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長崎ぶらり旅日記 7
数十年前に長崎に行った時の記憶。
出島に行っても何もないよとの多くの人の話を聞いて、まあそんなもんなんかなと思ったもの。
ところが、今回ガイドブックを開いてみると、19世紀初頭の出島を当時の場所に復元してるなんて情報が。
こりゃぜひいかなきゃと、出かけることに。

思案橋電停から長崎駅方面に向かう途中にある出島電停で降り、さてどこやらと周りを散策。
出島っていうからには、海の側かなと港方面に出てあたりをふらふら。

港一帯は、長崎出島ワーフと名付けられた飲食施設の集積があるも、その前後を動いても出島商館らしき建物見つからず。
その先には、最近オープンした県立美術館が建ち、隣り合わせの水辺の森公園には帆船祭りの最中らしく、帆船がとまり観光客を呼び込んでいる。

2往復したあたりでそろそろ諦め、ガイドブックを開き研究開始。
なんとさっき降りた出島電停の港逆方向に進んだ先が出島だったと気付き、急ぎ戻ってようやく到着。
11時00分待ち合わせとなると・・、1時間きってるよと急ぎ見学にうつることに。
港界隈でぶらぶらと
出島
出島とは
1636年、ポルトガル人によるキリスト教布教を禁止するため幕府が、長崎の有力町人に命じて約15,000m2の人工島を築き、ポルトガル人を居住させたのが始まり。
1637年島原の乱が起きたのをきっかけに、ポルトガル人を追放。更に平戸にあったオランダ商館を長崎に移転、オランダ人を出島に住まわせたということ。

今の出島はすっかり陸地に囲まれてて、海に浮かんでるっていうイメージはすっかり過去のものみたい。
1904年の港湾改良工事で埋め立てられ、その姿を消したんだとか。
今は、その歴史的価値を未来に残そうと復元整備計画が進んでいるとこで、往時の建造物25棟の復元や史跡範囲の顕在化、出島内に今も現存する明治期の建物の活用などを行っているんだとか。
長期計画じゃ四方に水面を確保し、19世紀初頭の扇形の島を完全に復元する予定なんだとか。
そりゃ大いに楽しみよねと。

てな感じで、2005年現在、嬉しいぐらい出島が復元されてて予定以上の時間をかけ回ってきました。



@一番船船頭部屋

電停を降り、数メートル先に出島入口がある。まず最初に見えるは、一番船船頭部屋。
オランダ船船長が貿易の期間滞在する部屋だったのだとか。

    
建物内部には、来航したオランダ船船長の「私の日本滞在期」などを参考に、オランダ本国から持ち込んだ家具や船長の日用品が展示してある。



Aヘルト部屋・料理部屋
オランダ商館の商館長次席の通称が「ヘルト」なんだとか。
1階は、史跡案内所やお土産売り場になっている。

     
ヘルト部屋の奥にあるのが、料理部屋。
1階に当時の調理場も再現。大きな台の上で、当時日本人にはめずらしい牛や羊をさばいてたんだとか。



B表門

まずは、当時の全景を描いた案内板を紹介。
これを見ながら、復元された建物を当てはめていけば、当時の状況を簡単に想像できて結構助かる。


出島境界

現在流れる川は、当時の市街地と出島との境で、まさに海に浮かぶ島への唯一の通行路があった場所。
その出入りは厳しく制限され、この表門が監視地点だったのだとか。
ここから川向こうを見ていろんな思いがあったんだろうなと。当時のそんな複雑な事情を思い、今に眺めるそんな姿もなかなか楽しいもんですよ。



表門くぐり、門の向こうを眺めてみる。



C出島資料館本館・分館
300円の共通入館券で入れる施設は、出島資料館本館・分館と二番蔵の3つ。
結構見るもの多くあるから、時間に余裕を持って訪ねたいとこ。
建物の価値としては、本館となる出島神学校が立派で見応えあるのかな。
ただ、資料館としちゃ分館がおすすめ。


出島資料館分館
     
左: 入ってすぐ横に、長崎港から引き上げた12ポンド砲が。迫力十分の生の砲にちょっと感激。
右: 分館2階の様子。出島の復元の際出てきた、当時の陶器やガラス製品が展示されている。
   建物自体を当時と同じ場所に、当時と同じものを復元してるのがいいよね。


出島資料館本館

建物内部は当時の資料がいろいろと。
貿易品や出島での生活、日本と西欧の国際交流の舞台としての出島の姿等を紹介。
ちなみにこの建物は、明治10年わが国最初のキリスト教新教の神学校として建てられた出島新学校を保存修理したものなんだとか。



D出島内通路
出島の中は結構広い。
建物だけじゃなく、その街の雰囲気も楽しめるのは、出島という特殊な地域ならではのことよね。
石畳の道にさえ、他とは違う匂いを感じる。
長崎に来たなら、ぜひ訪ねてほしいところ。
周りを水辺に囲まれた当時の出島が完成したとき、また行ってみようかな。


長崎総括
集合予定時刻調度に、待ち合わせ予定地へ無事到着。
ホテルに寄り、消えたデジカメを発見して、長崎を後にする。

ほぼ行こうと考えていたところには寄れ、楽しみにしてた街歩きも堪能し、満足いく旅だった。
自由気ままに散策するのが似合う街は、日本全国そう多くない。
観光地が、中心地に集まり動きやすいうえ、その中で適度に散らばりそれぞれに見所のある背景が存在する。
観光地への表示も分かりやすく、歩きながら上手に案内され、目星をつけ歩いてるだけで近所の施設は自然と回れる仕組みに感心。
何も知らない初めての人が多いからこそ、こういう親切な気遣いが嬉しくなる。

人に歴史ありっていうように、街にもそれぞれ多くの歴史を持っている。
自分が知ってるのはその一端に過ぎないんだけど、それでもその一端をその場で触れられることがなんとも嬉しいこと。
長崎は歴史が詰まった街、それも色鮮やかな輝かしい繁栄の歴史だからこそ、街にはその雰囲気が色濃く残ってるし、歩いても楽しくさせられるとこ。
伝統とモダンの融合を、街自体が表現しているようなとこだから、今回再び確信した、
やっぱり大好きなんよ、長崎の街。

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