V 土地


4 土地決定


ほしいのは自分が納得する家だから、家にも、土地にも妥協がない。納得できなければ、その決断を先に延ばせばいいだけのこと。ある程度、住宅会社の目星を付けながら、土地だけで2年以上は検討を続け、いつの間にか消費税は上がるし、各種補助はなくなるしと環境は変わったが、ここぞという土地に出会えたのは、このタイミングまで粘ったからこそとつくづく思う。

土地の仮予約から契約までの4ヵ月間と、土地の契約から建築契約までの半年間が、その決断に間違いがないか、さらなる情報収集とあらゆる検証により考え抜いた期間。

6区画の新たな造成地に次々と家が建つ中、造成後半年以上手付かずだから、不動産会社にはいろいろと問い合わせがあったよう。住宅会社の紹介ではなく、ここぞの造成予定地を見つけ、不動産屋と直接交渉したものだから、建築条件のない自由な選択が可能という状況もあり。

土地は、面積85坪、造成地だから形状は良く、南北方位に位置するバランスのとれた長方形。

出入りは、土地の東側に位置する団地内の住民のみが使う6m道路から。北側に、地域住民が主に利用する準幹線道路の8m道路が通ることは、その決断を悩ましたがあるが、歩道を含め敷地境界から3m以上の距離があること(防音面)、道路と敷地の間に公共の緩衝空間があり直接出入り不可なこと(防犯面)から、その環境を受け入れる。一方、北側に遮蔽物がないことによる北側に開けた自然の景色を一望できること、十分な敷地面積により南側に広い庭を確保できること等は大きな魅力。

一時はコスト優先で必要最小限の土地を検討するも、終の棲家という視点で考え直し、この土地との出会いに至る。





それにしても、土地の決断は難しい。家は最悪建て替えればいいが、土地は動かせない。たかだか9年間とはいえ、学校区のことも頭をよぎる。自然災害からの安全面は、なにより重視。隣近所の人柄、地域特性を把握するため、団地内で土地を購入した人、近隣に住む人と、できるだけの情報を集める。隣近所すべてを挨拶して回り、そこにすむ住人を確かためという人からの助言は、とても実践する気にはならなかったが。

100%の理想の土地などなく、求める条件の7割が叶えば十分。魅力のある土地は、他人にとっても魅力があり、早めの決断が必要という言葉を実感。そして、土地を探しつつ、つくづく思ったのが、魅力的な土地は、表に情報が出てこない。造成前に、不動産会社とつながりのある住宅会社に情報が流れ、そこで大方抑えられる。インターネットや広告に出るものは、それなりの理由があり、その過程で売れ残ったものばかり。目星を付けた地域があるなら、そこを定期的に歩き回り、開発が始まる土地、空き土地を自ら探すに限る。

住宅検討ではやる気持ちを抑えて、じっくり腰を据えて、納得がいく土地が出るのを待つ。土地が出たら、すぐに決断できるように、住宅を含め、事前に検討を進めていく。まあ、人それぞれ事情があり、時間を味方にするのは、なかなか難しいものだけど。






【所有権移転登記】


今回の家造りでは、いろいろなところでコストカットし、本体工事費をねん出していったが、土地関係でも無駄な費用をカット。最近は増えてきているようだけど、所有権移転登記に代理人を使わず、自ら行ったというもの。

平日半日休みを取り、朝一で不動産会社と土地売買契約を締結し、銀行で土地代金を支払い。代金支払い後、登記済証を受取り、その足で法務局に向かう。登記申請書類は、法務局で事前相談していたため、当日は申請書及び関係書類を提出するだけで終了。土地契約と合わせ、半日で手続きが終了する。

最近の傾向を踏まえ、法務局では、「ご自身で登記申請を検討されておられる方へ」というページを作り、親切に登記の方法を解説している。様式等は、法務省ホームページからのダウンロードで、一式が揃う。

まずは、様式を作成し、整理した疑問点等を事前相談で確認すると、大きな労力をかけずにスムーズに登記申請ができる。様式作成の補足として、課税価格の項目は法務局が示すので、無理に固定資産税額等を探す必要はない。

少し自分で勉強し、手間をかけるだけで、5万円近くの司法書士手数料をカットできる。所詮は、同じ人間が処理していることであり、構えずにチャレンジしてみるのがいいだろう。




                                                                         






家造り記
2014年12月完成 安成工務店
足掛け6年、住宅会社と、そして土地と出会い、思いを形へ
居心地・使い勝手の良い、居住空間としての本質を追求した間取りに、安成工務店のセンスと技術が息吹を吹き込む
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