Ⅵ 住宅会社決定⑦(住宅設備関係)


12 住宅設備関係


10住宅仕様で、住宅設備関係を載せたものの、もう少し詳しくとのリクエストをもらい、経緯も含めて最終的な仕様を載せる。


■システムキッチン
安成工務店の標準仕様は、システムキッチンに限らず、トイレ、バスともにTOTO。トイレ、バスならまだしも、システムキッチンにTOTOというイメージがなく、検討に当たっては、クリナップ、LIXIL、ウッドワンも含めてショールームを訪ねる。

カタログ、ショールームで検討を進め、本命にあげたのは、クリナップ。クリナップの魅力は、やはりキッチンメーカーとして積み上げてきた技術、ノウハウ。
・構造材に使用するステンレスは熱や水に強く、結露が生じる過酷な環境での耐久性がなによりの魅力。
・作り込まれた収納は、量で他社に優り、使い勝手のいい工夫が入る。特に下部収納は、使用頻度の低いガスコンロやストック食材置き場と何かと使い勝手が良さそう。
・レンジフード(換気扇)は、自動洗浄ユニットを選択可能で、換気扇洗浄が月1回、ボタン一つで可能になる。無駄のないシンプルなフードカバーのデザインもよく、リビングとつながるオープンキッチン仕様では優位性の一つにも。
・ワークトップは、耐久性を考え、人工大理石よりもステンレスを優先。人工大理石は熱に弱く、熱した鍋やフライパンが、内部亀裂の原因になる。20年、30年と使い続けるものだから、少々手荒く使っても影響が少ないものがいい。合わせて、クリナップ独自のドット柄加工は、キズが付きにくいという特徴も。
・シンクは、美サイレントシンクと銘打ち、水垢が付きにくいコートだけではなく、水音を抑える制振構造によるサイレント性能が特徴。食器洗いの作業音で会話やテレビの音が聞こえないという家庭の問題を解消してくれる。排水口も一体型で掃除がしやすいのもいい。

クリナップのショールームには数度足を運び、自由に選べるなら「クリンレディ」と考えていたが、現実はそうもいかない。工務店には、それぞれ主要な取引先があり、標準仕様は大量仕入に見合う価格設定がされているもの。自分の考えで自由に間取、様々な仕様を決めていたこともあり、キッチン周りは優先的にいいものを選ぼうと思っていたが、やはり、数十万円単位で価格に跳ね返ってくるなら、話は別。何を優先すべきか。それを満たしたなら、各メーカーそれなりに工夫を凝らしているのだから、そこまで大きな違いはないと判断。

今回優先したのは、キッチンの横幅を270cmとり、十分な調理スペースを確保すること。通常は255cm程度だから、ワンサイズ大きなものとなるが、値段が大きく変わらないから、間取さえ合えば十分に選択可能。そして、同サイズはどのメーカーも用意しているものでもある。

安成工務店標準仕様のTOTOは、お得意様オリジナルのシリーズがあり、価格が圧倒的に安い。事前に下見に行った際に説明を聞き、TOTOキッチンにも、ステンレスワークトップがあり、十分な収納量やすべり台シンクなど、それぞれに工夫が施されていることを知り、これならと納得して標準仕様の選択を受け入れる。

結果的には、「安成工務店の魅力」でも書いたように、TOTOの生産工程に支障が生じたことから、一時的に安成工務店の標準仕様がクリナップのクリンレディに変更され、追加負担もなく、ベストな選択をさせてもらう。

個人的な感想としては、選択肢がTOTOなら、何の不満もない。ちなみに、検討の工務店では、原工務店はクリナップが標準仕様、銘建はウッドワンまたはLIXILとなる。ウッドワンは機能面に不満があり、銘建にクリナップ・クリンレディへの変更を打診したところ、追加料金なしで了解をもらえたから、標準仕様と大きな価格差はないのかもしれない。家造りにおいて何を最重点に考えるか。理想は追い求めたいけど、工務店の取扱いメーカーにより予算面に直結する住宅設備では、無理をしたくないところ。


【最終仕様】
区分 内容 標準差額
(千円)
メーカー クリナップ  
シリーズ クリンレディ(扉Cクラス・クリスタホワイト)
※扉のクラスが大きく価格を左右。自宅で使うものに見栄ははらないと標準品で
 
サイズ W2715×D650×H850  
取手種類 ライン取手(シンク前はロングバー取手)
※フラットライン取手は足が引っ掛かる可能性が高く却下。クリンレディでは、SS仕様にあるロングバー取手が、シンク前のみ選択可能。タオルかけとしても使える
 
トップ ステンレス/ドット柄コイニング加工
※標準仕様・アクリストンシンク(人工大理石)からの変更
△86
シンク種類 美・サイレントシンク(大) SRシンク/ステンレス (W850×D505×H196)  
水栓金具 グースネック水栓
※タッチレス水栓に引かれるも、コスト優先。止水の際に金具付根に水がたれ、汚れるのを避けたいとのリクエストを受け、水栓横に操作レバーが付くグースネックを選択
食器洗浄乾燥器 ディープ型 26
レンジフード 洗エールレンジフード(自動洗浄機能付)
※標準仕様・とってもクリンフードからの変更
60
コンロ NORITZ ガラストップ ガスコンロ(N3WM4PWAS55TE) 
※標準仕様で山口合同ガスに別注(価格が安いためとのこと)
※キッチンで最も悩んだのは、ガスとIHの選択。ガス補助暖房導入を決めていたから、オール電化への固執は不要。おいしい料理を作るならとガスを優先。立ち上がり付のセミオープンキッチンで、コンロ周りの油飛散を防ぎ切れるのかとも悩む。ガスコンロの上昇気流、コンロとレンジフードの短い距離(76cm)、高性能換気扇の能力に期待して、ガスコンロを決断する(将来IH対応可能なように、200V電源は準備)
 
その他 ステンレス引出し底板、うきうきポケット、水切りカゴ、サポートプレート 50
※差額は、メーカー標準金額のため工務店価格とは異なる
※クリナップは選びたくなる魅力的な機能が多く、結果的にコストが上がる面も。少々覚悟したが、トータル7万円程度の追加に収まる。

   




■システムバス
手入れのしやすさから、見た目ではなく、実用性を優先し、TOTOシステムバスを選択。TOTOは標準仕様ながら、機能面とサイズから納得の選択。
区分 内容
メーカー TOTO
シリーズ サザナ HDシリーズ Sタイプ
サイズ W1717×D1717(1坪サイズ)
浴槽 魔法びん浴槽 ※4時間後の温度低下を2.5度以内に抑える
ほっからり床
シャワー エアインシャワー
その他 タオル掛け、スライドバー、ハンドグリップ、手すり、ランドリーパイプ

 




■トイレ
安成工務店の標準仕様はタンクレスながら、コスト面からタンク有に変更。タンクレスは、空間が広く使えるけど、自宅なのだから見た目は二の次と現実的な選択をする。ただ、さすがはTOTOで、ワンランク下のトイレでも十分な機能を備えている。
区分 内容
メーカー TOTO
シリーズ ZJ(4.8L仕様)手洗いなし、ウォシュレット一体型便器
機能 ・汚れを付きにくくする「プレミスト」
・汚れが隠れる縁がない「スゴフチ」
・少ない水でもしっかり洗浄「トルネード洗浄」
・便座とノズルに防汚効果の高い樹脂素材を採用
・超節水機能で従来品71%節水
・便器とウォシュレットの隙間の汚れが拭きとれる「お掃除リフト」

 




■洗面化粧台
洗面化粧台は、服や上履きの手洗いを想定し、水の飛び散らない深い洗面ボウルの付いた実用性を優先。
区分 内容
メーカー TOTO
シリーズ サクア
機能 ・間口750㎜/実容量18Lの大型洗面ボウル
・折りたためる水洗金具
・エコシングル水栓で省エネ(お湯と水の境にクリック感を設け、使い分けられる仕様)
・3Wayキャビネット(サイズの異なる引き出しで使い勝手のいい収納を確保)
・三面鏡仕様(鏡の後ろは収納スペースとして利用)

   




■照明
照明は、基本的に安成工務店の標準仕様・コイズミのLED照明。天井がある箇所はダウンライト、吹抜けや主寝室にはスポットライトの電球色照明を、ワークスペースには昼白色の蛍光灯タイプ照明とほぼ提案どおりに選択。
スイッチ計画では、1階玄関出入口で、1・2階の全照明をコントロールできるスイッチを設置したかったが、スイッチ数が大量になるため断念。3路、4路の配線を各所で組み、使いやすいスイッチ配置とする。

特徴的な照明を何点か紹介
・階段途中に2カ所、明るさセンサ付の常夜灯を設置。これは、トイレが1階のみのため、夜中にスイッチを付けずに1階へと階段を下りれるように、追加したもの。
・外壁3箇所のスポットライトは、人感センサ付。夜中でも、人の動きを感知して照明が付くことで、防犯面の効果も狙う。
・玄関ポーチ照明は、コイズミから、パナソニック(XLGDC660K)に変更。パナソニックの照明は機能面で優り、このLEDダウンライトは、明るさセンサ付、時間調整機能付で時間コントロールありの常夜灯としても利用できる。防犯機能に優れ、時間設定で消灯した後でも、人感で100%点灯。一定時間以上センサ範囲内に人を感知すると、フラッシュで警告する機能が付く。
・メインのダイニング照明は、ルイスポールセンの「TOLDBOD220」を選択。照明工事不要で、施主支給を認めてもらえたため、ネット購入し、コストを削減。






■エアコン
安成工務店ですすめられるビルトインのエアコンは、デザインも良く、室外機の配置を柔軟に対応できるため理想だけど、40万円超と値段が高いこと、故障の際の付替え負担等への懸念、外付けエアコンの高機能性能に優位性を感じ、選択せず。間仕切を極力なくしたオープンな構造にしたため、光熱費負担はある程度覚悟。とは言え、高気密・高断熱仕様、風の流れや太陽の光を計算した造り、太陽光発電による売電収入を踏まえると、負担の程度はしれているとも思うところ。

暖房は、ガス補助暖房設備による床暖房(OMソーラー同等機能による、床下から温かな空気が出てくる全館暖房)で対応。エアコン暖房による乾燥した空気が嫌いで、アパートでも石油ストーブしか使っていないことから、冬場にエアコンは使わないだろう。エアコンの主な用途は、夏場の暑さを避けるため。風の抜ける家ではあるけど、酷暑の日々が連続する昨今を考えると、用意はしておきたいと。

大型エアコンで機能が優れる「三菱 霧ヶ峰」のフラッグシップモデル・Zシリーズを選択。和室を含むと20畳を超えることから、冷房(20~30畳、7.1kw)対応可能な、MSZ-ZW714Sに。
フラッグシップモデルだけあり、Zシリーズには様々な最新機能が盛り込まれる。
・「ムーブアイ極」で、体の部位、床、壁、人、状態、間取り、日射熱、天井、距離を測り、体感温度を分析した上、冷やしすぎない自然な風を再現
・「匠フラップ」で、4枚のフラップで縦の風を実現し、人の姿勢に合わせて、全身に気持ちいい自然な風を再現
・「ハイブリッド運転」で、爽風と冷房を体感温度に合わせて自動で切替え、快適と節電を実現
・「フィルターおそうじメカ」で、自動でフィルターを掃除し、ホコリが付かない仕組み
・「トリプル空清」で、ピュアミスト(ウイルス・菌抑制、脱臭)、帯電ミクロフィルター(PM2.5、花粉除去)、アレル除菌脱臭空清フィルター(カビ菌やアレル物質抑制・脱臭)機能で、エアコンからの風がきれい

エアコンにコストをかけたくないため、価格.comの安値&評判の良い店で購入しようと考えていたが、ヤマダ電機で同程度の価格を示されたため、即決。購入時期10月と、新型との入替時期だったこと、ヤマダ電機が価格.comの価格を競合と考え(当初提示から4万円近く値引く)大幅値引きに対応してくれたことから、工事費込・10年保証付・化粧カバー付の21万円(税込・ポイントなし)で購入。工事・保証面から店舗型に安心感があるから、満足の選択ができたわけで。







                                                                         






家造り記
2014年12月完成 安成工務店
Ⅰ 方向性 Ⅱ スケジュール Ⅲ 土地 Ⅳ 住宅会社 Ⅴ コンセプト
Ⅵ 住宅会社決定 Ⅶ 住宅工事 Ⅷ 完成見学会 Ⅸ 番外編 Ⅹ コメント
足掛け6年、住宅会社と、そして土地と出会い、思いを形へ
居心地・使い勝手の良い、居住空間としての本質を追求した間取りに、安成工務店のセンスと技術が息吹を吹き込む
①決定 ②安成魅力 ③契約内容 ④住宅仕様 ⑤追加設備 ⑥間取図 ⑦住宅設備