Ⅷ 完成見学会②(外構)


30 完成見学会


(2)外構

外構は、山口市の坂本造園に依頼。坂本造園は、テレビチャンピオン優勝に象徴される確かな腕とセンスを持つ職人で、県内に留まらず県外からも指名依頼がある造園業者。最近では、いろり山賊・錦店の庭造りを担ったようで、雑木や石など自然の素材を組み合せ、何もないところから、自然の景観を造りだすことに定評がある。安成工務店とは、提携関係にないながら、坂本造園が庭造りの社内研修を行った縁で、安成工務店の家に合う外構ができるからと、顧客を紹介。これまで、数々の安成工務店の家の庭造りを手掛けたことから、家の雰囲気に合う庭造りを任せられることや、安成紹介案件として優先的に対応してもらえる等の利点がある。

坂本造園には、安成工務店の三浦設計士が描いたイメージをベースに作成した外構図面を持ち込み、相談。坂本社長より、こちらの希望をベースに、現地の状況を踏まえた様々なアイディアを提案してもらい、そのセンス、知識、技術を織り込んだ内容に高い信頼を置き、すべてお任せでお願いする。




 
  




 
①駐車場   ②玄関周り
・駐車箇所を耐久性の高い洗い出しで仕上げる、坂本造園オリジナル意匠。常時駐車が2台、駐車場奥の南側庭を利用する臨時を含め計4台分を確保。

・白いコンクリートの駐車場をイメージしていたけど、コンクリートはしみ込んだ雨で黒ずみ、時間と共に見た目が悪くなるとの助言で、洗い出しに変更。中央部は散砂と芝で型をデザインし、コストカット効果も狙う。

・駐車場右端は、段差を設けたアプローチとし、空間にアクセントを持たせる。


・重厚感のある石積みを木々の緑が前後に挟み、品を感じさせながらも、どこかやわらかさのある雰囲気となっている。

・東側の庭を取り込む玄関周りのアプローチは、木々に囲まれ、自然豊かな空間を造る。アプローチの一角には、石積み同素材の石畳がアクセントで置かれ、空間の一体感が演出される。

・玄関前の木は、ソヨゴ、ヤマホウシ、山つつじ。ソヨゴは熊本県阿蘇の山中からと、いずれも山に生えていた自然の木を使い、柔らかな自然な風合いを作りだす。


 

 
③東側庭
   
・玄関アプローチ、外部との境界、外周の通路と、様々な役割のある東側の庭は、見せる庭として、起伏のある地面に自然石や木々が立ち並ぶ。

・玄関横から北側テラスまでの木々を順に紹介
ソヨゴ(左写真手前)・・・常緑樹、冬に赤い実、春に白い花が咲く、成長が遅く育てやすい
ヤマボウシ・・・落葉樹、夏から秋にかけて果実、春に白い花が咲く
ナンテン・・・常緑低木、真っ赤な実、初夏に白い花が咲く
ヤマコウバシ(右写真)・・・落葉低木、黄褐色に紅葉するが枝に葉が付いたまま冬を越す、秋に果実
ミヤマシキミ・・・常緑低木
アセビ・・・常緑低木、春に花が咲く
アオダモ・・・落葉樹、秋に果実、春に花が咲く
ミツバツツジ・・・落葉低木、春に紅紫色の花が咲く
ヒサカキ・・・常緑低木、年間を通じ果実が付き、春に花が咲く
ヨシノツツジ・・・常緑低木、春に花が咲く
ヤマグルマ・・・常緑高木、5-7月に花が咲き、秋に実がなる
イロハモミジ・・・落葉高木、秋に紅色に紅葉
ナツハゼ・・・落葉低木、秋に黒褐色の実、春に花が咲く

 
 

 
④北側庭 ⑤テラス
・ダイニング、テラスから見渡せる、造り込んだ北側の庭。遠景を取り込み、朝日に輝く自然の景色を眺めながら、朝食を楽しめる。

・北側の庭の特徴は、直射日光によるまぶしさがなく、木々が太陽に照らされた、最上の環境での、庭そのものを楽しめる点にある。龍安寺の石庭しかり、名庭園が北側に配置されているのには、相応の理由があるわけで、見せる庭だからこそ、北側での庭造りにこだわった。




・2坪(2.4m×2.8m)と、十分な広さのテラス。北欧の家にある、椅子に腰かけ、ゆっくりと食事やお茶ができるスペースが、発想の原点。優先順位が低く、屋根やウッドデッキを諦めながら、テラスそのものは実現。

・将来的なウッドデッキを検討したけど、ダイニングから見える北側の景色を活かすため、高さを抑えることを提案され、メンテナンス面も考慮し洗い出しとする。

・北側の景色を一望できる場所であり、アウトドア用のテーブル、椅子を使い、活用していきたい。

 
 
 

 
⑥南側庭 ⑦ウッドデッキ
・南側庭には、一面に芝生を植え、子供が自由に走り回れる広い空間を確保。芝は、芝刈回数が少なく管理が容易なTM9(トヨタ自動車開発)をリクエストしたところ、同じく管理が容易(横に伸びる)、緑色保持期間が長く、TM9より安価なビクトールの提案を受け、採用。

・リビングへの外からの視線を防ぐ位置に植栽。樹種は、南が、ミツバツツジ、白山木(ハクサンボク)、ソヨゴ。西が、ヤマツツジ、ミツバツツジ、サルスベリ、四季咲モクセイ。四季咲モクセイは、香り良く季節感のあるキンモクセイが好きでリクエストしたところ、この庭に合う同種(白色の花、香りは劣る)として提案を受け、採用。

・リビング前には、枕木で囲んだ砂場(1m×2m)を造り、親の目が届く範囲で子供が遊ぶように。南側の木は、夏場に木陰を作る効果も。

・建物工事として施工のウッドデッキ。十分なサイズがあり、デッキの上に座り、ゆったりとくつろぐことができる。デッキの高さが窓と同じため、リビングとつながる一体感があり、見た目にも広がりのある空間を演出してくれる。
安成工務店のウッドデッキは品があり、外観の質を高めてくれるけど、なにせ値段も良く、結局北側テラスのウッドデッキを諦めることに。

・ウッドデッキ前の石の階段は、坂本造園作。風格のある石を、1、2段目で少しずらして配置することで、ぐっと引き締まる質の高さと遊び心が絶妙なバランスを保ち、庭の雰囲気を引き立てる。



 

 
 ⑧西側庭              ⑨北側差し掛け            ⑩北側差し掛け
  
⑧西側庭
・家庭菜園用に枕木で囲う畑(1m×2m)を設ける。キッチンから直線でつながる、西側勝手口の先にあり、育てた野菜を調理にと使いたい。
・洗濯機を置く洗面脱衣所隣の勝手口を出ると、洗濯物干場の、屋根で覆う西側テラスに出る。西側のウッドフェンスにより、道路からの視線も防ぐ。

⑨北側差し掛け1
・西端から東方向。北側の活用を考え、広めの2m幅を取り、境界いっぱいに差し掛けを付けることで、通路兼倉庫の多目的スペースを実現。
・予算面から、差し掛けの仕様をポリカから波板に変更。サイズが限定されるポリカと違い、波板は加工に自由度があり、結果的に最大限のスペースを確保。

⑩北側差し掛け2
・勝手口の先までを差し掛けで覆い、出入口への風雨を防ぐ。差し掛けスペースは、灯油ポリタンク、大型ごみ箱、ホースに加え、自転車置場としても利用予定。
・波板は、数種のカラーから選択可能。黒色は全体的に引き締まった雰囲気となり、波板の弱点である見た目のチープさを感じさせない。




                                                                         






家造り記
2014年12月完成 安成工務店
Ⅰ 方向性 Ⅱ スケジュール Ⅲ 土地 Ⅳ 住宅会社 Ⅴ コンセプト
Ⅵ 住宅会社決定 Ⅶ 住宅工事 Ⅷ 完成見学会 Ⅸ 番外編 Ⅹ コメント
足掛け6年、住宅会社と、そして土地と出会い、思いを形へ
居心地・使い勝手の良い、居住空間としての本質を追求した間取りに、安成工務店のセンスと技術が息吹を吹き込む
①外観 ②外構 ③室内1 ④室内2 ⑤室内3