05年12月24日−30日  in ニューヨーク
プロローグ 1−2日 3−4日 5日 6−7日
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世界の中心を踏みしめて 
3日目(12月26日)

チェルシー散策


7時30分起床。朝食後、ベッドでしばし読書をしつつ、9時に出発。
今日向かう予定のチェルシーは、最新アート発信地で、特に観光名所はないが、ギャラリーとのんびりした街並みが楽しめるとこ。ただ歩いても普通の散策で終わりそうだから、今回はガイドブックを随所で見ながらの街歩きを選択する。


チェルシー地区の北端は実は自分の泊ってる宿付近になり、そのまま歩いて南下すればメインの地区にたどり着くというとこ。そのまま宿が、出発地点となる。
この日は、朝から霧雨が降る。昨日仕入れたこうもり傘をさしての行動。
ガイドブックのおすすめ散歩コースを参考に、7番街を南下。寝起きの街をぶらぶらと歩く。

チェルシーのおすすめは、その街並み。ニューヨークの街を通じて思うが、新しい建物というのがほとんどない。
日本ならスタイリッシュだとかそんな表現で形容される最新建物が、大都会では街を埋め尽くしているもの。大きな商業ビルやマンションが林立し、まさに近未来都市の様相を感じさせるそんなつくり。もちろん、ニューヨークにもそんなイメージを持っていた。最新の高層ビルが立ち並び、デザインされたおしゃれな店が道の両脇を埋めるような。そして、それが単なるイメージに過ぎないことを現地で知る。

周りを囲む建物は、ほぼ年代物。自然とかもしだす情緒あふれる雰囲気は、幅の広い歩道をのんびり歩きながら体全体で感じることができる。ただ、新しいものを求めるだけじゃない、その雰囲気を活かして新しいものを加えていく可能性を、この街を歩きながら感じることができる。

チェルシーは、アート発信地で、多くのギャラリーがその建物の中に存在する。古びた建物の中にある現代アートが、ついつい目を引き、散歩ついでに窓越しで何度か足を止め見入ったもの。ただ行政が金を出す作られた環境保全ではなく、それを残し活かす意識を持つことの大切さを思う。ただ保存を目指すだけじゃなく、それをどう活用していくのか。そういう面は、日本の街づくりにも活かせないかと考えたとこ。

        
左:朝9時宿前、W.30th Stを。
中:散策中に見かけたホテル。重厚な建物でいい雰囲気を持つちょっと気になるとこ。内装も見れたらよかったけど。
右:街で気に入った風景を。






ミート・パッキング・ディストリクト


チェルシーの南に位置し、グリニッチ・ビレッジとの境にあるのが、ミート・パッキング・ディストリクト。かつては精肉工場が多数あり、夜になると人通りがなく危険といわれていたエリアは、現在、セレクトショップ、カフェ、レストラン、撮影スタジオ等点在するおしゃれエリアへと変わり、石畳を踏みしめ、街歩きを楽しむことができる。

そんなエリアも、朝10時は店の開店どころか、歩く人もほとんど見かけず。これじゃ、単なる散歩で終わりそうだから、今回はおとなしく動き始めるまでの街を待つ。
ニューヨークのあちこちに点在し、のんびり過ごせるとっても便利なお店が、スターバックスカフェ。炭酸系を求めるならマックやサブウエイあたりがおすすめだけど、店の数が少なく、ほとんど見かける機会がない。やはり、食事を扱わないカフェはコストが安いと見る。あちこちで見かけるスタバは、休憩所としてなかなか重宝してね。
そんなスタバで、2$のオレンジジュースを購入し、1時間20分の読書タイム。しっかり1冊読み終えて、お昼前に店を出る。

     



スタバ前にあるのが目的地の一つチェルシー・マーケット。ここは、雰囲気いい建物内に食材店やパン屋、レストランが入り、ちょっとした商店街になっている。

            
左:その外観が目を引いて、マーケットとは知らずに撮った一枚。
中:大規模なグリーンのお店は、入口すぐ横に。
右:お昼は行きたい店があったから、お店には入らず。時計が指す11時25分が、今の時刻。



再び周辺の街を散策。昼食所を探して、うろうろと。
昨日心に決めた、食事改善を実行すべく、ガイドブックで評されたお店を探して界隈を歩く。
まずはイタリアンと店を探して回るけど、開いてる店がほとんどないことに気付く。正午を過ぎて開いてないとはどうも変、もしかして昨日のクリスマス休暇の流れか?と不安を覚えつつ街を歩きながら周辺の店をあたる。

昼食所を探しながら見かけた、景色を。

          
左:9番街を北方向へ。幅広い道路に敷かれた石畳がなかなかいい感じ。
中・右:ミート・マーケット周辺の建物。レンガ造りの建物が、周りの景色にとけこんでて、開放的な街並みを作り上げている。



          
中:リボンのモニュメント付きビルの1階は、レストラン。あまりに上品で、ちょっと入れず。道路に挟まれた土地いっぱいに建ってる建物が印象的。
右:リンゴモニュメントはどこかで見かけたことあるなと。普通に道の側にあったりするから、おもしろい。






ランチ


そんなこんなですっかり腹が減ってきて、もういいやと決めた店は、フレンチビストロで人気のPastis。
地元の人に人気の店っていうだけあり、お昼時は次々客が訪れ、お店の中は終始満席。街を歩く人はほとんど見かけなかったのに、こんなに人が集まっているとはとちょっと驚いたこと。

一人だけど大丈夫?とウエイトレスのおねえさんに聞いて、さっそく席へ案内される。
奮発してでも、いいもの食べる。それをモットーに、メニューを物色。ところがね、見慣れないメニューがいろいろあって、どんな料理か想像できん。何か飲物は?、と最初に必ず聞かれる質問にまずはコーヒーを注文し、しばしメニューとの格闘を継続。
何かおすすめでも聞こうかと思ったけど、下手にすすめられても断れないだろうしと、無難なビーフサンドイッチを注文。サンドイッチなら間違いない、それも最も高価な14$という値段だし、味も期待できるだろうと。

そして、出てきたサンドイッチは、ステーキが大きなパンに挟まった、とっともボリュームたっぷりの一品で、そこに山盛りポテトがセットになったもの。ウエイトレスのお姉さんとなんとなく仲良くなってたし、出てきたものを残すという失礼はいかんと、これまで気軽に残してきた食事を顧み、気合を入れる。

とにかく、満腹中枢が刺激される前に食べ切ることが重要。休まず勢いだと、猛烈なスタートダッシュをかける。フードファイター、ほぼ格闘に近いね。絶対無理だと思いつつ、寡黙に食べ続ける。いやいや、これがなんとかなるもので、おいしく飽きない味ってのも要因かな、どうにか完食果たしてね。ポトテも無理矢理詰め込んで、すっかりきれいに。
食後にデザートはどう?って親切な質問を、腹いっぱいだからもういいよと軽くお断りし、落ち着く間もなくチェックする。

チップ込みで計20$。でも、ようやくまともな食事を取れて満足。隣の席の親子3人組も、同じメニュー頼んでたから、それなり人気のメニューだったと思うしね。

          
右:お店の外観。スモークガラスで中が見えないから、人気店かどうかは見た目じゃわからないのが難点。
中:店内は、奥にも席がありかなりの人数が入れる。次々お客が来て、入口で待ってる人もいる。カクテルも出すような、おしゃれなお店。






地下鉄初利用


どうもこっちのレストランは、食事をするところという感じで、ゆっくり落ち着く場所じゃないような気がする。
食事後さっと勘定書を机に置かれ、テーブルで会計を終えるとすぐに店を出なきゃいけないような感じ。勘定書をおかれたままほっておくのは、さらにまずそうだし、タイミングがよく分からんで。食後にコーヒーをゆっくり飲めばまた違うんだろうけど、飲物いいですっていったら、すぐに上記の流れになって。ローカルルールが何かしらあるとは思うけど、結局分からずじまい。食後のんびり一人読書って、いつもの日本の手は使えないってことは、よくわかったことで。

午後からの予定は、近代美術館・MOMAに行くこと。今日含めて、自由に動けるのは3日。とにかく、一つ一つノルマをこなさんとやり残したこと出てきそうで、メインの予定を中心に行動するとこ。
チェルシー南端からミッドタウン繁華街までは、かなりの距離。もちろん徒歩は、まず不可能。そして、いよいよ決意する。いざ地下鉄利用を。

ニューヨークの地下鉄、そのイメージはどこか危険をはらんだ乗物。時間帯を間違えなけりゃまず安全とはガイドブックの弁だけど、乗り方も難しそうだしなんとなく避けてきたとこ。
とまれ、まずは一度経験してみなければと、意を決して地下への階段を下りていく。

1日乗車券があるとは知ってるけど、いろいろ制限もあるみたいだから、まずは1回限りの乗車券を2$で購入。ガイドブックでの学習を活かし、改札で切符を通して無事通過、プラットフォームで電車を待つ。目指す方向の番号を付けた電車を待って、いざ乗り込み。って、あらら普通に乗っちゃったよ、と意外な簡単さに驚きつつ、その便利さを思う。
進む方角は、北はUPTOWN、南はDOWNTOWNの二通り。止まる駅、行き先は、それぞれ電車にA・B・C、1・2・3とか番号が付いてるから、入ってきた電車を必死に目を凝らしてその番号を見つければOK。元々一つの路線に3種類くらいの電車しか来ないから、間違える心配もほとんどなし。マンハッタンに縦に走る5本の地下鉄を、行き先に応じて乗り分けるといった感じ。

一度乗ったらすっかり自信も生まれ、その後は地下鉄移動ばかり。急行に知らずに乗り何度か戻ったりってことはあったけど、いろんな線に乗り換えたりと自由自在に。本当に地下鉄ストが終わってて良かったと、今後つくづく感じることとなる。

        
左:地下鉄入口はこんな感じ。ここで乗れる番線の記号が書いてある。
中:改札。チケットをカードダス(古い?)のように通す感じで。
右:プラットフォームは人も多く安心感あり。写真は特に大きな駅だけど、普通の駅は薄暗く清潔感も少々劣る。


    
左:電車内。夕方の中心街等、時間帯・場所によっては、結構混む。
右:突然車内で演奏があったり、構内でもヴァイオリン弾いてる人が。これは、試験を通った人だけができる権利なんだとか。CDを売ったり、チップをもらったりして稼いでるみたい。写真を撮らせてって交渉するのもめんどくさいから、勝手に一枚。1$チップあげて納得させときました。






近代美術館・MOMA


地下鉄使うとあれだけ歩いた距離もあっという間、わかっちゃいるけどようやく実感できた文明の利器に感動。
MOMAに程近い駅で降り、美術館へと向かう。

13時30分過ぎた時間帯は、すっかり観光客で埋め尽くされ、チケット買うのに、荷物をクロークに預けるのに行列を並ぶ。入場料は、20$、カードで支払い入場する。

MOMAとは
ロックフェラーJr.夫人を含む3人の女性のよって創設されたニューヨーク近代美術館(The Museum of Modern Art)。日本人建築家・谷口吉生の設計による建物で、1万超の展示スペースに、スカルプチソ、マチス、ゴッホ、モネといった近代アートを中心に、アトリウム、コンテンポラリーアート等テーマごとに展示がされる。建築・デザイン、写真、絵画・彫刻、インテリアと様々なアートを6階までところ狭しと動き回り、見学することとなる。

撮影は、個人利用に限り自由。目にとまった作品をいくつか。

            
左:クリスマス休館の翌日でもあり、チケット売場に行列ができる盛況ぶり。
中:アトリウムの真ん中にある巨大鉛筆。バーレット・ニューマンの「Broken Obelisk」。
右:建物からの外観。周りを囲む建物の雰囲気もいいもので。


            
左は誰の作品だったかな。その感じがお気に入り。
中は、モネ。こんな巨大なモネは初だよ。一部屋使っての展示で、じっと見続けるだけの価値がある。
インテリアも数々。ありゃイームズだったよななんて思いつつ。


3日目にして、到着以来歩き続けてきた疲れがちらほら。2時間30分の滞在で、とにかく全部見ようと6階まですみずみ動き回った結果、終盤は足のだるさとの格闘。椅子を見かけちゃ休んでたけど、へとへととは、きっとこのことをさすんだろうと自覚したとこで。






ロックフェラー・センター夜景


MOMA前のデザインストア等でいいものないかなと一通り店内を回った後、近場をぶらぶら。
ナイキタウンで、スポーツ用品を物色。サッカー、ゴルフ、バスケとナイキ商品の展示会を楽しめてなかなかよろし。ナイキ好きとしてはぜひと思ってたとこだから、ひとまず満足。まあ、わざわざ外国でスポーツ用品買わなくてもと思い、見るだけで終わったけど。

ミッドタウンの中心地にあるMOMAは、その後の観光も何かと便利。そのままロックフェラー・センターで、夜のツリーでも見ようかと足を向ける。
やっぱりイルミネーションが輝くのは夜だね、昼とは違う姿を人込みにもまれつつ見学する。

            
街中風景。






NBA・バスケットボール観戦


すっかり疲労困憊。MOMA前から地下鉄に乗り、宿に程近いマディソンスクエアの駅で降り、いったん宿へ。
耐え難い眠気を感じ、ベッドに横たわり1時間ほど睡眠をとる。
バスケ試合開始は、19時30分。19時までには入っときたいなと、18時40分に宿を出る。

なにせ、ニューヨーク・ニックスのホームタウン、マディソン・スクエア・ガーデンは、徒歩5分とかからない一つ先のストリート、距離にして150mの地点。入口でニックスのパンフレットを6$で購入し、すっかり人でごった返した建物に入る。

エスカレーターで上へ上へとのぼっていき、購入席312、E、4シートへ。
100$前後でコートの近くをと思ったけど、前日購入時に残ってたのは78.5$の席。それなり覚悟はしたけど、行ってみたらなかなかいい席で。
まず、マディソンのつくりがいい。観客席が急な勾配で造られてて、真下に見下ろす感じでコートを見ることができる。そして、同じ312エリアの中でも、ゲート入口の真上、かつ一番前の席でなんの障害もなくゲームに集中できること。両隣は空席で、これも気楽に見れた一因。この周りの状況は非常に重要。とにかく、縦とか横にでかい奴が普通にころがってるのが、ここアメリカ。とくに、バスケとなるとでっかい黒人とかたくさんいるのよ。余計なことを気にせずにゲームに集中できるこの環境にまず感謝。

          
左:混み合ってきた入口。
中:夕食は、売店でフランクフルト&コーラを計7$で。まずは味わっときたい本場もんを。
右:席は、テーブル付き。1列だけ隔離された場所にあり、個別ブースみたいで気楽に観戦。


本場のエンターテイメントを体感する、もちろん生来のバスケ好きってこともあるが、なによりそれが目的。
バスケ好き、NBA好きを語ればきりないよ。出会いは、15年前の中学時代に始まり、ジョーダン、ジョンソンの全盛期がその頃。個人的には、自分のポジション・ガードを見るから、ピストンズのアイザイア・トーマス、ジャズのジョン・ストックトンあたりが当時好きだった選手。ストックトンは、今でもマイケル・ジョーダン以上に自分の中じゃ憧れだから。

確かに、ここ数年NBAからは離れている。NHK・BSがNBA放送を縮小して以来、見る機会が少なくなったから。アイバーソン、ダンカン、ガーネット等メジャーな選手は何人か知ってるけど、どこのチームがどういうゲームをするとか具体的なことはほとんど知識なし。
それでも、本場アメリカのエンターテイメントといえば、NBAだとの確信がある。全体を見下ろせる会場で、一体感を持ってホームチームを応援する。アメフトにも、ホッケーにも、メジャーリーグにもない、屋内の会場で、小さなコートに何人もの人が集中して見入り、その動静に一喜一憂することで起こる独特な雰囲気を味わうことができる環境。
そして、それはゲームの進展と共に確信に変わる。

今回の対戦は、ニューヨーク・ニックスが、ニュージャージー・ネッツをホームに迎えてのもの。
マンハッタンから車で20分という隣町にあるネッツとの戦いは、ニューヨーカーがこよなく愛すというニックスにして、最も盛り上がる試合の一つ。大リーグで言えば、ヤンキース対メッツのサブウェイシリーズみたいなもんかね。

選手紹介とウォーミングアップが終わった後、アメリカ国歌斉唱。ニューヨーク市警の恰幅のいい黒人のおっちゃんが、いい声を響かせ歌い始める。もちろん、全員起立。なんかいいよね、皆がアメリカという自分の国に敬意を表す、その姿勢。歌終盤にかけては、リズムにあわせ会場全体で盛り上がっていき、最後は盛大な拍手での締め。生で味わうその雰囲気に、まずは浸る。

戦力から言えば、ここ数年成績の芳しくないニックスより、優勝を狙える位置にいるネッツが上。でも、応援するのは、もちろんニックス。ホームチームを応援する、これがゲームを楽しむコツだから。
1試合、12分の4クオーター制をしいているのが、NBA。1クオーターで、流れが大きく変わったりするから、最後まで見逃せない展開が期待できる。クオーター間や、ちょっとした作戦タイムにいろいろなパフォーマンスが行われるのもNBAの特徴。

試合は、序盤から力で勝るネッツの優性。なにせ、ディフェンスがいいから、開いた点差がなかなか縮まらず、地元ファンはやきもき。フリースローで邪魔したり、ニックスがいいプレー見せると拍手で盛り上げたりと応援するも、第2クオーター終盤は10点差をめぐる攻防で推移。
こりゃ、やっぱり力差あるなとそんな空気が漂う終盤第4クオーターに大きく流れが変わる。20点差がつき、ほぼゲームが決まったかと思えたとこから、4本連続3ポイントシュートが決まるなど残り5分の時点で6点差。やっぱりバスケは心理戦。気持ちで押されたら崩れるのは早いもの。圧倒的な声援を受けるホームチームは、その空気が会場中を占めたとき、実力を超えた強さを見せる。

3ポイントシュートが2本連続決まったとこから、もう会場の空気は一変。それまでまばらだった応援が声をそろえての大合唱に変わる。声は建物に反射し、轟音の様な響きでニックスを後押しする。守り時には、ディーフェンスの大合唱。そして攻めには、レッツ・ゴー・ニックスってな具合に。ここぞって勝負どこは皆分かってるから、声の入りが違うね、もちろん自分も大声で叫んで。そして、そんな勝負を分けるシュートが決まった瞬間、我を忘れてのスタンディングオベーション。あの空気は、ホームゲームの、好敵手の、緊迫した試合の、勝負を分ける一瞬という様々な要素が合致した瞬間の化学反応がなせる業。あの一体感の一部をなしたその瞬間は、体がふるえるほど、心に響く何かを感じる。

ゲームは、残り3分切ったとこであらかた決まり、101−109でネッツの勝ち。終了数十秒前から、終了時間を待つ休憩プレーを見て、これこれっと一人満足。負けても、そのゲームをプレーした選手達に対し拍手を送る雰囲気がよかったな。

ここで、つくづく思ったのは、ゲームを盛り上げ、観客を楽しませるのに必要なことは、圧倒的なえこひいき。ゲームを平等に見せるんじゃなく、ホームチームに偏った応援が必要だなと感じる。ネッツのいいプレーで拍手も起こったりと、もちろんネッツファンもいるし、彼らの存在は尊重されるけど、ど派手なマイクパフォーマンス等会場の雰囲気は、ニックス一辺倒。これが大事だと思うとこ。
なんとかしてホームチームを勝たせたい、それは見に来る者の願いだし、そのため会場が全面バックアップするなら、盛り上がりも凄まじいものになる。そんな雰囲気も併せて楽しみに来てる人も多いと思う。

日本の多くのスポーツで、今一歩会場への観客が増えないのは、ゲームの内容以上に、ライブで味わう価値を見出せないからじゃないかと思う。ホームゲームでの一体感、心がふるえるような瞬間があるなら、試合に行ってみようと思うもの。審判によるフェアな試合運びは大事だけど、会場ぐるみでのホームチームの圧倒的なえこひいき。これが、今後あらゆる分野のテーマになると見るところ。

エンターテイメントとはどうあるべきか、そのライブでの体験で、しっかり勉強させてもらいました。

          
チームとしては、ニックス応援。でも、その視線は、ネッツのガード、ジェイソン・キッドに向いてました。ガードにとっちゃ、彼は神だよ。そのプレーを目の当たりにし、心底感動。ちなみに、中写真がキッド。
チアガールによるパフォーマンス等いろいろと。この時ばかりは、もう少し近い席にしときゃよかったよと、少々後悔。






エンパイア・ステート・ビルから夜景を望む


バスケが終わり、マディソン・スクエアを出たのが、22時。ここで迷う、この後宿に帰るべきか、もう1箇所行くべきか。
既に時間も遅いし、安全面を考えるなら、5分とかからない宿への直帰。守りに入り始めたそんな考えを振り切る理由は、ただ一つ。今しかない、根拠のない不安より、目的達成を優先する。

ニューヨークの夜景鑑賞は、夜景好きとして、絶対に外せない目的の一つ。
夜を過ごすのは、あと3日。明日はミュージカルでさらに終わる時間が遅い、最後の夜は、ジャズ聞きに行くつもりだから、夜に予定を入れたくない。しかも、最終日の天気は雨という予報もあり、無理してでも今日行く理由が浮かび上がる。

会場を出た足で、そのまま東へ大通りを15分ほど歩く。マディソンスクエアから2ブロック先と、近くにあるのも便利なとこ。
ちなみに、エンパイア・ステート・ビルとは、建設から70年以上たつ今も、ニューヨークのランドマークとして、マンハッタンでひと際高くそびえるビル。塔の上までの高さは、443mと、世界トップクラスといったもの。

ビル到着、さっそく2階のチケット売場の行列に並び、展望台行きのエレベーターチケットを14$で購入。まずは、エレベーターで80階まで約1分で直行。このスピードが半端じゃなく、ちょっとしたカルチャーショック。エレベーター内の階数表示が、おもしろいように進んでね。ほとんど動いてる感覚がなかったから、ほんとに着いた時はちょっと驚きで。

さあ、夜景楽しむぞってフロアにおりたら、張られたライン沿いになぜか列に並ばされる。窓には近づかないでくださいって表示に、もしかして夜景ってのは、窓越し、それも少し離れたとこからしか見れないのか?と、不安がよぎる。列の先で待ってたのは、エンパイアビルをモチーフにしたパネルの前での写真撮影。とにかく全員を写して、整理券を渡してることが分かり、撮るだけならと一応お付き合い。

列に沿って進み、エレベーター乗場で再び乗り込む。えっ、もしかしてこれで終わり?、もっといい場所で見るには、違うチケット買わなきゃいけなかったのか?とはや後悔。こりゃ、下におりてまたチケット買おうかなと思ってる中、次に着いた先はなんと展望台。86階の展望台に行くには、80階で乗り換える必要があるってことが、ようやく分かり、一安心。待ちに待った夜景を前に、さっそく展望台の外に出て、屋外からの夜景を望む。

            
左:右手の建物がマディソン・スクエア。奥で光ってるビルが、エンパイア。同じストリート沿いにある位置関係がよく分かるとこ。
中:エンパイアの正面玄関。
右:北西方面。



イーストリバー沿いの景色。左には、メットビル、クライスラービルと高層ビルが。
夜景のイメージが伝われば。






帰宅


エンパイア・ステート・ビルへの滞在は、1時間ほど。展望台を吹き抜ける風は、暴風且冷たく体は冷え冷え。写真はぶれるし、それでもいい画をと結構大変だったりしてね。
帰りの記念写真購入(10$)は、やんわりお断り。再びロビーに出、23時20分にビルを後にする。

宿まで歩いて、20分もかからないだろうしと、徒歩での帰宅を敢行。行きとは違って、すっかり人通りも少なくなり、ちょっとした緊張感を持ちつつ歩く。怪しげな店の前には、これまた血の気の多そうな兄ちゃんが数人でたむろしてたりと、夜中歩くもんじゃないなと思いつつ。

それでも、メイン通りはそれなりの余裕はあった。たまに歩いてる人見かけたり、車も通って明かりがあったから。その状況が変わったのは、メインを外れ、宿への道に入った時。いつも道を照らす照明代わりになってた飲食店は閉まり、辺りは真っ暗。そして、景色に染まって数m先に突っ立ってるのは、自分比体積3倍はありそうな、黒人のごつい兄ちゃん。こいつ絶対悪い奴だと、その発するオーラで瞬時に警戒。平気な顔しつつ、歩きスピードマックスでさっさと通り抜けるべし、とその横を通り抜けた時、のそっと巨体が動き声をかけられる。キタ━(゚∀゚)━!! 、どころじゃないよ。こりゃ、しゃれにならんと蒼白状態。何言ってんのかよくわかんないし、さらにスピードをあげ完全無視で逃げる。角を曲がれば、すぐ宿だし、なんとかなると。

通り過ぎた背後で軽い罵声を浴びせられつつ、冷や汗ものの瞬間をどうにか切り抜け、無事宿の中へ。やっぱり、夜中の一人歩きはいかんなと少々反省したもので。




                                                                                             


4日目(12月27日)


ソーホー散策


本日起床は、8時。ゆとりをもって、9時30分に宿を出る。
今日の目的は、ソーホー散策。いつもながら朝早く行っても店は開いてないだろうけど、1日の行動予定を考えるとあまり遅くって訳にもいかず、いろいろ考えた結果の答え。
一昨日の雨、昨日の曇り空から打って変わった晴天に、気分も上々。

          
左:いつもの地下鉄乗場を背景にさわやかな朝の一枚。
中:ソーホーに到着後すぐ。レトロな建物に囲まれたのんびりした雰囲気がいい感じ。
右:カースト・アイアンの典型的な建築物。ソーホーの代表的な建物の一つ。


ソーホーとは
歴史的建造物カースト・アイアン(鋳型で作った鉄の骨組み)を数多く残す地区。大恐慌以降に倉庫街となり、荒廃。1960年代以降、家賃が安いことに目をつけたアーティスト達がアトリエを構えるようになり、アートの街として注目を集めるようになる。次第に人気の地区となり、家賃の高騰からアーティスト達は他の地区へ移動、現在は、数多くのギャラリーやレストランの他、新進デザイナーのブティック、セレクトショップなどを中心にした、ショッピングの街となっている。

地下鉄で南下し、4駅先のスプリングstでおり、まずは街中をふらふら。
そして、はっきりと自覚。また早過ぎたよ、店どころか、買物目当てで街を歩く人はほとんどおらず。なにせ、地下鉄駅から一緒に歩いてきた人達は、今から働きにって感じの方々ばかりだったから。

それでも、街そのものに雰囲気を持つのが、ソーホーというとこ。こじんまりした道の両脇を囲む年代物の建物の間を颯爽と抜け、その街に同化している自分を感じた時、なんともいえない心地良さを感じる。まるで舞台の主人公になったような、そんな気分を、人影の少ない趣きある街を歩きながら思う。
カフェに入るには中途半端な時間帯、さりとて寝起きの街を全て回るのも味気ない。となればしばしの時間潰しと、見かけたベンチに腰をかけ、ここニューヨークで感じたことを手帳に記す。


・・・・・
個性

個性とは何なのか、朝の街並みを歩きながら考える。
言葉の意味でとるなら、個人を他の人から区別しうるような、固有の特性。そのニュアンスは、他の人とは違う、自分だけが持つ特別な何か、と自分の中では捉えてきた。
同質の集合体で成り立ち、異質を拒む本能的な感覚が発達した社会の中で、受け入れられる他の人との違い。変化を起こしながらも同じ民族が古から積み上げてきた共通の価値観=社会からはみ出さない中で、認められた自由。そして、それは他の人より優れ、特別であるもの。それが日本の社会で許される個性というものの本質ではなかろうかと考える。

それぞれの個性を活かして、ナンバーワンよりオンリーワンなどと日本ではよく耳にする言葉も、同質を求められる、価値観に基づき各人もそれを目指していることが基盤にある社会であることの証だろう。

そんな自分も、周囲に流されず、自分を持って生きてるつもりも、それは今振り返ると、全体の枠の中で振舞う個性モドキに過ぎなかったことに気付かされる。周りの人との違いを出すにはどうするか。周囲を意識し大きな間違いのないものを念頭に置きながら、少し他人と違うものを選ぶ。つまり、社会(=日本的価値観)の中での許容範囲内で、他人との違いを求めていた自分に気付く。

人で例えるとわかりやすい。同じ日本人の中で少しでもかっこよく見られようとする。同じ日本人の中できれいな人はいないかを目を向ける。これが理想だとそこに持つイメージは、日本人というほとんど変わりない顔かたちを基準とする同質の中で、ちょっと優れたものであること。所詮が、全て社会の枠の内でちょっとした違いを見出そうとしていたに過ぎなかったのだ。

人種のるつぼと評されるニューヨークの街を歩き、地元の人が行き交う朝の風景に混じり思う。
個性とは、自分自身そのものなのだ。個性的であるとは、より自分が自分らしくあること。そこには、他人との比較は一切ない。比べる基準がないのだから、社会という制限する枠組みはもちろんない、優劣もない、ただいまある自分そのものが全てとなる。

周りをいろんな人種に囲まれた時ふと忘れてしまっている、自分がアジアンだということも、誇りを持って主張したい。思い通りにきまらなかった今の髪型も、今日の自分。服装含めて、全てが自分自身そのものなのだ。日本で思う、すごくいい男を見たり、他人と見比べどこか自信をなくす自分を、ここでは感じない。違うことが当たり前、否応なしでも目の前に広がる現実が、物語る。はっきり認識できるどこにもいない自分という特別な存在。この環境に身を置き気付いた、自分とは何かということを。

自分に自信を持ち、ありのままの自分を受け入れたら、他の人を見る視線も変わってくる。周りの人全てを尊重する。その人ありのままを認める気持ちになれるのだ。そこには、人種も容姿も服装も何も関係ない。その人自身が発する存在をストレートに感じる。今ある自分を全て受け入れ、誇りを持つから、相手にも素直にアプローチできる。

落ち着いた街並みに自然ととけこんでいる中、確実に存在する自分を意識し、ふと、そんなことを思う。



つめたーい風が吹く中、ベンチに腰掛け物思いにふける。
数少ない人通りの中、ちょっと早足の黒人のおねえさんを見つけ、写真をお願い。急いでそうな感じなのに、快く引き受けてもらう。ありがとうってお礼を言うと、とっても爽やかな笑顔と共にyou're welcomの返答。そのスレンダーで長身なきれいな方の気持ちのいい内面に触れ、すっかりやられてしまった出来事で。


蛇足とは思うが、上の文にコメントを付ける。
それぞれをありのまま認める。これは、世界=多様な価値観が成り立つための根源。優れていることは素晴らしいことだし、それは素直に認めなきゃいけない。でも、一般的に劣っているといわれる部分も、その人にとっては代え難いその人自身で、これも周りは認める必要がある。ただ、この優劣も実は曲者で、一般的な個人の価値観で判断しているに過ぎず、それは往々にして近視眼的に過ぎないことも現実。

学校、会社と、その属する社会の中である程度の制限を受けることはあっても、基本となる各個人の中では、自分を認め、他人を認めるという価値観を共有しなければならないと思う。こうあるべきだと答えを決めやすい同質化社会日本では、こういう答えもあるという異質な意見が削られがち。そして、そこから生まれるのは、自分を消した制限された社会への適応性だけ。もっと広い枠の中で、それぞれの存在が独立闊歩する、そんな理想をここニューヨークで感じたとこ。

ただ、存在を認めることと、深い付き合いをすることは別物。常に皆と仲良く深い付き合いをしなきゃいけない、それができない人は仲間はずれで社会不適格者って価値観を日本で感じる。日本人はこれを取り違えているから、無駄な衝突が多いと感じるとこ。お互いの存在は尊重する、そこから先の深い付き合いは、各々の価値観。無理に構えず、気が合う人を大切にして気楽に生きたらいいのよ。
様々な人がそれぞれに尊重され、程よい距離感を保ちつつ成り立っている社会に身を置くことで感じたこと。それは、人類が共存するための答えだと、確信する。



・・・・・

そんなこんなで時間を過ごすも、昼前じゃまだまだ人通りも少なく、のんびり街中をぶらぶら。いい雰囲気持ってる街並みで、歩くだけでも結構楽しめ、ソーホーをくまなく歩く。お昼前だから、カフェに入るのももったいないと歩き続けて、ほぼ制覇。

11時を過ぎると開いてる店も増えてきて、気になるとこに立ち寄る。
日本みたいに、そーっと入って、適当に商品見て、さっと出て行くってのはマナー違反とのこと。まずは入店して、気軽な挨拶。ちょっと商品見せてねと軽口を叩きつつ、物色。こんなものもあるよと声をかけられたら、試着させてとか、こういうものないのと、会話を楽しみつつ選ぶって感じかね。買う、買わないに関わらず、ありがとって最後言っときゃ間違いないね。

そんな中で、唯一買った物は、めがね。ガイドブックで紹介されてるお店で、店名「セリマ オプティック」。服は日本で気に入ったの買う方が無難だし、安いからと不要なものを買っても仕方ないから、この旅でほとんど買物する気はなし。
とはいえ、どんなもの置いてるのかなとショーケースを覗くと、またいいのに出会ってね。店オリジナルのブランドで、落ち着きながらも先鋭的なニューヨークらしい雰囲気を醸し出した逸品。ここでの気持ちをいつでも思い出させてくれる一本になりうるとその価値を判断し、250$でお買い上げ。レンズ300$はいくらなんで高すぎとやんわりお断り。旅行費用の1割を費やしたけど、これはいい買物だったな。

          
ソーホーの街並み。朝11時頃はまだまだ眠りから覚めたとこって感じ。


          
左・中:セリマ・オプティックなる眼鏡屋さん。お店の人といろいろお話し。めがね好きに国境なしってやつだな。
右:ウィンドウショッピングで見つけた、ソファ。こりゃいいって思ったけど、異国で買うものじゃないなと見るだけに。






リトル・イタリーでランチ


ソーホーでひと買物終えたし、そろそろお昼にでもと、ソーホーから程近いリトル・イタリーへ。
ソーホーでも、その途中にあるノリータでも、おいしそうなお店はいろいろあったけど、今日の目的は旅の目的の一つでもあるおいしいイタリアンを食べること。どうせなら、イタリア街まで出かけようともう少し先まで足を伸ばす。

ソーホーの南東、歩いて15分くらいかな。日差しまぶしい中を歩き続けて、無事到着。イタリア国旗の色をモチーフにした街中を彩る飾りがらしいとね。
適当に店に入っても失敗が多いと、しっかりガイドブックを参考に、呼び込みの陽気なお兄さんにも好感を持ち、決定。

店名「ベニートU」。ニューヨーク在住のイタリア人にも評判の店で、映画の撮影にもよく使われるってのがガイドブック評。
ランチのメニューを見つつ、案内のお兄さんに一人でもいい?と確認。もちろんと歓迎を受けつつ、窓際の席に案内してもらう。
せっかくの機会だし、手頃なランチじゃなく、メインメニューからの選択。イタリアンサラダは好きなんで、味わうべくまずサラダ5$。メインは、魚介のスパゲッティ14$と奮発。これで、思い残すことはないと。

サラダはいたってシンプル。ざっくり野菜にイタリアンドレッシングってとこ。魚介のスパは、見ての通りの大ボリューム。海老、イカにムール貝等々を、トマトソースでってとこ。魚介の旨みがでてて、うまかったよ。ただ、旅を通じて思うが、飯は断然日本の方がうまい。素材をシンプルに料理してるけど、繊細な味付けなんて工夫はまず期待できない。シンプルに量を、なんとなくそれがベースなのかなと思うとこで。

もちろんこの界隈は、イタリア移民の集まる伝統的な味を求める人々が住む地域。先端の料理を求めるなら、トライベッカなりもっと違う地域に行くべきではあるんだけど。ただ、そんなイタリアの雰囲気を持つとこで料理を食べれたのは、よかったと思う。店内も陽気な店員さながら、お客さんも家族で食事に来てる人が多くアットホームな雰囲気。突然誕生日の人のために、ハッピーバースデーを皆で歌ったりね。アメリカの家族というものを見れた気もして、楽しめたな。税金+チップで、25$。ちょっと贅沢なお昼でした。


          
左:リトル・イタリー入口。分かりやすいイタリアンな飾り付けが嬉しいとこ。
中:ベニートUのお店の前。呼び込みの店員さんが、どんどん歩く人をつかまえる様子は、見てても結構楽しいもの。
右:お店の中は、こんな感じ。


          
パンはおまけかな。サラダから量多すぎ。頑張ったけど、もちろん食べきれず。豪快なスパゲッティーだったな。






ノリータ散策


食事後はそのまま北上、ソーホー隣に位置するノリータを散策する。
ノリータとは、こぢんまりしたブティックやカフェなど、狭いエリアの中に店がひしめきあうエリア。家賃高騰によりソーホーから若手デザイナーが流れてきたのが活性化の始まりだから、おしゃれなお店が集まったとことなっている。

とはいっても、ノリータは雰囲気を味わうために歩いた程度。これ以上買物する気もなく、午後の予定を前にあまり時間もなかったから。一通り街を歩いた後、地下鉄に乗ってUPTOWN方面へと向かう。


ノリータの風景。なにやらこの地区は、十数年前に描かれた評論家竹村健一の壁画がこの地区にあるんだってね。知ってれば見に行ったのにと思いつつ。






ミッドタウンへ


午後の予定は、旅の目的の一つメトロポリタン美術館に行くこと。この美術館鑑賞には、できれば3時間の余裕がほしいとこ。
地下鉄移動開始が、13時30分。電車の中でいろいろ悩んで、結局美術館は翌日に回し、ミッドタウン散歩へと切り替える。

ミッドタウン到着後行った場所は、休憩がてら、おなじみサンドイッチ屋サブウェイでコーラS(1.02$)を注文。
ここで1時間ほど、テーブルについて葉書を書く。そう、年賀状代わりにNYから葉書を出そうと思ってる方々へ。MOMAで選んだ葉書に、なんかだらだら書いたような。いろいろ考えながら書くから、それなり時間がかかるのよ。3枚目になると集中切れてくるし、なんかおかしな内容になってたような・・・と思うも、手持ち葉書の都合上既に遅しで。これどうよと思われた方、ごめんなさい。悪気ないです。葉書もいろいろ考えて選んでるのよと、一応言い訳がましく書いてみる。

さてさて、ようやく移動開始。まずは、行きたい場所を目指して動き回る。
まず向かった先は、NBAストア。昨日見たNBAに触発されて、いいグッズないかなと。広い店内を歩き回るも、どうも納得いく品なくて、何も買わずに出ることに。チームグッズというより、オフィシャルグッズが中心で、お土産品が多かったな。

その後は界隈にあるニューバランスのお店へ。いいスニーカーないかなと行ってみたけど、特に変わった商品に出会わず。これならほしい時日本で買えばいいやとの結論をだし、試着だけして店を出る。

結局特にお店を見て回ることなく、いつものように街をぶらぶら歩いたってとこかな。
宿に帰る途中、マディソン・スクエアの隣にある郵便局に寄って、切手を購入、書きたての葉書を投函する。
日本までは、航空便で1枚70¢。1週間ほどで着くんだとか。無事に着いてりゃいいんだけど。

          
左から、夕方のミッドタウン、NBAストア、中央郵便局。切手を自販機で購入し、海外用のポストへ。






ブロードウエイでミュージカル


本場エンターテイメントを肌で味わう。そんな目的を持つこの旅では、もちろんブロードウエイでのミュージカルは外せないとこ。クリスマス・年末シーズン、当日券じゃ入場は難しそうだとの話を聞き、日本からインターネットでチケットを予約。窓口は、テレチャージというオンライン予約センター。どうせならいい席でと、オーケストラ席となる1階席のうち、真ん中やや後方の左端の席を選択。値段は、109$。チケットは、予約番号を劇場のボックスオフィッスで伝え、その場で受け取るという、いわゆるwill callという便利な制度を利用して。

いつものように、一旦17時に宿に帰宅。歩き回った疲れと眠気を覚ますため、ベッドの上で軽く睡眠。
確かミュージカル開始時間は、20時。19時に部屋を出ればと思ったけど、見事寝過ごし、宿を出たのが19時20分。

食事する時間もないなと、地下鉄を利用し、急ぎ足で劇場に向かう。そして、劇場到着19時30分。やけに静かな入口に嫌な予感がしつつ、とりあえずチケットを受け取る。せかされつつ劇場内に案内され、その理由を知る。
そう、既にミュージカルが始まっているという事実を。

一つのストーリーが終わるまで、数分間後ろの通路で立ち見。劇の合間を利用し、案内のばあちゃんに連れられて席へ。暗闇の中、ペンライトで席を照らされ、そこだって感じで。そういや、こんな場面見たことあるなと思いつつ、席へ。

今回見たミュージカルは、「The Phantom of The Opera」、つまりはオペラ座の怪人という有名作。
事前勉強は、簡単なストーリー確認だけ。なんとかなるかなと思ってたとこあり。
結果、英語はほとんど分からなかったよ。でも、見てるだけでストーリーはだいたい分かるもので、十分満足。ライブで見る臨場感は
何にも代え難いし、やっぱり見といてよかったと思う。
そして、ちょっとした楽しみを発見。ミュージカルってのは、家族と共に着飾って出かけるイベントらしく、周りの方は皆ドレッシーな服装。休憩合間の明るくなった空間で、周りのきれいなお嬢さん方を眺めて楽しんでました。ジーンズ・ニットの自分の服装をなんとも気恥ずかしく思いつつ。

ちなみに、開始は19時からだった。一応予約確認メールをコピーして持ってきてたけど、バスケの開始時間と混同してたとこがあって。30分の遅刻という失態を演じたわけで。

     
マジェスティック劇場を。帰りはしっかり人であふれてて。劇場内。休憩のひと時。



ブロードウエイといえば、タイムズスクエアの周辺にかたまる劇場群。夕食食べてないし、ミュージカル後界隈で食べてもという気持ちもあったけど、なにせ昨日の帰りの事件があるから、遅くならないうちに帰ろうって思いが先にたち。昨日はさっさと逃げたけど、次会ったらちょっと嫌な予感がするから。で、食欲ないのもあって、結局カフェでチーズケーキ&オレンジジュース(12$)をテークアウトし、歩いて帰宅。夜のタイムズスクエアの賑わいも味わえたし、なかなかいい散歩だったな。

          
左・中:ナスダック&カップヌードル、これぞじゃないかと一枚。タイムズスクエア周辺も。
右:甘ったるいチーズケーキも、食べてこその感想だしなと。



宿着、22時20分。
いよいよニューヨーク滞在も、残すは実質1日。
思い残すことなく楽しむにはどうすればと、翌日の予定をガイドブック片手に研究しつつ、床につく。