、年代の古いタイプなら、合併前の豊平町で検索することになるから、要注意。有名な店だから、電話番号検索を使える可能性が高いことをここで補足。

広島市街から、一般道で1時間は見ておきたい。高速道路利用なら、広島北ICで下りて30分程。山間の道を抜け、最後はどこぞの山の頂上にでも向かうのかという人家もまばらになってきたところに、店がある。山を切り開いて造られた平地にある趣きある簡素な建物に、道場と呼ばれる由縁を知る。

14時までの到着が必須。その時点で順待ち名簿が引っ込められ、後は、名前が呼ばれるのを待つのみ。13時30分到着時、14,5人が軒下で待っており、建物へと案内されたのは、その1時間後のこと。時間に余裕を持って、待ち前提で訪ねる必要があるだろう。

店内は、7席ほどのカウンターと、8人掛けの広いテーブル席からなる。メニューは、もりそばのみの単品だから、注文時は、枚数を聞かれることになる。最初に3枚と一度に注文することもできるけど、1枚食べた後に、もう1枚追加でと頼むことも可能。例え3枚一度に頼んでも、1枚食べ終わるごとに、新たなつゆ・薬味・もりそばを持ってきてもらえるから、その度できたてのおいしさを味わうことができる。

さて、いよいよ蕎麦へ。運ばれてきた蕎麦を、薬味を入れずにまずはつゆのみで食す。きれいに切り揃えられた蕎麦を持ち上げ、つゆにくぐらせ口の中へ。まず驚くは、そのコシの強い食感。最初に硬さに感じ、かんでいくうちそこにある弾力に気付かされる。思わず蕎麦を箸でつかみ観察すると、角がしっかりと立ち引き締まった様子を見て取れ、蕎麦打ちレベルの高さ、茹で加減に冷水処理と工程の的確さを感じさせられる。

少し甘めのつゆは蕎麦のおいしさをころさず、十分に満足いく引き立て役となっていた。薬味は、1枚目を山葵、2枚目を辛子大根により、蕎麦をいただく。それぞれに蕎麦の甘みを引き立て、いいアクセントを楽しむ。周りの方を見ていても、3枚というのが基本になりそう。今回は、単に予算の都合から、2枚で止めたまで。

2枚目を食べ終わったところで、蕎麦湯が用意され、残ったつゆを割っていただく。ほっと休まる蕎麦湯がおいしく、結果これでお腹が満たされ、食事を終える。つまりはここは、本物の蕎麦のおいしさを素直に教えてくれるお店といえる。蕎麦の香りをより強く感じられる季節に、再び訪ねてみたいと思うところで。

まあ、驚くほどの山中にあるのが、このお店。それでも、蕎麦を追い求めているなら、当然に訪ねておくべき店だろう。おいしいものを求める過程で蕎麦を知っておきたいレベルの人にとってはどうか。たどり着くまでの時間、到着後の待ち時間を思うと、それなりの覚悟が必要。それを思うと、お弟子さんがやっている広島市中心地にあるお店を訪ねるのもありだろう。それでも、広島という地にある貴重な店であることに違いはなく、ぜひ一度機会を作って訪ねてみてはと思うとこである。

 
                                                     

 

三八 松浦(お好み焼き)
場所:北広島町有田1007−3(北広島町役場近く)
電話:0826−72−8041
時間:11時−14時、17時−20時、定休日:火曜、第3水曜
肉玉そば 600円
肉玉海鮮そば 750円
焼きそば 550円
各ダブル100円増、野菜大盛無料

広島市中心地から車で1時間程、場所は、広島県の北の山間地・北広島町。広島ICから山口方面に向かい、広島JCTで中国自動車道に乗り換え、千代田ICで下りる。千代田ICから大通りを東に進むと、すぐ左手に田を挟んで大きな看板のある一軒のお好み焼き屋を見ることができる。

広島市東雲本町にある三八(さんぱち)で修行したことからこの店名となっているらしいが、もっぱら評価が高いのは、このお店。広々とした店内に、テーブルが並び、ゆったりと席に座る。値段も、田舎のお好み焼き屋らしく、リーズナブル。せっかく遠出して来たのだからと、肉玉そばのダブル(700円)を注文する。

鉄板プレートで出てきたお好み焼きは、たっぷりのねぎがかけられ、驚くほどのボリューム。100円増のダブルなら、1.2倍程度で良さそうな気がするが、大きさ、厚みとも軽く2倍は超えるレベル。あまりの大きさに、早々に完食を諦め、おいしく楽しむことに方向転換。

ボリュームたっぷりのお好み焼きは、ガーリックがしっかりと効き、キャベツのみずみずしさを活かしたしっとり系。しっかり焼き上げパリッと系が引き出す旨みにはまりつつあるところも、元々しっとり系の柔らかいお好み焼きは好みなので、まとまりのあるしっとり系ならではの味わいを楽しむ。

しっとり系でありながら、どこかほっこりとした印象を受けるのは、ソースで炒め固めに仕上げた麺が間に入りバランスを取っているから。その工夫に納得しながら、ネギをアクセントに食べ進めるも、やはりボリュームには敵わず。半分を食べ終えたところで、ギブアップすることに。

これはなんとももったいないと、残り半分の持ち帰りをお願いすると、快く持ち帰り容器に入れてもらう。冷めても変わらずおいしいとは、家に帰って食べての感想。山間部にまで浸透している、レベルの高いお好み焼き。なるほど、この店で昼を食べることを目的に、県北部の出張に喜んで出かける人達の姿に、納得する。

ひとえにお好み焼きといっても、いろいろな味わいがあることを、広島で気付かされる。ここも、三八系統として、また他とは違うオリジナルがあり、納得するおいしさがある。観光資源の限られる北広島町に、わざわざ食べに行くかどうかは別にして、県北部のお好み焼きの名店として、機会があれば訪ねてみてほしい。

※県北部観光地としては、安芸太田町の三段峡、安芸高田市の毛利元就居城の郡山城跡が有名。千代田IC側の道の駅は、産直野菜を買えるおすすめ立ち寄りスポットとなっている。
 
                                                     

 

楽笑座 蔵人(カフェ)
場所:庄原市西本町2丁目1番10号
電話:0824−72−8285
時間:11時30分−14時、17時−22時30分、定休日:水曜
お店HP
日替りランチ 840円

広島県の北東に位置し、北と東を島根、鳥取、岡山県の3県に隣接する庄原市。1200uを超える面積は、広島県内の市町で最大の規模を誇り、その大きさは県全体の面積の7分の1にあたる。観光名所としては、神石高原町とまたがる国定公園・帝釈峡や、自然公園である国営備北丘陵公園で知られている。

そんな庄原市にある食事所が、蔵人。建物は、江戸時代の酒蔵で、それを市が購入・改装し、民間に貸し出しているもの。酒蔵の雰囲気がそのまま残ることがこの店の価値で、天井の高い広々とした空間で、ゆったりとくつろぐことができる。

ランチは、トンカツ、讃岐うどん、カレー等5つのメインの中から1品を選択、その他のおかずは、中央のテーブルに並べられた惣菜を自由にとることになる。その惣菜が多種に及び、味噌汁、サラダといった定番から、温泉卵、ところてん、煮浸し、納豆、切り干し大根といった手作りの小鉢が並び、おでんなども用意されていて、毎度目移りがするほどの種類が用意されている。

鍋で用意されるご飯もおいしく、食後のコーヒーも嬉しいサービス。庄原市にちなんだ特別な何かがあるわけじゃないけど、間違いない家庭料理のおいしさに、庄原市に寄った際には、よくここを利用している。

食事所が限られる地域だけに、お店に悩むなら、ここを訪ねてみてはと思う。
 
                                                     

 
 
北広島町 安芸高田市 庄原市
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広島県北部は、島根県との県境の市町とし、西から、安芸太田町、北広島町、安芸高田市、三次市、庄原市が対象。山間地帯が中心となり、訪ねる機会も、光るようなお店の数も限られそうだけど、評判を聞きつけたなら、積極的に動いていこうかなと思うところで。
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