和食料理
 
 

花魁(居酒屋)
場所:広島市中区八丁堀8−5、大野木ビル1F
電話:082−221−3843
時間:18時−24時、定休日:日曜、祝日
お店紹介HP
牛すじと牛もつの田楽風煮込み 500円
焼きなすとベーコンのサラダ 680円
本日のお刺身盛り合わせ(3種) 980円
ホタテ貝柱と木の子のグラタン 690円
えびマヨ(自家製マヨネーズ) 780円
シャケと木の子のチャーハン 780円

なかなか場所が分かりづらい。八丁堀電停から、徒歩3分。東急ハンズの裏手に位置するが、大通りから一歩入った小道の脇にあるから、事前に地図で確認しておきたい。県警本部の東隣とは、知っていなきゃ参考にならないだろうけど。

喧騒とかけ離れた、静かな小道にたたずむ店は、入口から木戸による趣きある造り。こじんまりした店内は、8席ほどあるカウンターと、掘りごたつのテーブル席が3つ。テーブル席は、左右を区切られているから、一応個室の区分に入るのかな。テーブル席で、10〜20人の宴会にも対応可とのこと。その場合は、左右の仕切りを外すことになるのだろう。

予約をせずにふらっと立ち寄ったこともあり、案内されたのは、カウンター。店内全体が木を使った温もりある造りで、少し落とした照明が、一層落ち着いた雰囲気を演出。若いながら職人風の店長によるちょっと引き締まった空気感もいいアクセントで、なんともいえない居心地の良さを感じる。

メニューは、とりあえずの一品から、サラダ、刺身、焼物、揚物、煮物に天ぷらと、和食をベースにした創作料理で、様々なジャンルをカバー。数種の刺身をメニューに加え、揚物や煮物にメバルや鯛のあら炊きをもってくるところに、店長の料理へのこだわりを感じさせる。値段は、一品7、800円が中心の価格帯。一皿にそれなりの量があるとは、この後に説明することとして。

まずは、最初の一品にと、牛すじと牛もつの田楽風煮込みから。外で冷えた体を温め、最初のビールと共にいただくおすすめの一品。手作りを感じさせる濃すぎない味付けで、体にすっと入ってくるのもいいところ。刺身盛りの3種は、ひらめ、はまち、しめさば。しめさばが入るおもしろさから、思わず注文。それぞれに身も大きく、おいしくいただくが、和食専門店の鮮度の良さはちょっと得られず。まあ、山口県で育った者が、広島での刺身の鮮度を求めるつもりは、ないんだけど。

焼きなすとベーコンのサラダは、思った以上のボリューム。醤油ベースのさっぱりとしたドレッシングと、たっぷりのベーコンに食が進み、あっという間に食べ終える。えびマヨは、その大きさが嬉しい。この店の売りでもあり、ぜひ頼んでおきたい一品。もうちょっと食べたいなと頼んだのは、ホタテ貝柱と木の子のグラタン。注文後、結構時間がかかって出てきたものだから、既に満腹感があり、あまり食べられなかったのは、ちょっと残念なとこ。最初にある程度注文しておく方がいいだろうな。最初にそれなり頼んだ今回、そこまで料理が重なることはなく、それぞれタイミングも考えて出してくれていたものだから。そして最後は、シャケと木の子のチャーハン。ぱらっとしたチャーハンに、醤油の香ばしい香りが食欲をかき立てて。

二人で利用、それぞれアルコールを2杯ほど飲んで、一人3500円ほど。創作料理でいろいろなバラエティを楽しめながら、和食でしっかりとした料理も味わえる。居酒屋レベルを超えたワンランク上の料理に、大いに満足。そして、なによりここで評したいのは、心くつろぐ、その居心地の良さ。ゆったりと流れる時間に会話も弾み、ちょっと大人な時間を過ごせるはず。見送りまである心あるサービスも、またここを訪ねようという思いにさせてくれる。

もちろん、遠方からわざわざ訪ねていく店じゃない。ただ、市内でこう雰囲気を伴い、料理のおいしさを感じさせ、手頃な値段で気軽に利用できる居酒屋というのが、そう見当たらない。料理においしさを求める人と一緒に飲むとき、仲のいい人とゆっくりと会話を大事に過ごしたいとき、この店を利用したい。ちなみに、ここの冬場のうりは、タラよりもおいしいという幻魚鍋(げんげ鍋、通称ばばぁ鍋)。次は鍋を目当てに、ここを訪ねてみようと思うところで。

 
                                                    

 

人有喜 蔵(ひとありき くら)(居酒屋)
場所:広島市中区中町1−9 2F
電話:082−246−1680
時間:17時30分−1時、定休日:無
お店紹介HP
コース(飲み放題付き) 5000円〜
地タコ 780円、ヒラマサ 880円、地穴子 980円、
ヒラマサのカルパッチョ680円
地穴子の白焼き 780円
竹原牛のスタミナ焼き 980円
幻想ポークの炙り焼き 880円

広島の食材を堪能する、結局たまに出かける広島で求める店は、こういう店なのかもしれない。

広島市中区、パルコ前を通る並木通りをしばらく進み、袋町小学校方面へと小道を入る。店舗入口は、道沿いを少し中に入るビルの中にあり、殺風景な階段を2階にあがることになる。初めてだとまず見逃すだろうから、地図を片手に注意深く歩くのが賢明だろう。

店内は完全個室で、2名から利用可能。結局、周りを気にせず話ができる個室は、理想の空間。そして、まず優先したくなる個室環境に合わせて、地物の料理を食べられることが、ここの何よりの魅力。
タコ、穴子、真鯛、江田島産の牡蠣といった瀬戸内海の魚介、広島県産の幻想ポーク、竹原牛、大崎上島町の醤油・味噌、竹原市の赤じゃが等々、広島県産の食材、調味料を使った料理、酒処でもある県内各地の地酒が並び、広島県の魅力を存分に堪能できる。

少々値段が張ることになるけど、いろいろな食材を楽しむため、コースではなく単品から選ぶのが、ここの利用スタイル。地タコ、穴子、カツオ、生サンマ、天然真鯛、サザエ等々が揃う刺身盛り合わせから入り、ヒラマサのカルパッチョ、竹原牛のスタミナ焼き、高宮鶏のローストと、いろいろな食材を味わいたく、ついつい注文の個数も増えてくる。

これだけは食べたいと追加したのは、地穴子の白焼き。広島名物の穴子を、シンプルにわさびと柚子胡椒でいただく一品で、脂の乗った穴子をシンプルに味わえ、おすすめ。幻想ポークの炙り焼きは、さっぱりとした旨みを持つ幻想ポークの魅力を知っているなら、頼まずにはいられない。シンプルな塩焼きを、レモンでさっぱりといただく。これが、おいしい豚肉のベストな食べ方だろう。

広島の食材を、おもいっきり楽しみたい。それが第一の目的なら、ここほど相応しい店はない。個室という空間、しっかりとしたサービスもここの魅力を引き立て、気軽に利用できる居酒屋でありながら、上質な時間を過ごすことができる。
手頃に済ませられる店は多くあるけど、期待以上の空間と料理を楽しめる、市内でも数少ない店といえるだろう。

 
                                                    

 
欧州料理
                                                    
 

ALVERO(アルヴェロ)(イタリア料理)
場所:広島市中区東白島町6−13
電話:082−511−3100
時間:17時−22時(LO)、定休日:月曜
お店HP
コース 3500〜5500円
具だくさんのチーズグラタンスープ 600円
手長エビのトマトクリームスパゲティー 1600円
スパゲッティ ア ラ カルボナーラ 1600円
ピッツァマルゲリータ 1400円
(パスタは、1.5人前+200円、2人前+400円)

八丁堀から白島線に乗り、終点の白島電停から徒歩5分程度。小規模ビルの立ち並ぶ、ちょっと分かりにくい場所に存在する。到着前の十数m手前から届く香ばしいにんにくの香りに、大きな期待を抱いて足を進める。
実は、当初ここが第一の候補地じゃなかったりする。何度か昼に出かけ、その度予約で満席と断られ続けたイタリア料理屋「アユート(AIUTO)」に電話し、数ヶ月先まで予約で埋まっているという事実を聞かされ、それならと選んだ店。それでも、評判の高さに大いに期待して、来店する。

店前の看板には、本日予約で満席との書き込み。前日で予約がとれた幸運を思いつつ、店内へ。店内は、こじんまりした造りで、2人がけ4つのテーブルとカウンターで16席程。テーブルは満席のようで、カウンターに案内される。料理からサービスまでシェフ一人で切り盛りしており、カウンターは、調理の様子を見られる特等席でもある。なかなか話し好きのシェフとの会話を楽しみながら、料理がスタートする。

アラカルトも豊富に取り揃えられているけど、初めてだからコースを選択。コースは、パスタをメインとする3500円、肉or魚料理をメインとする4500円、パスタと肉or魚料理が付く5500円の3種。このお店のベストを知りたいとの理由で、5500円コースを選択。コース内の各料理は、通常メニューをベースとした数種から選択、パスタと肉or魚料理は二人で統一することになる。

まずは、おすすめ白ワインのハーフボトルで乾杯。続いて、バターから手作りというガーリックトーストをいただき、前菜の盛合せへ。前菜の盛合せは4種からなり、紅茶に漬け込み独特の臭みを取り本来の旨みを引き出したという
鴨肉のロースト、自家製ドレッシングに漬け込んだというタコのマリネ、白ワイン・シチリア産の塩をかけ蒸し焼きにしマスタードベースのドレッシングに漬け込んだという若鶏胸肉のマリネ、マイワシのオリーブオイル漬けであるオイルサーディンという組み合わせ。しっかりとした一品づつの説明と共に添えられた、説明以上に手をかけてる料理ですよとの言葉どおり、それぞれに奥の深い味わいで、特に若鶏胸肉のマリネの、蒸し鶏のさっぱりとした味わいとそこから引き出された鶏の旨みが印象に残る。

スープは、開店以来の人気の一品だと言う
具だくさんのチーズグラタンスープを選択。料理の合間の一品だというスープの印象を覆す、しっかりとした自己主張のある味。さらっとしたクリームベースのスープで、口の中ではどこまでも深みのあるコクが幸せ感をもたらし、同時にすっと体の中に入る不思議さがある。料理全般に使っているシチリア産の塩と天然水が味に奥行きを出しているそうで、ちょっとした感動を覚える。

パスタは、カルボナーラ、イカ墨パスタを抑えて一番人気だという
手長エビのトマトクリームスパゲティーを選ぶ。この料理は、イタリア修行中に出会った「リストランテ34」という店の料理の味を再現したというもので、外のもちっとした食感と芯に少しの歯応えを感じさせる絶妙な茹で加減のパスタに、濃厚なソースの取り合わせは、フォークが止まらなくなる一品。魚介も加わり複雑に旨みの絡み合ったソースは、絶品の一言。最後は、手長エビのみそをソースに絡めて食べると言う二重のおいしさも楽しむ。

メインは、
ポッロ アッラ カチャトゥーラという、若鶏もも肉のトマト煮込み料理。バルサミコ酢とビネガーの2種の酢を調味料として使っていて、ジューシーな鶏の旨みとさっぱりとした酸味のバランスがよく、シンプルながらこれまで出会ったことのないおいしさを味わう。

締めは、デザートとコーヒー。イタリア料理は、料理に砂糖を使わないことから、食後にドルチェとして糖分をとり消化を促す仕組みをとるんだとか。デザートが入らない場合は、エスプレッソを頼み、砂糖を2本入れて糖分を補うようにしているという話を聞きつつ、食事を終える。

料理に幸せを感じさせるようなお店が広島にあるのかと、少々の疑問を抱き始めた滞在4ヶ月目にして出会ったこのお店。36歳になると言うシェフの気さくな人柄が居心地のいい空間を作り出し、味はもちろん体へのよさも追求する熱い気持ちは、ストレートに伝わってくる手の込んだおいしい料理に素直に表れている。開店8年目を迎えるまだまだ若いお店だけど、目移りのする魅力的な料理が並ぶメニューに、次への期待を抱かせる。

しっかりシェフの腕を見てみたいならコースを。気軽に食べたいものだけのアラカルトでいけば、結構手頃なお店だから、いろいろな使い方ができると思う。おしゃれに身を包んで出かけると言うより、仲間や仲いい二人でおいしい料理を前に、わいわいがやがやと過ごすお店。機会を作って、ぜひ一度足を運んでみてはと思う。

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09年9月に再訪。
店名が変わったことに驚くも、気軽に利用できる雰囲気は相変わらずで、アラカルトを中心に料理を楽しむ。
具だくさんグラタンスープのコクのある味わい、手長エビのトマトクリームスパゲッティの濃厚なエビの旨み、カルボナーラ発祥の店「ラ・カルボナーラ」の味を再現したカルボナーラと、おいしくいただく。余計な調味料は使わず、シンプルに塩を活かして食べさせるから、しっかりした味わいながら、体にすっと入り込む。
一人からでも利用できる雰囲気もよく、カサ・デ・フジモリなき後、大切にしたい店である。

 
                                                    

 

TAORMINA(タオルミーナ)(イタリア料理)
場所:広島市中区東白島20−5
電話:082−224−3735
時間:11時30分−14時30分、18時−21時30分、定休日:火曜、第4水曜
ピッツァランチ(前菜盛合せ、ピッツァ、デザート、ドリンク) 1500円
パスタランチ 1800円
マルゲリータ(モッツアレラ、フレッシュバジル) 1550円
サンタレツィオ(モッツアレラ、海老、ルッコラ、生ハム、パルミジャーノ) 1900円
フレッシュバジルのトマトソース スパゲッティ 1500円
エミーリア風 ラザーニア 1700円

広電家庭裁判所前電停から、白島電停方面へ200m程。道を歩いていると気付く、ピザの焼けるいいにおいに、店の存在を確信する。

シェフは、シチリアのタオルミーナより来日したイタリア人。売りはピザで、イタリアから直輸入された大きな石釜で焼かれるピザは、毎日天候や湿度により粉の配合を変え、12時間ほど発酵した後に楢やブナの薪で450度に熱せられて焼き上げるとか。食材のほとんどをイタリアから輸入し、本場の味を提供しているというこだわりを持つ。

日曜に、ランチを目当てに訪ねると、ランチは平日のみということを知る。1500円で、ピザの他、前菜、デザート、ドリンクが付くセットはお得で、楽しみにしていただけ残念。パスタも今日は出せないという事情から、楽しみにしていたピザの中からマルゲリータと、おすすめというラザーニアを注文する。

シンプルなピザほどパン生地のおいしさがよく分かるからと頼んだマルゲリータで、トマトソースととろけるモッツアレラのおいしさと共に、生地そのもののおいしさを十分に味わう。外側がカリッとしたクリスピータイプも、中はモチモチのレア仕上げで、そのモチモチ部分がしっかりとあるのが、何よりもうれしい。噛むほどに生地のおいしさが口の中に広がり、小さな幸せを感じられるレベル。これは、石釜を含めた焼き加減の妙によるもので、まさにこの店の売りといっていいだろう。

ラザーニアも、ちょっとこれまで食べたものとイメージの違う一品。エミーリア風とは、中の具にボロネーゼ(ミートソース)を使っていることからだと思うが、これが、パスタ生地の相性とよく、周りにかかるトマトソースと共に軽く食べ終え。こんなことなら、パスタをぜひ食べてみたいと思いつつ、食事を終えたわけで。

店内は、4人がけテーブル席が4つと、2人がけテーブル席が4つほど。奥の部屋は、テーブルを合わせて多人数にも対応できる造りとなっている。開放的でシンプルな内装のため、ある程度の人数(4人)でのパーティーに向いていそう。状況によっては静かな環境になりそうだから、わいわいがやがやと過ごす仲間と利用したい。ピザのおいしさは本物で、まずはランチから、一度気軽に訪ねてみては。
 
 

 

AIUTO!(アユート)(イタリア料理)
場所:広島市中区東白島町18−19
電話:082−221−2980
時間:11時30分−14時、18時−21時30分、定休日:火曜、第2水曜
パスタランチ(前菜盛り合わせ、サラダ、パン、パスタ、デザート、コーヒー) 1680円

場所は、白島線終着駅にあたる白島電停のすぐそば。出発駅の八丁堀電停から徒歩で7,8分、歩けない距離じゃないけど、ゆっくり電車で行くのも、いいだろう。場所が分かったからと、すぐに店を訪ねないよう、要注意。なにせ、広島で最も予約が取りにくい店との評があるように、ランチであろうと2ヶ月待ちは当たり前、週末ディナーともなると、半年近くは見ておく必要がある。ちなみに今回は、週末ランチで、4ヶ月待ち。週末ディナーとなると半年待ちといわれ、ちょっと待てずに。

店内は、テーブル席が2つと、カウンターに8席の計16席となるこじんまりした造り。入口からテーブルフロアを通り、カウンターに案内される。ランチメニューは、パスタランチの一つのみ。パスタは、夜のアラカルトメニューからの選択。オイル、トマト、クリームの3種をベースに、それぞれ5種程度のパスタからなり、その他本日のパスタが2種用意され、選ぶ楽しさを与えてくれる。

パスタを注文後、まずは、3種の前菜盛合せから。それぞれにシンプルながら手の込んだオリジナルを感じられ、深みのある野菜のおいしさを感じられる野菜のマリネ、クレソンをアクセントにいただく生ハムとサラミ、そして、口の中で広がるコクのあるおいしさに思わず唸ったクリームチーズが乗せられたラスク、これはぜひワインと共にと思いつつ、前菜を終える。

続いて、サッパリドレッシングによるサラダ。しっかりとした量が嬉しいところ。メインのパスタは、本日のパスタであるスズキとカラスミのオイルベースのパスタと生ハムとキノコのクリームパスタを選択。二人で利用すると、半分づつのシェアで、2種を楽しむことができるのも、いい。スズキとカラスミのオイルベースのパスタは、細めのパスタが使われており、絶妙な茹で加減による食感が印象的。香り高いカラスミを主体とした、シンプルなペペロンチーノ仕立てのパスタをいただく。スズキも思った以上に存在感があり、素材の良さを感じさせるほくほくとした身がおいしく、シンプルな味わいのアクセントとして楽しむ。

クリームパスタは、少し太めのパスタで、クリームをしっかりと絡めながらいただく一品。上品なさっぱりとしたクリームに、強い個性を感じることはないけど、探り当てていくと気付かされるその中にあるほんのりとした複雑な旨みや、最後まで自然と体に入ってくる味わいに、計算された完成度の高さを感じる。デザートは、2種の盛合せで、最後までしっかりと手をかけた心意気を見ることができる。

こじんまりした店内で、客の数も限られているから、ゆったりとした空間の中、心地いいサービスと共に過ごすことができる。そこまで長くいたつもりもなく、出る頃には1時間30分が経過していたことには、ちょっとした驚いたことでもある。落ち着くのはテーブル席だろうが、カウンターは、シェフの調理の様子が見られ、なかなか楽しい。アップテンポのクラシックの曲に乗り、楽しそうに料理を作っている姿は、見ているだけで、おいしそうな気がしてくる。帰り際に始まった、夜の料理の仕込を見ていると、やっぱり一度は夜にこなければと思ったもので。

確かにパスタはおいしかったが、直球でおいしさが伝わってくる料理とは少し違い、イタリア料理におけるおいしさという基準で見たとき、広島には他の選択肢が十分あることを感じずにはいられない。もちろんランチで判断することは早計で、それだけに次はディナーへとの思いを強くしているが、4ヶ月という期間を思うと、また気軽にランチへとの思いがでてこないのが、正直なところ。ディナーのコースが3600円程度からあるように、コストパフォーマンス高さは素直に認めるものの、結局、いつまでも予約が取れないことが、今の状況に拍車をかけていると思わずにいられないところがあり。

ちなみに予約の現状は、6月過ぎまで埋まっている様子。5月から、7月から半年間の予約を開始するとのことだから、そのタイミングを狙い、次こそ夜の予約をしておきたいところで。なんにせよ、ここまで評判が高いと、少々無理してでも一度食べておくべきだろう。未来の予定など気にせずに、とりあえず週末の空きに予約を入れる。数ヵ月後のある一日を楽しみに過ごす日々も、なかなかいいものだから。

 
                                                    

 

Tiger Tiger(タイガータイガー)(イタリア料理)
場所:広島市中区立町4−15、英万里ビル3F
電話:082−247−9502
時間:11時30分−24時(日・祝23時)、定休日:月曜(祝日は、翌日)
お店紹介HP
パスタランチ(サラダ、パン、本日パスタ、ジェラート、ドリンク) 1000円
おすすめランチ(前菜盛、パン、本日パスタ他7種から1種、デザート盛、ドリンク) 1500円
ラザニアランチ(サラダ、パン、ラザニア、ジェラート、ドリンク) 1300円【10食限定】
お昼のフルコース(前菜盛、パン、パスタ、魚or肉料理、デザート盛、ドリンク) 2900円

広島市の繁華街に建つ雑居ビルの3階にあるイタリアンカフェ、タイガータイガー。ビル街の一角にある少々分かりにくい立地ながら、落ち着いた雰囲気の中、少し上品に会話と料理を楽しめる空間の居心地の良さからか、なかなか人気が高い。特に手頃なランチタイムに利用するなら、事前の予約が無難だろう。

エレベーターが開くとそこがお店で、さっとスタッフの案内を受ける。店内はワンフロアの造りで、適度にバランスが取れた席の配置とスタイリッシュな雰囲気が印象的。混み具合によるのだろうが、席の案内に配慮があるから、周りを気にせず会話を楽しめる。

手頃なランチは1000円からあり、今回は前菜盛りが付き、8種のパスタから選べるおすすめランチを選択。まず、キッシュとトマトベースのタコのマリネ等が付いた前菜を、続いて「トマトとバジルのスパゲッティ パルメザン風味」、「真卵のカルボナーラ」とある中選んだ「鯵と白菜の白ワイン風味」という本日のパスタをいただく。

白ワインベースのパスタは、優しい味わいでおいしくいただくも、全体的に個性に欠けるのが少し残念。この店をイタリアンカフェと割り切り、繊細さやおもしろさといった大きな期待をしていなければ、さして気にならないだろうけど。

どちらかというと、雰囲気を楽しむ店。ワンフロアの造りは、ともすれば騒々しさを伴い、ここぞという場面ではリスクを伴うかもしれないけど、高いサービスレベルと合わせて、ちょっと上品に時間を楽しみたいなら、ここを選べばそう間違いはないだろう。気軽なランチ、雰囲気を大事にしたいディナーで、ここを利用したい。
 
                                                    

 

アリエッタ(イタリア料理)
場所:広島市中区紙屋町1−4−26(紙屋町東電停徒歩2分)
電話:082−247−8456
時間:11時30分−15時、17時30分−23時、定休日:火曜
お店HP
Aランチ(サラダ、ピッツァorパスタ+パン) 1000円
Bランチ(サラダ、スープ、ピッツァorパスタ+パン、ドリンク) 1200円
Cランチ(前菜2種、スープ、サラダ、ピッツァorパスタ+パン、ドルチェ、ドリンク) 2000円
※ ピッツァ5種、パスタ2種から選択。ドルチェ+200円。土日祝は、2000円ランチのみ。
アラカルト
マルゲリータ(トマトソース、モッツァレッラ、バジリコ) 1470円
フンギ エ プロシュット(モッツァレッラ、3種のキノコ、パルマ産生ハム) 2000円
クワトロ フォルマッジ(モッツァレッラ、ゴルゴンゾーラ、タレッジォ、パルミジャーノ) 1980円

紙屋町東電停から徒歩2分程と、広島市の中心地に位置しながら、裏通りにあるから、場所はなかなか分かりにくい。広島銀行本店の近くとなるが、隣にある中華料理屋・中国飯店を目印にすると分かりやすいだろう。(ちなみに中国飯店は、ここで紹介することはないだろうが、大盛り・良心価格のサラリーマンおすすめのランチどころ)

どこか皆でランチにと、お昼の店探しを頼まれ、日暮れ時から街を一回り。パルコ近くにあるラ・ミッション(フランス料理)に引かれるも、場所や値段の関係から、次回の候補に。そう言えば、以前見かけたアリエッタは、なかなか雰囲気のいい外観だったなと思い出し、お店を訪問。

12時10分頃にお店に来て、50分には出たいけど、と確認したところ、事前にメニューを連絡してもらえたら、それに合わせて料理を出すとの返答。それならと予約をして、翌日の昼に皆で出かける。

店内は、テーブル席とカウンターからなり、2人用テーブルをつなげることで、多人数にも対応。7人利用時の今回は、他の客も合わせると20人を超える満席状態。何人か待っている客もいて、予約の必要性を感じる。石釜が奥に設置された店内は、落ち着いた色調の造りが作り出す温かな雰囲気があり、過ごしやすい。

この店のうりは、薪釜で焼き上げる、ナポリピッツァ。ランチは、各コースパスタも選択できるが、まずはピッツァを試してほしい。今回は、5種の中から、王道・マルゲリータを選択。やっぱり、ピッツァの基本だから。

チーズをまぶしたサラダの後に、いよいよピッツァ。できたてアツアツの、モッツァレラのたっぷり乗ったモッチリピッツァは、やっぱりおいしい。ピリ辛オリーブオイルをアクセントに、あっという間に食べ終わる。

中心地に位置する立地の千円ランチで、このピッツァが食べられたら、十分どころか貴重とさえ思う。ただ、ピッツァ単体の比較となると、やはりピッツァレベルの高い広島においては、番手がいくつか落ちてしまう。サイズが一人前で小さいところもあるのだろうが、生地のモッチリ感や塩加減、ソースを含めた全体のまとまり感は、ピッツァ・リーバやタオルミーナが幾段上と素直に思う。まあ、値段の違いや、パスタやメインとコースにも力を入れていることから、一概に比較してはいけないだろうけど。

ビル1階の奥に少し引っ込んだ入口から、気付いていても、なかなか入りにくい店。一緒に行ったなかなかグルメな方々も、皆が初めてというから、ここを選んでよかったと一人満足。店内の自然体でいられる落ち着いた、少し上品な雰囲気は、過ごす時間を上質なものにしてくれる。平日千円と比べると、週末2千円からというランチは、少々利用者を限りそうで、残念。新たなおいしい店を探しているなら、まずは、平日ランチから、一度この店を訪ねてみてはと思う。
 
                                                    

 

みやもと(創作料理)
場所:広島市中区三川町3−22 美藤ビル2F(お好み村裏手)
電話:082−241−8665
時間:11時30分−14時、17時30分−22時30分
本日ランチ(前菜、パスタ、パン、コーヒー) 1000円
ペペロンチーノ 840円
エゾ鹿ロースとフォアグラソテー トリュフソース 3600円
ミニコース(アミューズ、前菜、スープ、魚or肉、デザート、コーヒー) 3500円
店主おまかせコース(アミューズ、前菜2品、スープ、魚、肉、デザート、コーヒー) 5500円

八丁堀電停から徒歩5分程度、パルコを過ぎてお好み村の裏手にある雑居ビルの2階にひっそりとたたずむお店。店内は、3つのテーブル席の他、カウンターがあり、一人利用も可。窓のない造りが、周りの雑踏を遮断し、落ち着いた音楽、暖かな明かりが、異空間へといざなってくれ、静かで落ち着いた時間を過ごすことができる。

千円ランチは、充実の内容。前菜は3種から選べ、今回は、ギザミエスカベージュ、ホタテ貝柱のカルパッチョ、小イワシのアンチョビ風カナッペ タプナードソースから。選んだアンチョビ風カナッペは、パンにアンチョビペーストのソースをぬり、新鮮な生の小イワシの半身を4枚乗せたもの。レアな小イワシに少々気後れしつつ、大人な味わいにワイン向きの料理だなと、勝手に解釈。メインのなすときのこと生ハムのペペロンチーノは、きれいな見た目と生ハムとの相性を楽しんで。

それぞれに一手間かけた料理に、ランチとしては満足。パスタにしろ、飛びぬけた味ではないが、このこだわりがディナーの料理にどう活かされるのか、ちょっと気になるところ。ただ、サービスについては、押し付けがましいところがあり、気にかかるところじゃある。せっかくアットホームな雰囲気な中、旦那さんのマイペースさは、ちょっとミスマッチなきらいがあり。それでも、広島の繁華街で10年間続いているお店。まだまだ見えていない魅力があるんだろうなと、また訪ねようと思っているけど。

週末の買物ついでに、ランチから。まずは気軽に利用し、相性を確かめてみては。
 
                                                    

 

LE TRISKEL(ル・トリスケル)(フランス料理)
場所:広島市中区幟町5−17、2F
電話:082−511−5031
時間:11時30分−14時、18時−22時、定休日:日曜
ランチ (各値段は税抜き)
Aコース 1980円
Bコース 3980円
ディナー
本日のコース 5500円
おまかせコース 8000、10000、15000円
夢の記念日ディナー 3000円(2人から)

広島でも評判のフランス料理の店に、ようやく訪問。百貨店が並ぶ広島中心地・八丁堀から徒歩10分程度、エリザベト音楽大学の近くとなる。道沿いにあるお店の入口は、至って分かりにくい。薬局の2階にあり、入口となる階段前の案内黒板を見逃すと、界隈をさまようことになるだろう。何度か通った道でありながら、これまでお店の存在に気付かなかったことに、納得する。

店内は、こじんまりとした落ち着いた雰囲気で、好印象。スタイリッシュさを目指して軽薄な雰囲気になりがちな店が多い中、心落ち着く温かな雰囲気に包まれ、店主の目指す方向性が伝わってくる。

料理は、メインに魚と肉の両方を食べたかったので、おまかせコースから。値段によって3種あるなか、ワインを飲むと値段も張るしと、8千円を選択。コースの内容を聞き損ねたから、その違いが気になるところだけど。

まずは、前菜に、ひらめのカルパッチョ、そしてフォアグラのアイスクリームを乗せたタマネギのクレームブリュレが続く。カルパッチョには、特筆するものはないが、普通においしい。タマネギのクレームブリュレは、濃厚なタマネギのブリュレにさっぱりとしたアイスを絡め、新たな味わいをもたらすおもしろい趣向ながら、タマネギの存在が大き過ぎ、もう一つ求めるゴールがよく見えず。初めて出すというチャレンジ料理のようだが、なかなか評価が難しい。

やさしいジャガイモのスープの後のメインの魚料理は、萩産のアマダイの皮をパリッと焼いたソテー。甘みの強い人参を使ったソースでいただく。肉料理は、ウズラのソテーで、引き締まった肉からあふれるジューシーな味わいを楽しむ。一緒に盛られたタマネギは、甘みの強い品種とかで、シンプルなソテーながら十分な存在感は発揮する。

こじんまりとした中に、温かな雰囲気のある店内で、料理の詳しい説明など気軽に聞ける雰囲気もいい。ゆっくりと、会話と食事を楽しみたいなら、ここはおすすめ。一方、8千円からの値段と、それに対するパフォーマンスは、少々食べる人のレベルを求められる。前衛的な取り組みも見受けられるが、はたしてそれが、普通においしい料理を楽しみたいだけの人に受け入れられるかは、はなはだ疑問。雰囲気は好きだが、料理に関しては少々客を選ぶ店、そして個人的には、たまの記念日の外食であるなら、わざわざここを選ぶことはないとの感想を持つ。

まあ、料理は人それぞれの好み。世間に評価の高い名店であるなら、一度自分で味わっておきたい。そんなチャレンジ精神を持って、挑みたい店である。

 
                                                    

 

ビストロ ラ バニーユ(フランス料理)
場所:広島市中区鉄砲町4−10
電話:082−221−2652(お問い合わせなど)
    0066−967−76455(予約専用、通話料無料)
時間:11時30分−14時、18時−23時、定休日:日曜
お店HP
ランチ
パスタランチ 1260円(月〜金1000円)
ビストロランチ 1890円(土、祝のみ)
ディナー
3900円コース(アペリティフ、本日の前菜、本日のお肉料理or本日のお魚料理、デザート、カフェ)
6000円コース(アペリティフ、前菜の盛り合わせ、本日のお魚料理、イベリコ豚の備長炭グリル、デザート、カフェ)
8000円コース(6000円コースの肉料理が、特上広島牛ヒレ肉備長炭グリルに変更)

広島市中心地・八丁堀界隈にあるフランス料理屋。フランス3ツ星レストラン「メゾンドブリクール」で腕を磨いたシェフが創る本場フランスのビストロ料理がうりで、既製品は使用せずすべて手作りというこだわり、なかなかの評判の高さに引かれて訪ねる。

店内は、縦長のこじんまりとした造りで、片側にテーブルが並ぶ。最大35名入れるというが、まあ、多くて7組程度の利用となろう。18時オープンも、20時から結婚式の2次会がありそれまでの利用ならとの言葉を受け、それなら少し早めに行くのでと答える。時間的には大丈夫といわれても、コースを2時間弱とあわてて食べるつもりはない。1日貸切なり、開業時間繰上げなり方法もあるだろうに、中途半端に営業を行う姿勢に一抹の不安を覚えるも、料理は一度食べてみたかったから、大きく余裕を持って17時40分に来店する。

メインとなるホールの奥のスペースに、二人掛けのテーブルが2つあり、そちらの席に案内される。椅子が、一人掛けソファタイプとくつろげる仕様にひとまず満足。今回頼んだのは、6000円コース。魚と肉が付くフルコースを食べたかったのが大きな理由。まあ、8000円は初利用で出すにはちょっときついところがあり。アラカルトも用意されているが、コースの方がお店の特徴が分かるものだから、迷わず選択。まずは、おすすめのイタリア産白ワイン(トレッビアーノ・ダブルッツォ)をグラスで。香りのいい辛口ワインで、飲みやすく料理にも合い、結局グラスで2杯飲むことに。

ワインを一口飲んだところで、
アペリティフが運ばれる。これは、最初の一皿の意で使われており、コース以外にもお通しとしてまず出されるよう。数種の新鮮な野菜を広島県産もち豚のハムで巻いたサラダ感覚の一品で、ハムのおいしさが印象的。優しい味わいは、手作り故だろうなと。前菜盛り合わせは、それぞれに手の込んだ料理で、この店の実力を見る。まずは、かぶのスープ。甘みと奥深いコクを味わえる冷製スープで、おいしい。続いて、フランス産天使の海老と北海道産ホタテのジュレがけ。天使の海老は、さっと湯がけしたものをほぼレア状態でいただき、濃厚な甘みと旨みが口の中で広がる様に感心。軽いカレー風味のジュレがかけられた生ホタテの貝柱もおいしく。小海老のタルタルソースがけは、プリッとした食感に海老の新鮮さが伝わる。広島県産もち豚のテリーヌは、滑らかな食感と濃厚な豚の旨みがくせになり。パンの上に乗るフォアグラのテリーヌとうなぎの一品は、フォアグラの濃厚な味が広がる中でしっかりとうなぎが自己主張し、バランスがとれていてなかなかおもしろい。鴨のローストは、ソースが印象的。パンプキンシードオイルを使っているとかで、ちょっとした苦味が鴨肉の旨みを引き立て、感心。

魚料理は、
長崎産マトウダイのポワレ。香ばしく焼かれたマトウダイは、カリッとした皮がおいしく、白身もぷりっぷりの食感を楽しませる。淡白な白身を引き立てるは、マスタードを使ったさっぱりとしたソース。その相性に、ソースで素材を活かすフレンチらしさを感じる。瀬戸田レモンとアールグレイによるお口直しのシャーベットをいただき、肉料理へ。肉料理は、特上イベリコ豚の炭焼グリル。トマトベースと赤ワインベースの2種のソースを絡めながら、厚みのあるイベリコ豚をいただく。ちょっと脂身がおおいとこは好みによるが、肉質はやわらかくジューシーで、イベリコ豚特有のコクもほのかに感じる。肉厚のエリンギは、豚に負けないこの皿の顔。旨みのスープをたっぷり吸い、食感と共に楽しむ。

デザートは、ショコラケーキ、フラマンジュ、ラム酒アイスと小サイズを3種。その後、コーヒーと、お供に生チョコ、生キャラメル、塩キャラメルの付け合せをいただく。食後は、だらだらと話をし、いつの間にか20時10分になっていたから、急いでお店を出ることに。

料理は、それぞれに手が込んでいて、料理に対する思いが伝わってくる。それをおいしさで表現している前菜盛り合わせは、とりわけおすすめしたい一品。料理に関しては、魚、肉ともにしっかりと量があったことに、少しサイズを落として、質を高めてはとの思いがあるくらい。ただ、注文の中心になるだろう6千円コースの肉料理のメインが固定されているのは、ちょっと寂しいところ。

さて、サービス。今回は、やはり20時までの利用制限があるためか、2組の利用。それでも、十分なサービスが受けられたかといえば、そうでもない。料理やワインの説明、対応に何かが足りない。決められたことはこなしているが、客への思いやり、心とでもいおうか。オーナーシェフの方針か、料理の他に気が回らないだけなのか。事前に、食材の産地や調理法、今日の料理とワインの相性等、もっと詳しくホールスタッフに伝えておけば、接客への心構えを共有しておけばいいだけのことなのだから、もったいない。それでも、一般的にはよくできたサービスと評価されるレベルだろう。ただ、大きな期待をし、店の雰囲気がよく、料理もおいしかっただけに、ちょっと残念で。

グラスワインを2杯飲んで、一人7500円。落ち着いた音楽の流れるこじんまりとした店内は過ごしやすく、気取らない雰囲気でゆったりと食事とお酒を楽しむにおすすめのお店。アラカルトでコースも作れるから、そういう選択も十分にあり。値段以上の満足は十分感じられ、仲のいい人やおいしいものが好きな人とここを訪ねたい。まずは相性を確かめに、ランチで訪ねるのがいいだろう。

 
                                                    

  

ラ・ミッション(フランス料理)
場所:広島市中区本通1−21
電話:082−244−5573
時間:11時30分−14時30分、17時30分ー21時30分、定休日:水曜
本日のランチ(魚or肉料理、パン、ケーキ、コーヒー) 1050円
スープ付 +350円、オードブル付 +550円
スペシャルランチ(スープorオードブル、魚料理、肉料理、ケーキ・コーヒー) 2500円

場所は、周りにパルコや百貨店・福屋がある広島市中心街、立町電停から徒歩3分もあれば到着する街中に位置する。近隣には、様々な飲食店が並び、広島中心地のグルメスポットとなっている。

そんな一角にこじんまりと店を構えているのが、ここラ・ミッション。少々色あせたフランス国旗が目印で、入口の看板には、本日のランチメニューが掲載されている。とある日のメニューで言えば、甘鯛のムニエル アンチョビのトマトソース又は鶏胸肉のロースト きのこのクリームソースと、魚と肉料理の本日のランチが載る。

店内は奥行きのあるこじんまりとした造りで、テーブル席が24席ほど。テーブルクロスを始め淡い色調で統一された落ち着いた雰囲気が、印象的。店員さんは、元気がよく、人柄のいいおばちゃんが一人で対応。引き締まった緊張感とは程遠いが、そんな接客が、店全体を明るく、どこか楽しい雰囲気をもたらしている。

このランチで、1050円なら十分満足。本日のメニューは、サーモンの南仏風トマトソースは、新鮮なトマトをベースに野菜がしっかり入ったソースが、カリッと焼かれたサーモンを引き立て、期待以上のおいしさ。身自体の味わいが強いサーモンは、なかなかソースとの相性が難しい素材ながら、しっかりと上品な味わいを感じさせるフレンチに仕上げるところに感心する。パンは、少々冷えているところは残念だが、パン自体はおいしく、お替り自由なところも嬉しい。ケーキは、4種から。コーヒーまで付いて、この値段なら、また利用したいと思わせる。

休日ランチタイムになると、店内は満席で、先日訪ねた際も14時前に品切れになるなど、なかなか人気の店。確実に訪ねるなら、たとえランチでも事前に電話を入れておく方がいいだろう。客層は、女性が多く、少々にぎやかな店ではあるが、買物ついでの気軽なランチ利用におすすめしたい。
 
                                                    

 
【09年 (惜しまれながら)閉店】 

カサ・デ・フジモリ(スペイン料理)
場所:広島市中区紙屋町1−4−10
電話:082−242−4123
時間:17時−21時30分(日曜12時−15時、16時−20時30分)、定休日:月曜(第2・第3火曜)
パエーリャ・バレンシアナ(2人前) 3360円
魚介類のパエーリャ(2人前) 2730円
小海老のニンニク・ソテー 683円
ムール貝のたこつぼ焼き 683円

場所は、紙屋町西電停から本通りに向かう途中、少し路地に入ったところにあるから、目指していかなきゃちょっと見つけにくい。白塗りの壁と掲げられたスペインの国旗が目印で、見た目のいい雰囲気が、期待感を膨らませる。広島でパエリアを食べるならこことの情報を聞きつけ、スペイン料理を味わいに訪ねる。

最初にちょっと驚くは、マスターの接客。なんともつれなく、それでいて不快感を覚えるものでもなく、まあ個性というにふさわしい。客が多く忙しいという状況もあろうが、なかなか注文を聞いてもらえないし、愛想の一つももちろん期待できない。それでも、そんな頑固親父の風がいい味わいで、にぎやかな店内に一つの空気を作っている。きっとその対応が苦手な人もいそうだけど、結局仲間での料理と会話を楽しむことが目的なら、その適当さが心地よくもある。

メニューは、小皿料理である十数種タパス、オムレツ、サラダ、スープ等があり、パエーリャは6種類が用意されている。パエーリャを含めた一人3千円程度のコースは、それらを組み合わせたものとなる。今回は、二人利用のため、タパス3種とパエーリャに、ハーフボトルの白ワインを注文する。

まず出てきたのは、
小海老のニンニク・ソテー。当初注文予定になかったが、うちの一番人気だけどいい?と聞かれ、それはぜひと追加で頼んだもの。熱々のたっぷりオリーブオイルに、フライドされた小海老が浮かび、底にはガーリック等香辛料が沈む。これに、タパスを頼むとサービスで付いてくるパンに付けて食べると、もうやみつきになるおいしさ。最後にパエリアが出ると、この後他のタパスがあると分かっていても、あまりのおいしさにここでパンを全て食べてしまうことに。その他タパスは、ムール貝のつぼ焼きチョリソーを食べる。そして、スペイン料理とは、結局オリーブオイルとガーリックをたっぷり使った料理だなと、勝手な結論にいきつくことに。

メインは、この店の売りでもあるパエリア。その中でも、
パエーリャ・バレンシアナは、一番値段もよく、この店の一押しのよう。大きな鍋の黄金色のご飯の上に、手長えび、かに爪、ムール貝、ホタテに鶏肉とたっぷりの具が入る、本格的なパエリア。適度に芯を感じさせるお米が、こくのある深い味わいを引き立て、ふりかけるレモンのさっぱり感が、飽きることなく食べさせる。たっぷりの量をあっという間にたいらげて。

ハーフボトルが1500円だったこともあり、二人で7千円程度と結構手頃。
店内は、テーブル席のみ8席程度。週末利用時、常に満席で、確実に訪ねたいなら予約がおすすめ。待機スペースがないため、ふらっと訪ねた今回は、20分程度近くのカフェで時間をつぶすことになって。店内は、欧風田舎の居酒屋雰囲気で、どこかほのぼのとした、異空間を楽しめる。気取って訪ねる店ではなく、ワインを片手に、気の合う人と、会話と料理を楽しむのがいいだろう。

ハーフボトルが1500円と手頃だったこともあり、二人で7千円程。満足感を思うと、なかなか手頃な店といえる。イカの墨煮、ブイヤベースと、ちょっと気になる料理がいくつかあり、きっとまたここを訪ねることになるだろう。

 
                                                    

 
【09年 閉店】

アンティパスタ 広島シャレオ店(イタリア料理)
場所:広島市中区大手町1丁目地下街310号(紙屋町シャレオ・西5階段近く)
電話:082−546−3232
時間:11時−22時30分(LO22時)
ランチメニュー(サラダ・ドリンクセット +200円)
本日のおすすめ生パスタ 850円
季節野菜のペペロンチーノ 650円
カルボナーラ フェットチーネ 900円
夜メニュー
ブロッコリと自家製サルシッチャのアーリオオーリオ 1000円
ペスカトーレ 1200円
博多辛子明太子ソース 950円

広島市紙屋町の地下に造られたショッピング街・シャレオ。その西端、広島球場側に飲食店が並び、その一角にあるのがこのお店。ちょっとおしゃれでありながら、買物ついでに気軽に入れる雰囲気が、いいところ。

手頃な値段も嬉しく、ランチは650円から、夜も950円からメニューが並ぶ。ここの特徴は、なんといっても生パスタを使っていること。ランチを始め全てのメニューに使われる生パスタは、モチモチの食感とパスタ自体のおいしさを味わえ、これを求めてまた訪ねたくなる。夜メニューの特徴は、14種の生パスタと20種のソースを好みで組み合わせられることにある。平打ちタリオリーニやフェットチーネ、ペンネ、ニョッキから定番のスパゲッティーニまで、パスタを選ぶ楽しさを与えてくれる。

ランチ利用で、季節野菜のペペロンチーノを選択。生パスタを活かすオイルソースもおいしく、ソース自体にも満足。その食感と味わいが忘れられず、ついつい食べたくなるのが、生パスタの魅力。そして、その生パスタにこだわり、かつ手軽に食べられる店は、そうはない。ぜひ一度、街中散策ついでのランチに訪ねてみては。
 
                                                    

 
洋食
 
 

広亭タナカ
(洋食)
場所:広島市中区土橋町2−18
電話:082−295−7188
時間:11時30分−15時30分、17時30分−22時、定休日:水曜
お店HP
ランチ(スープ、一口パン、ライス、デザートorコーヒー)
ハンバーグ 1300円
ビーフカツ 1980円
ディナー
少なめのコース(メインをシチュー、ステーキ、ハンバーグより) 3200円
おまかせコース(オードブル3品、帆立貝のクリーム煮、タンシチュー、サーロインステーキ等) 5000円

中区にありながら、場所は不便。路面電車で向かうなら、己斐方面の電車に乗り、土橋電停で下りることになる。お店の駐車場はないが、店の前に有料駐車場があるから、車で向かうのが、便利だろう。利用時は、駐車場サービス券をもらえるから、安心を。

開店17年を迎える洋食屋で、ここのうりは、デミグラスソース。それを味わうため頼んだのは、ハンバーグランチ。まず出てきたのは、玉葱をベースに、ジャガイモでとろみをつけ、トマトでアクセントを加えたやわらかい味わいのスープ。ジャガイモによるどろっとした食感とほんのりとしたトマトの酸味が特徴的。メインのハンバーグは、やわらかな食感のハンバーグをさっぱりとしたデミグラスソースでいただく一品。デミグラスソースの野菜からでた旨みを感じさせるさらっとした上品な味わいがおいしく、おいしく食す。

気軽に入れる町の洋食屋というのが、この店の感想。サービスは、どこかそっけなく、頼んだコーヒーも忘れられる等、大きな期待は抱かないことが賢明。子供連れ家族での利用も多いから、静かな雰囲気を求めてもいけないだろう。それでも、洋食屋との言葉通り、上品で繊細な料理とは違うが、どこかほっとさせられるワンランク上の料理をいただける店。

まずは、気軽にランチで利用したい。そこで、料理やお店との相性を確かめて、次の利用につなげてみては。
 
                                                    

 

ぐりる彦星(洋食)
場所:広島市中区本通り1−21、2F(パルコ近く)
電話:082−247−8778
時間:11時30分−14時(休日12時−)、18時−23時(休日−22時)、定休日:月曜
おむらいすランチ 1050円
カレーライスランチ 840円
はんばーぐランチ 1050円

場所はパルコ近く、本通りから少し中に入ったところにあり、中心街での買物ついでのランチに便利な立地となる。通り沿いには、多くの飲食店が並ぶ飲食街で、そばにメニュー看板が置かれた、2階へと続く階段を目印にすると、分かりやすい。

ここの一押しは、おむらいすランチ。野菜たっぷり気まぐれおかず、味噌汁、とろとろおむらいすのセットで、気まぐれおかずも、ボリュームたっぷりの一品。そしてメインのとろとろオムライスは、卵でくるんだ他で見かけるものとは、一線を画す。卵とご飯を事前に絡めて半熟に焼き上げた一品は、優しい味付けでまとめたたっぷりの卵とご飯のバランスが絶妙で、その優しい食感といい、なんともおいしい。

たっぷり野菜と優しい味付けが受け、ランチには、多くの女性で店が埋まる。時間がない中利用するなら、席を押さえておく方が、無難だろう。こういうオムライスがあるんだという驚きと共に、また食べたくなるのが、ここの魅力。ちょっと上品にランチを楽しみたいとき、利用したい。
 
                                                    

 
麺類
 
【広島市中区紙屋町から移転】
 

海風堂(ラーメン)
場所:広島市中区吉島東1−5−7(写真は旧店舗)
電話:082−241−2820
時間:11時30分−14時(休日15時)、18時−22時、定休日:月曜
お店HP
豚骨醤油ラーメン 680円
豚骨塩ラーメン 680円
つけ麺(広島風) 900円
ミニチャーシューご飯(ランチタイム) 100円

広島風ラーメンの代名詞ともなりつつある海風堂。こってりともあっさりとも違う豚骨醤油の複雑な味わいに、他にはないオリジナルを感じる。それでも、ここの一押しは、豚骨塩ラーメン。上品な味わいの中にあるしっかりとした豚骨ベースのスープがくせになり、また足を運ばせる。つけ麺は少々高く未だ手を出せずも、こちらにもこだわりがありそうだから、いずれはというところ。

場所は、紙屋町東電停から本通りへ数十m歩いたところ。ランチタイムは、常に満員も、それなり客の回転が早いから、食べ損ねることもないだろう。わざわざ遠方から出かけるかどうかは別にして、近くを訪ねる機会があれば、一度食べてみては。
 
                                                    

 
 

郷や 八丁堀店(さぬきうどん)
場所:広島市中区八丁堀6−10
電話:082−221−3038
時間:11時−19時
お店HP
かけうどん 小180円、中280円、大380円
ぶっかけうどん 小180円、中280円、大380円
釜あげうどん 小230円、中330円、大430円
冷やぶっかけうどん 小200円、中300円、大400円
天ぷら 80円〜
おにぎり 60円〜

四国に近い広島では、本格的なさぬきうどんを出す店が、いくつかある。さぬきという世間に氾濫しているブランドに、大きな期待をしなくなってしまった中、街中に確かあるおいしいお店の存在が、広島でのさぬきうどん巡りへと動かされる。

そんな中、郷やは、お気に入りのおいしいさぬきうどんの店。本場さぬきで修業して、市内で八丁堀、光町、十日市と3店舗を展開、そして深川製麺場(広島市安佐北区深川7−39−4)では、製麺所横でうどんを食べられる製麺所型の店舗を構えている。ここ八丁堀店はセルフ式で、列に並んでまずはうどんを注文、すぐに出てくるうどんを受け取り、おにぎり、天ぷらと取りながら、最後にある会計へと向かう。会計後は、すぐ横にあるタッパの天かすを好きな量入れ、コップに飲水をついで空いている席に座り、いただく。

「うどんとは、小麦のおさしみである」という言葉が印象的。鮮度を感じさせる生き物のようなつるっとした食感は驚きに値し、すっと体に入り込む。ぶっかけうどんの濃い目のだしは、存在感のある太目のうどんとの相性抜群。濃い目でありながら、体に負担を感じさせず、優しい味わい。このバランスが、何度食べても飽きない、郷家のさぬきうどんの特徴ともいえる。

うどんの種類は多く、トッピングも数種。400円前後で、味に、量に満足いくから、また昼時に足を運びたくなる。列ができていても、かなりの回転の速さで、メニューを考えているうちに注文を終え、次々に空いていく席の一角を埋めることになるだろう。夕食まで考えて中心地に出てきたなら、昼をここのうどんにすることを考えてみてはどうだろうか。
 
                                                     

 

むさし 本通り店
(むすび)
場所:広島市中区本通り4−15
電話:082−247−6341
時間:10時−20時30分
お店HP
俵むすび(2ヶ) 260円
銀むすび(2ヶ) 450円
若鶏むすび 780円
元気うどん定食 750円

広島市内に8店舗を構える、広島名物ともいえるお店。オリジナルの醤油タレが使われた俵むすびは、この店ならではの味わいで、ときに思い出しては食べたくなる一品。小さな頃から、広島に野球を見に来たときには必ず食べてたこともあり、思い出の味でもある。

店舗で食べるなら、おすすめは元気うどん定食。俵むすびに勝るとも劣らないおいしいむすびが銀むすびで、この元気うどん定食にも付いてくる。表面にごま塩だけが付くシンプルなむすびながら、その絶妙な塩加減はくせになるおいしさ。にんにくスライスが入ったとろみのある元気うどんもお気に入りの一品で、この2品がセットだから、結局毎度これを選んでしまうところ。

持ち帰りの弁当が人気なのも、ここの特徴。店舗には、持ち帰り専用の窓口が設けられ、待っている間にお茶を出してもらえたりと心温まるサービスを受けられる。そして、持ち帰りでおすすめなのが、若鶏むすび。若鶏のカラッとした揚げ方に特徴があり、ボリュームと共に楽しめる。

利便性のよさも、ここの特徴。本通り店は紙屋町電停近く、胡店は八丁堀電停近く、新幹線口店は広島駅新幹線口1階名店街と、便利な立地に店舗があるから、県外から来ても利用しやすい。弁当だけなら、新幹線改札内でも売っており、もし県外から来ることがあるなら、例え夕食を食べていたとしても、翌日の朝食用に弁当を買って帰ることをおすすめする。一度食べてみれば、この店が広島県人の思い出の味として愛され続けている理由が分かるだろう。
 
                                                    

 
   

ちから 京口通店(うどん)
場所:広島市中区八丁堀13−15
電話:082−502−6008
時間:11時−21時(土日祝20時)
お店HP
かけうどん 340円
天ぷらうどん 490円
カレーうどん 560円
五目いなり 100円

広島市内・近郊に38店舗を展開する一大うどんチェーン、「ちから」。町を歩けば、車で移動すれば、電車を降りればと、あちこちで見かける赤い看板は、広島市に一度でも来たことがあれば、どこかで見かけているはず。

チェーン店を好んで紹介するつもりはないけれど、ここのうどんは広島オリジナルで、ふと食べたくなるおいしさがすっかりお気に入りだから、ここで紹介。ダシは昆布とかつおの関西風で、透明感の中にあるしっかりとした味わいがおいしく、いつも最後まで飲み干すことに。麺は、コシとは無縁の細いもっちり系。これがまたダシとよく合い、おいしくいただけるわけである。個人的には天ぷらうどんが一番のお気に入りで、ともすれば単調になりがちなうどんにアクセントをもたらし、お腹もしっかり満たしてくれるというわけで。

どこで食べても同じ味で満足させてくれるから、特に店を選ぶ必要なし。むしろ、目指して選ぶことなく、急ぎや軽く済ましたい時に、気軽に立ち寄る店の選択肢として利用したい。広島駅店で、出張の際の朝食をとったりと。なんにしろ、広島市の名物であることに違いなく、一度利用してみることをおすすめする。
 
                                                    

 

つけ麺本舗 辛部
(激辛つけ麺)
場所:広島市中区十日市町1−4−29
電話:082−294−2225
お店HP
つけ麺 680円

激辛つけ麺とは、冷やした中太麺を唐辛子入りの冷たい付け汁で食べる広島発の料理。広島市内には、激辛つけ麺の店が数あれど、辛部こそ辛さとおいしさを備える店だと自信を持っておすすめする。

この店との出会いは意外と古く、広島通学時代の7年前から。何度と通った飽きることのない味は、そのつけ汁に秘訣がある。辛さは0〜30倍まで、個人的なお気に入りは8倍で、何度か食べに行き辛さを探るのも楽しみの一つ。一度食べた10倍の辛さは、頭に響く痛みを感じ、なぜお金を払って苦しまなきゃいけないんだと、以来8倍に行き着いたことろ。
辛さがどうしても前面に出てしまうが、ここのつけ汁は、醤油ベースとカツオベースの合わせ出しに、酸味が効いていて、辛さの後に感じる汁のおいしさがなんともたまらず。麺と茹でキャベツにチャーシューが付くのが、基本スタイル。普通サイズでも麺はたっぷりあり、茹でキャベツのボリュームもあわせると、これだけで量は十分満足いく。茹でキャベツは、ちょっと箸休めしたいときにも活用。水分を含んだキャベツが、つけ汁の辛さをまろやかに変えてくれて。

激辛つけ麺とは、ただ辛いだけの料理じゃない。料理本来のおいしさと、辛味というアクセントのバランスがとれてこその一品。広島発の激辛つけ麺とはなんぞや、と興味を持ったなら、まずこの店を訪ねてみるのがいいだろう。
 
                                                    

 

國松(汁なし坦々麺)
場所:広島市中区八丁堀8−10(立町電停徒歩3分)
時間:11時−14時、17時−20時、定休日:日曜、土曜日は昼のみ営業
汁なし坦々麺 580円
汁なし坦々麺(クニマックス) 650円
大盛り 80円、半ライス 50円、半チャーシュー丼 280円
サービスラーメンセット(中華そば、半チャーシュー丼) 680円

広島県庁の東、YMCAの前、市営基町駐車場の近くと、界隈を知っていればこんな説明で大体検討がつくが、ショッピング街から少し外れた位置にあることから、多くの人はピンとこない、少し分かりにくい場所にある。つまりは、紙屋町界隈にあるお店、地図を参考にすれば、繁華街から意外に近くにあることが分かる。

市内にも、汁なし坦々麺を出す店が増えてきたが、ここは、上品で質の高い一品を食べさせてくれ、少々野暮な印象がある汁なし坦々麺業界に一石を投じている。店内は、ラーメン屋というより、おしゃれなカフェを髣髴とさせる、きれいな造り。昼時の客層も、サラリーマンに限らず、女性同士での利用があることにも、納得。

汁なし坦々麺は、辛さを1〜4倍から選び、クニマックスになると、山椒MAX・お肉MAX・ネギMAXというキレのある辛さを擁した一品になるよう。ここの坦々面は、刺激の強い山椒と辛味が十分に効いているから、2倍で十分。辛さに自信があっても、決して無理をしないことをおすすめする。

真っ赤なスープの上に細麺、お肉、刻みネギが盛られ、その上に山椒がかけられる。まずは、しっかり混ぜるのが、汁なし坦々麺の食べ方だから、汁がなくなる程に麺に絡ませる。細いながら弾力のある麺は、通常よく見かける汁なし坦々麺用の麺と違い、ラーメン用に近い。スープが絡みやすいこの麺だから、通常より多目のスープが使われ、上品な味わいをもたらしていることに気付かされる。

きれいで清潔な店内と、質の高い汁なし坦々麺の味わいは、安心して人にすすめることができる。なかなか食べる機会がないなら、まずは、この店を訪ねてみるといいだろう。
 
                                                    

 
 

赤竜(汁なし坦々麺)
場所:広島市中区袋町9−3
電話:082−544−2720
時間:11時−17時、17時−24時、定休日:なし
お店紹介HP
赤竜麻辣坦々麺(汁なし坦々麺) 500円(ランチタイムは、白飯・キムチ無料)
黒竜坦々麺(汁あり黒ゴマ坦々麺) 700円

場所は、本通りの東端にあるパルコから、並木通りを100m程度南へ歩いたところ。広島の繁華街に位置し、買物ついでや平日のランチにと、立地のよさから便利な店。ランチは17時までの営業で、坦々麺を主力に、唐揚げ等セット商品も数種、17時以降の夜営業は、中華料理屋に変わる、ちょっと変わった店でもある。

この店の一押しは、汁なし坦々麺。広島新名物の激辛つけ麺と比較すると、リーズナブルなのが汁なし坦々麺の特徴で、その中でもここは、500円でご飯・キムチ付きとお得だから、おすすめしたい。発祥の店であり、圧倒的な人気を誇るきさくと比べると、とがったような刺激が少ないことにどこか物足りなさを感じるが、旨みとバランスのとれた刺激のある辛味がおいしく、立地のよさも加えて、すっかり行きつけの店になっている。

辛味のある料理は、やみつきになってしまうものだけど、汁なし坦々麺もその部類の一つ。締まった細麺のおいしさが、山椒の刺激が加わった辛味タレを一層引き立て、その味わいが忘れられずに、またここを訪ねてしまう。

カウンター席が10程度、奥にはテーブル席が並ぶ。カウンターだから一人で気軽に入れるし、40近い席数は、ランチタイムでも並ばずに入店を可能にする。ただ、料理が出てくるまで時間がかかるのが難点で、限られた昼休み利用なら、時間に余裕を持って出かけたい。
 
                                                    

 

すずらん亭(汁なし坦々麺)
場所:広島市中区本通3−1、2F
電話:082−249−8844
時間:11時30分−14時(日曜・祝日−15時)
汁なし坦々麺(大盛) 580円(680円)
ご飯(おかわり自由) 50円

パルコ本館から本通りを数十m進み、コンビニ・ローソンを右折し立町電停に向かう途中にある、ちょっとスタイリッシュな外観を持つ建物。そこの2階にあるのが、汁なし坦々麺の店すずらん亭。

一般的な坦々麺は、陳健民により日本に紹介される際に「汁あり」に転換されたもので、担ぎ売りされていたことに由来するこの料理は、元来汁なしのものだと言う。汁なし坦々麺とは、本来の形を再現したものだが、広島市を中心に広がっていったことから、広島発祥の新感覚料理として、全国に知られつつあると言うもの。

その特徴は、中国産の山椒、ラー油、唐辛子を組み合わせたタレを底に敷き、ラーメンの麺を乗せることにあり、しびれるような刺激的な辛さが味わえる。「きさく」という名店を中心に、次々に取扱店が増えているのが、今の状況。その中にあってすずらん亭とは、ランチタイムのみの汁なし坦々麺専門店で、中心地にあると言う立地が、ビジネスマンや買物客に使い勝手のいい利用を促している。

ただ辛いばかりで旨みを感じられない店もある中、ここは、辛さと旨みの両方を楽しめ、ちょっとくせになる味。そのタレは、タマネギ、ポアロネギ、白ネギの他数種類のネギから抽出した油に、豆板醤、苦椒醤などの調味料を加え、時間をかけて旨みを溶かし出しており、かけた手間が、風味の豊かさを作り出している。

580円という値段もランチタイムにちょうどいいが、量を思うと100円増しの大盛りがおすすめ。50円でお替り自由のご飯に、残ったタレを絡めて食べると、また違うおいしさを味わえる。トッピングの温泉卵は、卵の甘みが辛さを含んだ旨みを引き立て、ちょっとした感動に出会うことができる。

まだまだお店は数多い。いろいろ食べ比べて、汁なし坦々麺を語っていきたいところで。
 
                                                    

 
その他
 
 

串焼 長右兵衛(親子丼)
場所:広島市中区本通9−31(パルコ近く)
電話:082−243−9491
時間:11時30分−14時、17時−23時、定休日:無
お店HP
ランチ
炭火焼親子丼 950円
地鶏そぼろ親子丼 900円

コース(飲み放題付) 4500円〜


広島市八丁堀電停から南へ向かい、パルコを過ぎた先の裏通りにある串焼き屋。1Fは、テーブル席3つと14席のカウンター、2Fは、個室と座敷からなるゆとりのある造りとなっている。

親子丼がおいしいとの噂を聞きつけ、ランチで利用。そして、温かみのある木造りのカウンターでいただいたのが、炭火焼親子丼。まず、そのこだわりがすごい。鶏肉は、名古屋コーチン、だしは、青森軍鶏ロックを3時間かけて炊き上げたスープ、卵は、世羅産の鶏卵場で取れたもみじ卵を三個使用しているという。

まずは、鶏肉を一口食べて、鼻から抜ける炭火で焼いた鶏のこうばしい香りと、身の締まった地鶏の歯応え、口の中で広がる旨みに驚く。そして、いよいよご飯へ。だしを含んだ卵の旨みと絡むご飯に、親子丼とは、これほどおいしいものかと、はやちょっとした感動の域。上に乗る卵を崩すと、とろみのある卵黄が広がり、さらにこくのある味わいを楽しめる。

鶏に徹底的にこだわった店で、夜には、名古屋コーチン、秋田比内地鶏、薩摩軍鶏地鶏、阿波尾鶏、宮崎地鶏、青森軍鶏ロック等を様々に調理して食べさせてくれる。明るくきれいな店内は、会社や少人数仲間との飲み会に使えそう。冬には、青森軍鶏ロックの鍋も始まるようで、一度夜に訪ねてみたいと思うところで。
 
 

 

てんぷら 荒谷(天ぷら)
場所:広島市中区本通2−21(パルコ近く)
電話:082−247−6656
時間:11時30分−14時、17時30分−22時(夜のみ予約可)、定休日:水曜、第3火曜

天丼 1000円
天丼(セット) 2100円
天ぷら定食 1500円

コース(11品) 6300円
コース(13品) 8400円

広島市の繁華街、立町電停から南へ進み、本通りの一本手前の通り沿いにあるお店。店内はカウンターのみ10席程度のこじんまりした造りで、店主の手さばきを見ながら、料理を待つ楽しみがある。

まずは、胡麻豆腐に始まり、ぶっかけ風稲庭うどん、サラダと、天丼が出てくるまで小量ながらいろいろ出てくるのが嬉しい。サラダには、南アフリカ原産というプッチーナなる野菜が入っていて、初めての食感を楽しむ。世羅町でも作られているなんて話を聞きながら、プッチーナの解説パンフを見せてもらい、新たな品種の理解を進める。

いよいよ出てきた天丼は、丼を埋め尽くすたっぷりの具材にまずは驚き。なす、ピーマン、しいたけと一つ一つの具材が大きく、その上熱々な野菜のジューシーな味わいに新鮮さを感じさせ、厚みのあるイカとシソにくるまれた海老が、アクセントとなり食が進む。そして、丼の両脇に控えるは、二本の松茸。突き抜ける香りをまとった食感豊かな松茸は、なにより贅沢な一品。ゆずの皮を乗せ、香りで軽さを引き出す工夫にも、感心。そして全体をまとめる、濃すぎず、強すぎず、素材を引き立てるタレも、なかなかよし。

店主は40歳と若いながら、真面目そうな風貌どおり、随所にこだわりを感じさせる。平日昼時利用で、客が自分だけという時間帯がしばしあったこともあり、いろいろきさくに声をかけていただき、そんな時間も楽しみながら。先輩料理人が店を出している名古屋経済の厳しさを聞きながら、広島経済の今後を予測してみたり、本通りに開店した24時間服屋の情報を聞きながら、その難しさを解説したりと、とりとめのない話をしながら。

カウンター席のみという造りと店主の親しみある雰囲気が敷居を下げ、居心地のいい空間を作り上げる。ともすればもたれがちな天ぷらを軽く食べられる理由を知りたく、気軽に質問できるのも、そんな理由による。自分が軽い天ぷらが好きだし、お客さんにも、一度食べたらもう数ヶ月は食べなくてもいいじゃなく、また食べに来たいと思ってほしいから、コーン油を使って軽い仕上げにしているんだとか。それで納得、ほんとにさくさくと軽く、たっぷりの量の天ぷらを最後までおいしく食べられ、天ぷらの見方が少し変わったものだから。

いただいた名刺に書かれた言葉に、信念を感じる。「素材を油に通すだけ 単純だけれどむずかしい日本料理 揚げたての天ぷらをカウンターで・・・ 自然の恵みの味と香りを 楽しんでください 御家庭とは一味違った 荒谷のてんぷらを極めていきます」

次は夜に訪ねて、塩でいただいてみたいな。カウンターに座り、ちょっと贅沢で、ゆったりとした時間を過ごしながら。
※ちなみに松茸は、そろそろ時期的に最後のようで、今日(11月半ば)はちょうど中国産でいいのがあったから使ったということだったから、補足までに。


・・・・・・・・・・・
09年2月に再訪したところ、天丼1000円、天ぷら定食1500円に値下げされていた。天丼の具材や量、セットの内容が変わるが、しっかりしたボリュームや揚げ具合はそのままで、十分満足のいく内容。これはかなりお得だから、一度ランチで訪ねてみることをおすすめする。
ちなみに、以前の胡麻豆腐等が付くセットも、注文できるようだから、あまり利用する機会がなかったり、いろいろな食材を楽しみたいときには、そちらの選択肢もありだろう。
 
                                                    

 

菊屋(トンカツ)
場所:広島市中区鉄砲町7−7(八丁堀電停近く)
電話:082−227−1235
時間:11時−15時、17時−22時、定休日:日曜、祝日

とんかつ定食(ご飯、豚汁、香の物) 950円【写真中央】
特製ロースかつ定食(ご飯、豚汁、香の物) 1250円【写真右】
ヒレかつ定食(ご飯、豚汁、香の物) 1400円
かつカレー(サラダ) 950円
かつ丼(豚汁、香の物) 950円
※昼は持ち帰り弁当あり、夜は串揚げ他、昼と同様定食メニューあり。

八丁堀電停、もしくは一つ手前の胡町電停から、三越百貨店の反対方向となる、北へ200mも行ったところ。周りに店の少ないオフィッスビルの一角に、白地に赤い紋の入る暖簾を掲げる一軒の店を見つけることができる。

店内は、20席近くあるカウンターとテーブル席からなり、少人数利用でも回転よく入れ替わるから、混雑する昼時も利用しやすい店と言える。豚は、和豚であるもち豚を使用。定食に付く、ご飯、豚汁、キャベツは、お替り自由となっている。

特製ロースかつに引かれながらも、ここ最近の昼の外食回数を考慮し、とんかつ定食を選択。出てきたとんかつは、しっかりしたボリュームがありながら、なんとも軽い食べ応え。ラード100%で揚げているという衣が、サクッとした食感と、普通の揚物にはない軽さを演出。そして、なにより豚がうまい。軽く噛み切れるほどの柔らかさに、絶妙な揚げ加減を見、豚の脂身のさらっとした甘さに、質の高さを感じさせる。

りんごと玉ねぎをふんだんに使っているというタレも、とんかつのおいしさを引き出す。チェーン店にはない、プロの作り出す味わいに納得。これはわざわざ食べに行く価値がある、市内で平日ランチを検討するなら、自信を持っておすすめしたい。次は特製ロースを目指して、また近いうちに訪ねようと思うところで。

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やっぱり気になり、後日特製ロースかつ定食を食べに訪ねる。特製ロースは、量も大きめだけど、なにより豚のおいしさが桁違い。サクッとした食感の後に口の中で広がる、甘みのある脂と、柔らかで旨みのある肉は、これまでの豚カツイメージを覆す。これはうまい、とその出会いを喜ぶ。

東京のまい泉等、評判のとんかつ屋をいろいろ訪ねたが、箸で切れる柔らかさの売りは、霜降り脂の多さによることが多く、そこには脂っぽさしか残らないことが、とんかつにもう一ついいイメージが持てない理由だったりする。結局は、豚肉そのもののおいしさこそ大事。豚肉の質の高さ、それを引き出す、揚げ加減等の技術を含めて、ここのレベルの高さに感心するばかりで。
 
                                                    

 

ガリバー
(欧風カレー)
場所:広島市中区本通4−1
電話:082−243−4914
ビーフカレー ガリバー風 600円
ポルトガルソーセージのカレー キノコ入り 860円
エビとナスのカレー 漁師風 1030円
ライスダブル +100円

少々場所は分かりにくい。位置的には、紙屋町西電停と立町電停の中間辺りで、電停通りから本通りに向かう小道の途中にある。20年以上歴史を持つ老舗のカレー屋で、広島界隈をうろうろした経験のある方は、ビルの一角にあるこの店構えに記憶があるのでは。

店内は、カウンターのみで10席程度とかなりの狭さ。席が埋まる昼時ともなれば、落ち着いた雰囲気とはほど遠いながら、店内はどこかこじゃれた感じがあり、居心地は不思議と悪くない。それでも、ここを目指すなら、ただただカレーを求めてというのが正解だろう。

メニューは、ビーフカレーを始め26種類からなり、そこに辛さは20倍まで、トッピングはチーズやガーリックと3種類、ライスはダブル有りといろいろな選択肢が用意されている。今回頼んだのは、ポルトガルソーセージのカレー キノコ入りで、辛さは中辛の3倍を選択。

お皿に盛られた黄色のご飯は、スパイスをまぜて炊き上げていることによる。カップのルーをお皿に移して、さて一口。
ツンと響く重みのある辛さの後にくるルーの旨み。そのバランスがちょうどよく、くせになるおいしさ。馴染んでくる辛さに、ますますルーの奥深さを実感できて。黄色のご飯が、適度に辛みをまろやかに変え、ルーを活かす組み合わせであることに気付かされる。

単純に欧風カレーの枠で考えるなら、ここよりおいしい店はある。でも、ここのカレーには、どこか懐かしさを感じさせ、また食べたくなる、くせになるおいしさがある。ちょっとお昼を迷ったなら、気軽に足を運びたい。一つ言えば、料理が出てくるまでには少し時間がかかるから、時間の余裕を見て利用したいとこだな。

 
                                                    

 

桃丘(カレー)
場所:広島市中区袋町9−4 2F
電話:082−246−0433
時間:11時45分−21時20分、定休日:木曜
ビーフカレー 550円
ハンバーグカレー 650円
4時までカレー
親子カレー(ササミチーズカツ+ゆで卵) 600円
他人カレー(ビーフカツ+ゆで卵) 650円

八丁堀電停から徒歩圏内。パルコ本館から南へ2,30m行ったところにあり、広島界隈での買物ついでに便利な店。この店の特徴は、なにより手頃な料金にある。4時までカレーと銘打たれたランチを含め、600円前後で済ますことができるのは、ありがたい。そして、そんなカレーが、また食べたくなるくせになる味わいだから、ここを紹介。

黄色の外観を目印に、2階の店へ階段を使って上がる。店内は、街中の喫茶店といった雰囲気。狭い縦長のフロアにテーブルが置かれ、昼時には通路を通るのも難しいような、混み具合となる。席数が限られるのも混雑の理由だけど、それなり回転が早いから、焦らずしばらく待っているのがいいだろう。

カレーは、サフランライスに、酸味の強いスパイシーなルーがかかる。食べ終わる頃には、汗が出てくる辛さがおいしく、あっという間に食べ終える。インド系とも、欧風系とも違う、オリジナルカレー。ルーには、じっくりと煮込んだ深いコクを感じられ、辛さだけじゃない旨さが、またここを訪ねたく理由だと気付かされる。

平日昼のランチ利用が最適の店。せっかくの外食機会なら、わざわざここを訪ねることは、ないのかもしれない。それでも、ちょっと気軽なランチに最適な店で、昼時、店の選択に迷うことがあるなら、ここをおすすめしたいところである。
 
                                                    

 

ナーナック(インドカレー)
場所:広島市中区袋町2−2
電話:082−243−7900
時間:11時−22時30分
お店HP
チキンマサラカレー 893円
海老マサラカレー 1040円
ランチ
トゥデイズタリー(カレー、ナン、ライス、サラダ、パーパル) 1280円
スペシャルタリー(カレー、ナン、ライス、タンドリーチキン、サラダ、パーパル) 1780円
セット料理
チャンディセット(チキンマサラカレー、海老マサラカレー、ナン、ライス、サラダ、パーパル) 1554円

広島中心部にあるインドカレーの店。九州を中心に9店舗展開するチェーン店で、インド人の作る本格的な味わい、50倍まで選べる辛さ、小麦のおいしさを楽しめるナン、スパイシーなタンドリーチキンと、インドカレーに求める要素をレベル以上で兼ね備える。手頃にいろいろな種類を楽しめるセットも魅力で、広島でインドカレーを食べたい欲求にかられたら、ここの店を訪ねたい。
 
                                                    

 

叙々苑 広島福屋店(焼肉)
場所:広島市中区胡町6−6
電話:082−504−0089
時間:11時30分−22時30分(LO)
お店HP
叙々苑サラダ  700円
カルビ焼    2000円
壷焼カルビ焼 2500円
特選カルビ焼 5000円
ハラミ焼    1600円
ホルモン焼  1000円
豚トロ焼    1200円
豆腐チゲ   1000円

08年10月、八丁堀電停横にある福屋本店の南隣に新設された福屋南館。そして、同時期に南館3階にオープンしたのが、中四国・九州初出店となる高級焼肉屋・叙々苑。東京主体の出店戦略に利用機会を期待せずにいたところ、思わぬも広島での出会い。かねてからの高い評判に引かれて、オープン翌日にさっそく足を運ぶ。

さすがにオープン翌日予約なしでの利用は厳しいかなと思いつつ、20時30分頃電話で確認すると、40分ほどの待ち状況だという。それならとお願いし、普段路面電車を利用する広島駅からの道のりをのんびり歩いて八丁堀まで移動。福屋南館正面入口に飾られた、明石屋さんまを始めとした芸能人、山本浩二を始めたしたカープ戦士等々から送られた花束に、東京のお店らしい華々しさを感じつつ、さて、それが広島でどう受け入れられることだろう想像しながら、お店のある3階へ。

到着後間もなく案内された店内には、細長いフロアに仕切りのあるテーブル席と仕切りのないテーブル席が14卓ほど。確認できないながら、奥には座敷の個室が3つあるという。オープン早々とはいえやはり客層は相応、スタイリッシュな造りにふさわしい、落ち着いた大人の空間となっている。ざわつきを感じさせない雰囲気の中、仕切りのないテーブル席の開放感に少々戸惑うも、適度に隣席の会話の届かない配置に次第に馴染み、肉を焼き始める頃には気にならなくなる。

ある程度覚悟はしてきたが、値段はそれなり。冒険する気はもちろんなく、基本を押さえて判断しようと、いつもの王道メニューを注文する。まず出てきた叙々苑サラダは、期待以上のおいしさ。ごま油を主体にしたドレッシングで、主体となるサラダ菜を引き立てるどころか、肩を並べる存在感。最後には、ドレッシングをつけダレにサラダ菜を食べてるような感覚になり、焼肉屋の骨頂を見る。

肉は、塩ダレ物が先に出てくるのか、豚トロ焼から。ちなみにタン塩は2000円と手が出ず、敬遠。肉厚の豚トロは、脂身ブロックじゃなく、刺し入りのネック肉であることが嬉しい。肉と脂身のおいしさ広がり、それなりの量と共に満足。塩ダレを食べ終える頃、ハラミ、カルビ、ホルモンとタレ物が出揃う。脂身の少なく最近のお気に入りのハラミは、厚みのある食べ応えと柔らかな食感が嬉しい一品。赤身のおいしさが伝わり、タレのおいしさも活きるから、やはり押さえて正解と。それでも、カルビを食べたら評価が一変。口に運んだその瞬間、鼻へと抜けるカルビ独特の脂の香りと、口の中に広がる肉の旨み、歯応えを意識させない食感に、やっぱりカルビだと一人唸る。ちなみに、ハラミとカルビは、それなり大きさがあり6枚1セットとは、余談として。ホルモンは、浸かって出てくる味噌ダレが旨い。量もあり、ご飯が進むから、加えておきたい仲間といえる。

もう少し食べたいなと思いメニューを検討。ユッケ(1500円)や石焼ビビンバ(1500円)、冷麺(1000円)と思いをめぐらしながら、豆腐チゲを選択。少し余ったご飯と共にと締めへと向かう。辛さと共にまろやかなコクのある深い味わいでおいしく、こんな締め方もありかなと感じつつ。最後は、食後のサービスデザート・アイスクリームをいただき、食事を終える。

さて、この店をどう評すか。元来、焼肉屋に求めるは、手頃でおいしいお肉をおいしいタレで食べさせてくれる店。山口のような小さな町なら数軒とないレベルの高い肉を出す店を押さえておくことにも価値があるが、A4・A5と競い合うように高級肉を出す店がひしめく広島でそこを求めてもきりがない。所詮は自分で調理する焼肉には引き出すおいしさの限界もあり、店の個性が出にくい(伝わりにくい)素材頼りのジャンルでもあるから、手を出さないのがスタンスである。

きっと多くの人がそう思い、だからこそ、この店が成功している理由だともいえる。メディアを通じ、全国区のトップブランドにのし上がった高級焼肉店・叙々苑の冠は、確実においしい焼肉が食べられるという担保を生み、投資のリスクを大きく抑え込む。ここよりいい肉を使っている店や、調理にこだわる店は、広島にさえ多くあるだろうが、焼肉に大きな期待をしない人達は、ここに留まることになるのではないだろうか。

話は変わり、総合評価。結局のところ、この店は、タレがおいしい。オリジナル、レモン、ピリ辛と3種のタレがあるが、もっぱりオリジナルにはまり、このタレこそが、この店の看板だと確信する。今回は、二人利用で、一人5千円。腹いっぱい食べる店じゃないが、量的には8分程度と十分満足。メニューに縛りをかければ、十分利用可能な店だと思う。

男性社員のサービスは、心地よく、感心すること多数。一方、料理を運ぶフロアスタッフは、これから経験を積んでといったとこか。ボタンを押してもなかなかやってこないのは、ボタンの調子が悪いからか。忙しいにしろ、何の反応も示さないなら少々問題あるが、確認できなかったら、こちらは保留。目の前の業務に追われている感じで、余裕が出てくれば、接客にサービスという意識も生まれてくるだろうと期待しつつ。まあ、なんにせよ、サービス料10%の価値は早々に発揮してもらわないと困るんだけど。

平日ランチは、1200円からとかなりお手頃(土日祝2500円から)。まずは、ランチで様子見に訪ねてみるのもいい。でも、一度は知っておくべき店だろうし、瀬踏みの必要性も薄いだろうから、思い切っての夜利用が正解なんだろうな。山口からでも、首都圏以外大阪に次いで二店目という希少性を思うと、話題性を加味し、十分選択肢にあげていいだろう。

 
                                                    

 

焼匠闇市 ミート松(焼肉)
場所:広島市中区中町8−6、B1F
電話:082−243−4866
時間:11時30分−14時30分、17時30分−24時、定休日:無
ホットペッパー割引
本日の焼匠闇市コース 4000円
本日の焼匠闇市コース 6000円

立町電停から真っ直ぐ南へ平和大通りまで、三井ガーデンホテル広島そばのビルを地下へと下りる。落ち着いた木造の店内は、全てが個室仕様で、2人から16人まで利用可能。なにかと盛り上がる焼肉で、周りを気にせず個室で食べられる店は、限られる。そんな空間を提供してくれるだけでも、この店を一つ上に評価したくなる。

宮崎牛を始めとする黒毛和牛の上質肉を手頃な値段で出すのがここの特徴。コースだと、霜降り宮崎牛のリブロース、青森の短角牛、和牛ホルモン、ハラミといろいろ食べさせてくれるのがいい。単品だと、馬刺しや黒毛和牛霜降りユッケといろいろなメニューを選べるが、この店のうりを手頃な値段で味わうため、いつもコースを選んでしまう。

少数から、会社の飲みまで、使い勝手の良さから多様な利用に応えてくれるのが、このお店。広島の中心地で、上質な肉と共に、ゆっくり会話を楽しみながら焼肉を食べたいなら、この店を利用するといいだろう。
 
                                                    

  

しゃぶ蘭(しゃぶしゃぶ)
場所:広島市中区本通1−22、2F
電話:082−242−2911
時間:11時30分−14時、17時−24時、定休日:日曜
お店HP
上牛しゃぶランチ 1890円
牛しゃぶランチ 1050円
豚しゃぶランチ 840円
黒毛和牛ロースしゃぶしゃぶセット 3670円
特上牛ロースしゃぶしゃぶセット 2100円

お得なランチの噂を聞きつけての訪問。場所は、パルコほど近くのビルの2階となる。平日昼から鍋料理を食べることに少々罪悪感を覚えつつも、おいしいものとの出会いという欲求に勝てず、意を決して店内に入る。

奥に掘りごたつのテーブル席が6つと、店内入口近くにカウンターが6席ほど。今回は一人利用だったため、案内されたカウンターに座る。頼んだのは、牛しゃぶランチ。注文後にカッターで薄切りにされる牛を見ながら、目の前の電磁調理器に鍋がセットされる様子を見学する。

ランチは、牛肉の他、野菜盛りとお替り自由のご飯が付くセット。運ばれてきた、4つに折り畳まれた5枚の大きな薄切り肉と想像以上の野菜盛りのボリュームに、噂に違わぬお得感だと感心。鍋が沸騰したところで野菜を先に入れ、一煮立ちするまでしばし待機。再び沸騰したところで、牛肉をつかみ、鍋の中を数回くぐらせる。薄切り肉はあっという間に色が変わり、ゴマベースのさっぱりタレに付けて一気にいただく。しつこさのない牛のおいしさと少し酸味を感じさせる滑らかなゴマダレが合い、ご飯も進んでなかなかよし。白菜、しめじ、豆腐、葛とたっぷりの一人鍋を堪能する。

牛肉五枚は満足のいくちょうどいい量で、ご飯お替りなしで午後の仕事に影響なしの8分目といったところ。柔らかな牛肉のおいしさを思うと、かなりお得な内容だとあらためておもう。客が少なかったこともあるが、すぐに鍋セットが準備され、時間は大丈夫かなという心配は、杞憂に終わる。お店の奥さんは、申し訳ないくらい気が回り、さいさいあくを取りに来られるのには、ちょっと落ち着かないとこじゃあったが。

最後は、鍋の残り汁を使った、スープが出てくる。これがおいしくて、意外な締めの一品を楽しむ。なんといっても、ランチがお得。しゃぶしゃぶなんて、なかなか食べに行くこともないから、まずは気軽に昼に訪ねたい。そして、おいしさと夜のセットの手頃さを思うと、寒さを感じる季節となったなら、夜の宴会の候補として、選択肢にあげたい店である。
 
                                                    

 
アジア料理
 
 

四川飯店 陳
(中華料理)
場所:広島市中区上八丁掘4−1アーバンビューグランドタワーアランビック2F
電話:082−511−8841
時間:11時30分−15時、17時−22時、定休日:月曜
お店HP
ランチ
マーボーランチ 1050円
サービスランチ 1260円
麺・飯ハーフセット 1575円
単品
スブタ 1890円
芝海老のチリソース 2310円

県立美術館前、縮景園電停そばにそびえる一際目立つノッポタワーには、広島でも名だたるお店が軒を連ねる。そこに入る中華料理の店が、ここ四川飯店 陳。その名の通り、陳建一がオーナーを務め、その兄弟子である代元三氏が総料理長として腕を振るっている。

おいしい麻婆豆腐を見つけることは一つのテーマで、意外にお手頃な価格にも引かれて来店。陳氏オーナー店の麻婆豆腐は何度か食べたが、辛さばかりが表に立ち、もう一つコクに欠けるとの思いがあったが、ここは、ピリッとした辛味と併せて料理自体の深くコクのあるおいしさがあり、好印象。

麻婆豆腐一位の座は、奥快餐(おこいさん)(山口県防府市)で揺るぎないが、辛味とコクとピリッとした山椒の刺激の絶妙なおいしさは、間違いなく癖になる味。ハーフセットも、炒飯、坦々麺とも、素直においしいと思わせるもので、この店のレベルの高さを感じさせられたもの。

お店の立地も含めて、敷居の高い店かと言えば、そうでもない。値段は、ちょっとした中華料理屋程度で、利用のしやすさを感じさせる。一方、サービスがもう一つなのは、残念なところ。なぜか分からないが、スタッフのサービスはぎこちなく、間が悪い。2人の料理のタイミングが4分程度ずれたことは、評価のしようもない。あまり期待をして行き過ぎると、ちょっと首をかしげることになるだろう。

目の前の県立美術館は、なかなかおもしろい企画展も多い。まずはその際のランチからでも。気軽に入れる、ちょっと上品なおいしい中華料理の店として、おすすめしたい。
 
                                                    

 

サワディレモングラスグリル(タイ料理)
場所:広島市中区堀川町5−2、モーツアルトハウス4F
電話:082−241−0066
時間:11時−14時、17時−22時30分、定休日:無
お店HP
日替わりランチ 890円
トムヤムクン(2,3人前) 1470円
生春巻き 630円
サバーイディーコース(生春巻き、春雨サラダ、いろいろ野菜のオイスターソース炒め、タイ風バーベキューチキン、トムヤムクン、焼飯、デザート) 2500円
タイスキコース(生春巻き、春雨サラダ、鶏の唐揚げ、タイスキ鍋、デザート) 3500円
イム・アロイコース(生春巻き、牛肉のスパイシーサラダ、タイ風さつま揚げ、揚げ春巻き、豚肉のスペアリブ、トムヤムクン、伊勢海老のチリオイル炒め、グリーンカレー、デザート) 4500円
※ コース料理は2名から、飲み放題(90分1500円)は5名から

ちゃんと調べていかないと入口を探して迷うことになる。八丁堀電停前にある百貨店福屋の隣、お菓子屋バッケンモーツアルトが店の入口となる。お菓子屋入店後、売り場を通り奥にあるエレベーターに乗り4階へ。客でもないのに他の店を抜けるのがここに到着する特徴で、特に看板等の案内もないから、そこを知らずにここに向かうと入口が分からないままさまようことになる。

タイを訪ねた多くの人が思い出と共に懐かしさを感じるタイ料理。日本でもいろいろなところで食べられるようになってきた中、なかなか出会えなかったのがタイスキ鍋。2000年タイ・パタヤでダイビング免許取得講習で出会った人達と囲みそのおいしさに驚いたのが、自分のタイスキ伝。タイはいいところだなんてそれぞれのタイの思い出を語っていたとある飲み会で、なにやら広島でタイスキを食べられる店があると盛り上がり、さっそく囲む会が開催され数年振りにタイスキと出会うことに。

店内は、テーブル席で32席程。2人用テーブルをつなげる形だから、人数により多様な組み合わせに対応できる。水曜日来店時結構席が埋まっていたことを思うと、予約をしての来店をおすすめする。今回頼んだのは、もちろんタイスキコース。料理の種類が多く値段も手頃だから、やはりコースの利用がいいだろう。

タイといえばのシンハービールで乾杯。氷入りでと頼めばしっかり用意してくれるのが嬉しいとこ。まずは生春巻きを甘辛いタレでいただき、東南アジアの雰囲気を楽しむ。春雨サラダは、ピリ辛味。驚くような辛さじゃないが、タイを思いおいしく食べるには十分の辛さ、ビールもすすみおいしくいただく。唐揚げでお腹も満たされてきたとこで、いよいよメインのタイスキ。

タイスキとは、タイ風スキヤキで、立派なタイ料理の一つ。スキヤキとは言いながら、実態はしゃぶしゃぶ、水炊きに近く、タイ人が勘違いしスキヤキと名付けたという。さっそくタイスキ用の鍋がテーブルに置かれ、たっぷりの野菜と魚介、鶏肉、豚肉が運ばれてくる。鍋に次々に具材を入れ、煮立ったところでタレの準備。生卵や辛味ソースを適量取り皿に入れ、刻んだ生唐辛子やニンニクを振りかける。ダシにしっかり味がついているのがタイスキの特徴で、味がしみ込んだ野菜や肉を、さらに辛味のアクセントでいただくというもの。生唐辛子の咳き込むほどの刺激もよし、辛味のあるタレとまろやかな生卵の調和も鍋の具とよく合い、次々と平らげていく。鍋はボリュームたっぷり、白菜、しめじ、えのき、豆腐、春雨の野菜類を始め、鶏肉、豚肉、海老、イカ、貝類が揃い、いろいろな具材を楽しめるのはいいが、とても全てを食べきれずに。締めには、雑炊と麺を選択でき、今回は6人利用で鍋が二つあったことから両方注文。しっかり旨みの出たスープがおいしく、それぞれおいしくいただいたわけで。

辛さやコクに物足りなさを感じたり、料理の種類が揃わないるタイ料理の店が多い中、ここは本物。どの料理もおいしく、十分に満足させられる。店内はこぎれいで、東南アジアの雑多な雰囲気を期待するとちょっと物足りないが、むしろ凝りすぎない内装がタイらしくもあり、ちょっとした飲み会で利用できる使い勝手のよさにつながりそう。

いつもと違う料理を求めて仲良く2人や仲間同士4〜5人と少人数で利用するのがおすすめ。気取る店でもないが騒ぐ店でもなく、近い距離で料理を囲んでガヤガヤと過ごしたい。コースが2名から利用できるのも、いろいろな料理を食べることができ嬉しいとこ。トムヤムクンが付いて千円未満とお手頃なランチは、気軽な来店を可能にする貴重な機会にもなり、まずはこの辺りから相性を試すのもいいだろう。

 
                                                    

 

にんにくや マナオ(東南アジア料理)
場所:広島市中区立町6−11 2F
電話:082−240−0229
時間:11時30分−14時、17時−23時

チキンライスランチ 840円

生春巻き(1本) 315円
トムヤムクン 1470円
海南チキンライス 1050円
HP限定コース 3000円
青いパパイヤのサラダ、生春巻き、空芯菜の炒め物、タイ風さつま揚げ、照り焼きチキン・ガイヤーン、トムヤムクン、海南チキンライス、デザート

立町電停から本通り方面へ、徒歩で2分程。本通りの手前にあるビルの2階に、お店がある。店内は、きれいで広々とした空間に、カウンター席とテーブルが数個。ランチに数人で利用しても、夜にテーブルを囲んでゆっくりと利用することも可能で、使い勝手のいい店といえる。

タイのバンコクの有名レストランで修行したというシェフを中心に、国際色のある店員からなり、飛び交うタイ語に、ちょっとした異空間を味わえる。コースがお得だから、利用時には、ホットペッパーで確認しておくことをおすすめ。ホットペッパー掲載店は、どうしても値段を意識してか、料理の質に満足しないことが多く、ここで紹介する機会が少ないところ。そんな中、ここはタイで修行したという背景持つシェフによる、貴重なタイ料理の店であることからも、紹介。

タイ料理の辛さを始めとした、現地屋台で食べるはっきりとした味を求めると、ちょっと違うかもしれない。日本人の味覚に合わせた、おいしいタイ料理という気持ちでいくなら、十分に満足することだろう。すっかり日本に定着した生春巻きも、甘辛いタレで食べるとおいしさもひとしお。東南アジアの店にきたんだなと、まずは認識。照り焼きチキンも、ピリ辛タレと共にいただけ、ビールと相性よく楽しめる。もっと香辛料を効かせてとは、個人的な思いじゃあるが。トムヤムクンは、タイ料理の定番。すっぱ辛いこのスープを飲むと、ついつい顔もほころんでくるわけで。そして、チキンライスを食べられることが、この店を大きく評価したい点だったりする。旅行中に食べた、チキンスープで炊いたご飯と、ダシに使ったチキンを乗せるこの料理は、シンガポール、マレーシアでよく見る料理でありながら、日本でなかなか出会うことのなかったもの。辛味のあるタレをかけて味を調節し、懐かしの味を楽しむ。

本場タイ料理を思うと、辛味、甘み、塩気と刺激の点で、少し物足りない。その分、日本人の味覚に合い、安心して紹介できる店といえる。それでも、しっかりと手をかけて作る東南アジア料理を出す店は少なく、気軽に利用したいところである。ちなみに、この店は、時間まで少々東南アジア的なところがある。一番最初に利用したランチでは、チキンライスランチを頼み、出てきたのは30分後。大急ぎで食べて、食後のデザートを断り、店を出たことを思い出し。

 
                                                    

 

ボクデン
(韓国料理)
場所:広島県広島市中区堀川町4−20 タカタアレービル1F
電話:082−240−100
時間:17時−1時、定休日:なし
お店HP
たっぷりチーズのチヂミ おかか添え 740円
茨城産 ごぼうの唐揚げ 山椒塩添え 520円
スンドゥブチゲ 890円
スペアリブのグリル コチュジャン仕立て 1030円

広島市中心街、天満屋向かいのマクドナルド隣にある韓国料理屋。土曜日20時30分入店も店内は満席だったことを思うと、予約することが肝要だな。店内は、調理場と対面する長いカウンターと、テーブル席。どれも掘りごたつ式で、ゆったりと過ごせるのがいい。特にカウンターは、炎をあげつつ調理する場が見れて、おすすめしたいとこ。
料理は、日本各地の旨い食材を取り入れたという韓国料理。チヂミは、最初に感じる外側のかりっとした食感と、その後続く内側のもちっとした食感がたまらず。濃厚なチーズもよかったが、本来のおいしさを味わうには、具材はシンプルにした方がよかったかな。ごぼうの唐揚げは、ここの人気メニューらしいから、注文。ごぼうそのものの旨みを味えるシンプルな料理で、揚げることで一層の甘みが感じられるのではと思ったり。思った以上のごぼうの柔らかさに、驚きつつ。
そして、今回一番おいしかったものと言えば、スンドゥブチゲ。アサリ、ネギ、卵、唐辛子を入れた、ふんわり韓国豆腐のピリ辛チゲとの解説通り、しっかりと辛味のあるチゲに、アサリの旨みがよく効いていて、食べ始めると止まらなくなる、くせになるおいしさ。値段も手頃だし、これはぜひ頼んでほしい一品だな。スペアリブのグリルは、とけだした豚の脂の旨みと共に味わえ、うまし。ただ、ちょっと量が少ないのが、残念なとこ。
ビールやご飯も頼んで、二人で5千円程度。仲間同士で行く居酒屋と思えば、値段も手頃で料理もおいしく、ここは一におすすめしたい。店内は、女性同士の客も多く、どんな人を誘っても間違いない、気軽に行けるとこが嬉しい。ただ、店内は活気に満ちて常にざわざわ。静かに、ゆったりとした時間を過ごせないことは、頭に入れておきたいことだけど。

 
                                                    

 

オンドルバン 中の棚店
(韓国料理)
場所:広島市中区立町5−20(パルコ近く)
電話:082−246−1158
時間:11−15時、17−23時
お店紹介HP
ランチ
ピビンバ定食 800円
韓ラーメン定食 800円
チゲ定食 850円
チョンゴル定食(韓国風すきやき)(写真) 970円
辛さアップ プラス50円

場所は、広電立町電停から、徒歩3分。パルコ近くの広島中心街に位置し、買物ついでや平日のランチ、夜のちょっとした飲みに使い勝手のいい店となっている。店舗は、中の棚店の他、並木店があるが、料理、雰囲気共に、中の棚店がお気に入り。

店内は、8人程座れるカウンターと4人がけテーブル2つからなるこじんまりした造りで、アットホームな雰囲気が印象的。昼時にもなると満席になることがあるが、意外と回転が速いから、ここを狙ってきたならしばらく待ってみるといいだろう。

夜の韓国料理を主体とした居酒屋メニューもいいが、昼のランチは手頃な値段で本格韓国料理が味わえ、おすすめ。サラダとお替り自由のご飯&キムチにメインを組み合わせて、800円前後のメニューが9種類。中でもおすすめは、韓国のすき焼きと紹介されるチョンゴル定食。大きな鉄鍋により、煮え立ちながら出てくる真っ赤なチゲスープの中に、たっぷりのキャベツや白菜キムチ、ニラ、春雨、豚肉が入る。真ん中に乗る生卵が、味わいをまろやかにするちょうどいいアクセントに。食べ進むにしたがって、熱さと辛さからだんだんとふきだしてくる汗に、体自身がここの味を思い出す。

やはりこの店は、ランチ利用がおすすめ。家庭の韓国料理を味わいに、一度訪ねてみてほしい。
 
                                                    

 
お好み焼き
 
 

八昌(お好み焼き)
場所:広島県広島市中区薬研堀10−6
電話:082−248−1776
時間:16時−22時30分(火〜土)、−21時(日、祝)、定休日:月曜
お好み焼き(そば肉玉) 840円
鉄板焼き(牛タン) 997円
煮込み(味噌味) 472円

広島で不動の人気を誇るお好み焼き屋、八昌。営業時間が16時からだから、観光ついでの昼食利用ができないのが、難点。訪ねるなら、お好み焼きメインの居酒屋感覚で利用するのがいいだろう。

場所は、広島の歓楽街・流川。行き着く過程は、ネオンきらめく怪しげな店が軒を連ねる別世界となるから、それなり気持ちを引き締めて向かうことが肝要。道にたむろする案内のお兄さん方を寄せ付けない雰囲気を出しながら。

少々分かりにくい立地となるが、店の前には行列ができているから、それが目印。サラリーマンや学生、観光客の女性達と客層も幅広く、ここの人気を知らされる。さすがに、家族連れを見ないのは、営業時間と合わせて、その立地故なんだろうけど。

とにかく、回転が遅いのがこの店の特徴。店内のメニュー表に書かれた一言、「お好み焼きはおいしく焼き上げるため20分〜30分お時間をいただきます。」が、その理由。カウンター22席に、奥の座敷4テーブルと限られた席数に、一人平均1時間超の滞在時間から、例え10人程度の行列だとしても、軽く30分は待つことになる。時間に余裕を持って、気長にが、ここを訪ねる際の心構えとなる。

お好み焼きに限らず、おつまみメニューが充実しているのが、嬉しい。牛バラ、牛タン、ホルモン等鉄板焼きに、煮込みやキムチと、時間のかかるお好み焼きが出てくる前に、生ビールと共に楽しむことができる。ここでついつい食べ過ぎると、思った以上にボリュームのあるお好み焼きを食べられなくなるから、要注意。見た目こじんまりしたお好み焼きは、しっかり焼き上げ、コテで押さえつけた結果だから。

広島風お好み焼きは、同じようで、それぞれの店に大きな特徴がある。ここ八昌でいえば、時間をかけてしっかり焼き上げ、全体的に固めの作り。そばも、固ゆでで、さらにカリカリに焼き上げているから、パリッとした固い食感がある。粉っぽさが残ることには好みがありそうだが、ふんわり蒸しお好み焼きとは対極をなす作りとなっている。

焼き上げて水分がとんだキャベツからは甘みが広がり、八昌系と呼ばれるルーツとその人気の理由を感じながら、オタフクソースと共においしくいただく。個人的には、ふんわりお好み焼きが好みなんだけど、これはこれで、オリジナルの味わいがあるから、流川方面に来た際には、寄ってみようかなと思ってしまう。

できれば、開店から18時頃までに訪ね、待ち時間を減らしたい。そして、店内に入ったなら、お好み焼きに限らず、ビールを一杯飲みながら、ゆったりと店の雰囲気を楽しんでほしい。鉄板を囲み、人々が語らう姿にこそ、本当の広島の文化を感じることができるから。
 
                                                    

 

えんじゃ(お好み焼き)
場所:広島市中区新天地5−23、お好み共和国ひろしま村2F
電話:082−247−0938
時間:11時30分−14時30分、18時−23時、定休日:火曜
そば肉玉 735円
そば肉玉イカ天ネギかけ 1050円
スジ煮ネギポン酢 420円

広島市中心街、広電・八丁堀電停から、徒歩5分程。パルコを通り過ぎた先にある、ヤマダ電機のすぐ隣、お好み共和国の2階になる。お好み共和国とは、隣接するお好み村と共に、かつての屋台を店舗街として集めたもの。発祥依頼、多くの屋台で出されてきたものの、時代の流れと共に規制が進み、店舗型へと形態を変える。一瞬広島風立体駐車場と間違えてしまうお好み共和国の造りは、なんとも分かりにくい。観光客の知名度共に、お好み村の方が有名だから、この店を目指す際は、まず入るビルを間違えないようにしたい。

観光客が集まる、こうしたテーマパーク型お好み焼き屋は、ついつい地元民は敬遠してしまうところがあるが、結構おいしい店があったりするから、先入観で判断してはいけないとつくづく思う。それもここが、企業が利潤だけを求めて集めたフードコートではなく、元々実力のあるお好み焼き屋がそれぞれ営業しているのだから、当然のことかもしれないけど。

その中でも、ここえんじゃは、紹介に値する。名店・八昌のお好み焼きを忠実に再現したような、しっかり焼き上げたカリッとした食感とキャベツの旨みを感じさせる作りは、八昌系の中でもかなり高いレベルに位置するだろう。二卵黄の半熟卵は、ヘラで割ると黄身が流れ、絡ませながら濃厚ソースのお好み焼きと合わせて食べるとなんともおいしい。ちなみにソースは、共和国共通でオタフクソースを使用している。

人気店・八昌は、16時から営業と、どうしても利用する機会が限られる。その味わいを昼から食べられることに、ここの大きな価値を感じる。確かに、いろいろと広島にはおいしいお好み焼きがある。その中で、広島でしか味わえない、オリジナルのお好み焼きとなるとその数は限られ、その一形態は、間違いなく八昌系と呼ばれる店だと自信を持って言える。そばの揚げたようなパリッとした食感は、最初はとまどうかもしれないが、その一体感のあるおいしさは、お好み焼きの概念を変えてくれることだろう。

店内は、カウンターのみ8席程度。しっかり焼くため、注文後15分程度を要し、さらにボリュームがあり熱々のため、それなり食べ終わるのに時間がかかるから、時間に余裕を持って出かけたい。鉄板の上の熱々お好み焼きを、ヘラで食べるおいしさを味わいに、一度訪ねてみてはと思うとこ。
                                                    

 

みっちゃん 総本店(お好み焼き)
場所:広島市中区八丁堀6−7
電話:082−221−5438
時間:11時−15時30分、16時30分−21時、定休日:月曜
お店HP
肉・玉子・そば 735円
肉・玉子・カキ・そば 1207円
特製スペシャルそば入り(肉・玉子・イカ・エビ・イカ天・モチ・そば) 1260円

広島風お好み焼きの元祖・みっちゃん。屋台から生まれたお好み焼きの一系統であるみっちゃんは、子供らに暖簾分けされ、総本店、新天地、いせやとそれぞれ三つが、独自のお好み焼きを展開する。そして、その総本店系の本店が、このお店となる。

ガイドブックにも載る有名店のため、昼時にもなると、近場のサラリーマンと合わせて満席の状態が続く。それでも、一日400枚以上を焼き上げるスピードはさすがで、回転の早さで次々と客が入れ替わっていく。個別テーブルではなくて、大きなテーブルに相席する形も、客回転が速い理由となっている。

お皿で出てくることは、鉄板での熱々お好み焼きに慣れた人には、少々寂しい。まあ、これが効率的な提供を可能にしている要因だろうけど。お好み焼きは、細切りキャベツのおいしさが印象的な、ふっくらしっとりとした王道の味わい。オタフクオリジナルソースの甘みを抑えた深みのある味わいが、全体をまとめあげ、たっぷりのボリュームをあっという間に食べさせる。

広島お好み焼きの元祖として、他の店とは違う、何か特別なお好み焼きを求めると、少し違うかもしれない。ここはあくまで王道のお好み焼きを提供する店で、そういう意味では、間違いのない店といえる。広島お好み焼きの原点を知るために、一度訪ねておきたい店といえる。
  
  

 
 
 
中央 流川 その他
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和食 欧州 洋食 麺類 其他  亜細亜  好焼
広島市の中心地、中区。八丁堀から紙屋町を結ぶ界隈には、おしゃれなお店だけでなく、おいしいお店も多く並ぶ。
買物ついでに気軽に立ち寄れる店から、ちょっと着飾って出かけたい店まで、そこに埋もれている店店を浮かび上がらせることができたなら。
まだまだ作り始めたばかり、少しづつ数を増やしていくことができれば。
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