廿日市市 大竹市 その他
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広島県西部は、広島市より西方の瀬戸内海側の市を対象とする予定。広島市が県西部に位置することから、その範囲は限られるが、山口県寄りなこともあり、いろいろ訪ねる機会はあると踏む。
基本、廿日市市と大竹市、状況によっては、少し範囲を広げることも。観光地が中心になるだろうけど、おもしろい店を見つけられたら。
廿日市市
 
 

あなごめし 和田(穴子飯)
場所:廿日市市宮島町大町424
電話:0829−44−2115
時間:11時−15時、定休日:不定休
あなごめし 1800円


宮島の名物料理といえば、穴子飯。その中で見つけたおすすめの店を紹介。

ガイドブックじゃどこにも載っていない。それでも、ネット上の評価はなかなか高く、宮島口の名店「うえの」と迷った上、こちらを選択。そしてその店が、「あなごめし和田」。廿日市市役所宮島支所近くにあり、町屋通りを少し入ったところに暖簾を見つけることができる。


定休日が不定休だから、まずは電話で営業を確認することをおすすめ。昼時には行列ができることも多いようで、今回は、夏休み時期の好天日の上、神事というイベント付きで街中が観光客であふれている状況から覚悟していくも、意外とすいてて、すんなりと席に着く。店内は、テーブル席4つと囲炉裏を囲んだ座敷席が1つ。料理は、あなごめし一品のみで、お吸い物と漬物付きのあなご丼となる。

香ばしく焼かれた甘辛タレの穴子に、これまでのイメージを覆される。あっさりでありながらしっかりと旨みを感じさせる穴子に、まず軽い驚き。そして、それを活かすタレとの絶妙なバランスに感心。ちなみに、その穴子を活かすのは、脇役ながらきらりと光るご飯の存在。タレと絡んだ、一粒一粒を感じさせる適度な炊き加減のご飯に、とまることなく一気にかきこんで。これはうまい、と思わずうなる一品を堪能する。

この店のおじいちゃんが、またおしゃべりでおもしろい。体調崩して仕事をやめ、奥さんがやっているこの店で接客というより客との会話を担当しているよう。来てくれるお客さんにゆっくり過ごしてほしいというポリシーで、相席は絶対にさせないんだとか。回転による目先の利益じゃなく、お客さんの満足を求める姿勢は、自分がしてほしいことからきているよう。お客が来すぎても、ちゃんとしたサービスを提供できないことが、ガイドブックに載せない理由の一つにあったりと。場所が目立たないことから、客層はリピーターやネットによる口コミが中心になるようで、こういう店はしっかりと評価してあげ、いつまでも頑張ってもらうことを願うばかりで。

宮島を訪ねる機会があるなら、ぜひこの店をおすすめしたい。宮島で穴子飯が名物とされる理由が分かるはずだから。
 
                                                     

 

あなごめし うえの(穴子飯)
場所:廿日市市宮島口1−5−11
電話:0829−56−0006
時間:10時(弁当9時)−18時30分、定休日:水曜(弁当無休)
お店HP
あなごめし弁当 1470円
あなごめし(吸物付き) 1470円
白焼き 1260円〜
かば焼き 1260円〜

1901(明治34)年創業の元祖あなごめしの店。JR宮島口駅から、宮島桟橋へと向かう途中にあり、宮島詣の人気の立寄り所となっている。

あなごめしの始まりは、上野屋10代目他人吉が、宮島駅で駅売弁当を始めたことから。あなごがたくさん獲れる宮島近海の地元料理であったあなごどんぶりを起源としていて、そこに、あなごのあらで炊き込んだ醤油味飯の工夫を加え、オリジナル弁当を作ることに成功。以来、山陽本線で話題となり、現在では広島駅等近隣でも駅弁として売られている。

100年の歴史を持ち、今や宮島名物となっている穴子飯の元祖だからと、近くに寄った際に、弁当を購入。もっぱら周囲の評価は、うえののあなごめしは、店内より弁当の方が、しっかりと味がしみていておいしいというもの。真夏の週末だったこともあり、店内は観光客で賑わい1時間待ちと言う状況。それなら弁当で十分と、店入口の横に設けられた弁当売場で、購入する。

時代を感じさせる包装紙に包まれた、木箱(へぎの折箱)入りの弁当は、なんとも雰囲気がいい。店内用と、弁当用でご飯の味加減を変えているようで、購入2,3時間後が食べ頃になるそう。今回は、購入後、広電宮島線で市内まで帰ってきたから、1時間半経過後に食す。

弾力のある穴子に、しっかりと全体に旨みのあるタレがしみ込んだご飯。確かに、秀逸な駅弁だと、その評判の高さに納得する。宮島線の混み具合と、衆目が集まる窓を背にしたベンチ式の座席のため諦めたが、これは、ぜひ駅弁として電車の中で景色を眺めながら食べたい一品だと強く思う。

ただ、料理としては、濃厚すぎて最後は少し重さを感じるタレかけご飯、求めるべくもない穴子の鮮度に、あくまで駅弁の範囲を超えるものではないと、評価する。そして、この弁当から想像するに、店内のあなごめしは、繊細なタレと、鮮度のいい穴子のおいしさがダイレクトに伝わる「あなごめし 和田」には敵わないだろうと推測する。もちろん、お店であなごめしを食べてからの話ではあるのだが。

伝統ある、今も人気の名店という存在に、変わりはない。結局、何に重きを置くかということ。この店が、宮島に船で渡る前にあることを踏まえ、観光計画を考えながら、利用を検討するといいだろう。


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さて、やはり店内で一度は食べてみなければと、09年11月に訪問。
週末昼時の利用だったこともあり、店隣の待合室は、既に人で埋まっている状態。順番待ちの名簿に名前が書かれた後、1時間待ちを告げられ、時間つぶしに周辺散策へと出かける。
ようやく呼ばれて店内に入り、多くの時間待たされることに納得。30人程度しか入らない狭い店内と、料理が出てくるまで時間がかかることによる回転の悪さ。おすすめというあなごの白焼きをわさびと塩で食べつつ、あなごめしが出てくるまでしばし待つ。

今回選んだのは、あなごめし特上(1870円)。普通との違いは、穴子の量にあるようで、一列多い穴子を食べることができる。あなごめし弁当から、固い穴子をイメージしていたけど、ほっくら柔らかい穴子に、好印象。弁当と違い、あっさりとした甘みのあるタレで、これなら十分おいしいと満足する。

あなごめし和田と比べると、煮込むことによるあなごの持つ旨みが抜ける点、繊細なタレのレベルの高さ、米の旨みから、やはり和田に軍配が上がる。ただ、和田が別格の感は否めず、穴子のおいしさに気付かせてくれる宮島の伝統ある名店として、十分観光客を満足させてくれるだろうと思うところである。
 
                                                     

 
大竹市
 

シシリー・ディ・メイプルシティー(イタリア料理)
場所:大竹市立戸4−2−12(JR大竹駅近く)
電話:0827−53−3319
時間:11時−15時、17時−23時
お店HP
ペスカトーレ 1480円
パルマ産生ハムとキノコのクリームスパゲティ、ポルチーニ風 1380円
カラブリア産小唐辛子を使ったぺペロンチーノ 980円
鮮魚のフリット添えアサリのトマトスープスパゲティ 1180円
マルゲリータ(モッツァレラ・トマト・バジル・トマトソースのピッツァ) 1280円
ランチセット(新鮮カルパッチョ、前菜盛合せ、パン、デザート盛合せ、ドリンク) プラス700円
ディナーコース 4500円、6000円等

大竹市には、おいしいお店がないんじゃないかと諦めていたところで出会ったのが、このお店。場所はなかなか分かりにくく、広島市からだとバイパスを廿日市市方面に進み、国道2号線に合流、そのままずっと大竹市へと進んでいく。海側に見える大竹市の誇るショッピングセンター・ゆめタウン、その先にある大竹市役所を通り過ぎ、さらに三菱レイヨンといった数百m続く工業団地を越えたところの道路沿いに、ポツンと小さな店舗を見ることができる。あまりに簡素な概観に、一瞬王将系のお手頃チェーン店かと通り過ぎそうになってしまうから、よく注意して車から探す必要がある。

メイプルシティーとは、広島県西部を中心に展開するイタリア料理の店で、チェーン展開しながら、ワンランク上の料理とサービスを提供することで知られている。ここシシリーは、そんなメイプルシティーの一店舗となる。

平日ランチで訪ねた際は、既に店前の駐車場が埋まり、奥にある第二駐車場へと車を止める。奥に広い店内の十数個あるテーブル席がほぼ埋まる人気振りで、奥に残っていた二人用のテーブル席に案内される。平日ということもあり、年齢層は、女性グループが8割程度、スーツと作業着を着た男性集団がいたのは、役所や工場がすぐそばにある土地柄を感じさせる。

メニューのおすすめは、やはりランチセットとなるよう。プラス700円で、前菜2品、パン(お替り自由)、デザート、ドリンクまで付くセットは、せっかくこの店に来たのだからという特別性と合わせて、多くの方が選んでいる。ゆっくりランチなら、このセットを選びたかったが、出張ついでと次の予定が控えていることから、単品を選択。なるべくガーリックが強くないものをと、トマトソースのペスカトーレを選ぶ。

まず出てきたパンは、ガーリックトーストと選択できる中、バタートーストを頼んだつもりだったが、ガーリックバターの風味。食欲が出ておいしいから、まあいいかと、ガーリックについては妥協。ペスカトーレは、海の幸との紹介の通り、ムール貝、殻付き海老、あさり、イカと、盛りだくさんの魚介が嬉しい。魚介の旨みがしっかり出たトマトソースは、ソースの中にコクをもたらし、正統派のなかなか上等な味わい。トマトソースを越える何かを期待することは難しそうだが、素直にそのおいしさに満足する。

メイプルシティー系列の店は他にも訪ねたことがあるが、期待ほどの味わいではなかったという印象がある。そもそも、ここの店は、驚きや感心をもたらすような、特別な何かがある料理を提供する店ではなく、正統な、ワンランク上の料理を提供する店なんだと気付く。そうした視点で見ると、確かに十分満足する味わいで、特に、大竹市のような他に一定レベル以上の店がないところでは、貴重でさえあると言える。

個性を求めると、少し違うのかもしれない。ただ、多くの人がワンランク上の味わいを感じられる間違いのない店で、大竹市界隈に寄った際には、安心してすすめられる店といえる。外観と違い、店内の落ち着いた雰囲気は、気配りの効いたサービスと合わせて居心地がよく、週末のドライブがてら、一度訪ねてみるのもいいだろう。
 
                                                     

 
 
 
広島県 西部