Ⅷ 完成見学会⑤(室内3【2階、その他】)


30 完成見学会


(3)室内③(2階その他




1 2階
①ワークスペース、本棚 ②ホール
・北側の自然の景色を取り入れ、外とのつながりを持
たせたワークスペース。外に開けた造りによる適度な
つながりが集中力を増し、デスクワークや勉強に効率
よく取り組める。
言うなれば、図書館や喫茶店で読書や勉強をしている
感覚。見られているかもしれないという環境が、雑念を
払い、目の前の作業に没頭させる。家の中にこの環境
を作りたくて、ワークスペース造りには特に力を入れる。
(実際に外から見えるかというと、2階という位置や窓へ
の光の反射で余程意識しないと中は見えないだろうし、
基本は気にしないスタンスで)

・テーブルサイズは幅260cm×奥行60cmと十分な
大きさを確保。資料を広げた上、大人3人でも余裕を
持って座れる。

・テーブルと壁の間が110cmと中途半端に空いたこ
とから、造作本棚を設置。無印良品のスタッキングシ
ェルフ
と同じ奥行28.5cmとし、無印良品の収納カゴ
等を置けるようにする。デッドスペースを作らないよう、
可動棚板を7段とし、サイズに合わせて適切に棚板を
配置。本棚を造作としたのは、コストと葛藤しながらも、
スペースを有効活用できること、地震等で倒れる恐れ
がないこと等から。
・階段をあがったところにあるホールは、テーブルや
本棚スペースを含め、6畳と余裕のある空間。面積が
限られる中、個室を詰め込みがちな2階は、これまで
の見学会でも、ゆとりがなく窮屈な印象のところが多く、
あまりいい印象に残っているところがない。
サエラ展示場のようなつながりのある空間をイメージ
しながら、まずは2階の中心となるゆとりのある共有
スペースを造る。

・2階は、ホール、子供部屋、主寝室と各部屋に個室
機能を持たせながら、それぞれの引戸を開け放つこと
で、広々としたワンフロアができあがる。

・2階トイレは、収納を優先し、必要性もあまり感じない
ことから設けず。1階での生活を中心に据えたこと、1
階トイレが階段すぐそばにあること、また維持管理費用
面からの判断。

・ホール南側には、将来ピアノ(アップライト)を置くこと
も想定し、スペースを確保。ピアノの練習は、親の目が
届くところがいいと聞きながら、興味を持つかどうか分
からない段階で、1階にスペースをとることは難しく。

③子供部屋(北) ④子供部屋(南)
・ホールとは、中央に柱がある出入口でつながり、左右の戸袋に入る引戸を閉めれば、個室となる。部屋の中央
には上吊りレールが設置されており、後から仕切板を吊るすことで、4.5畳ずつの2部屋ができあがる。

・子供部屋で意識したことは、子供がこもらないように、居心地の良くない空間にすること。4.5畳は、ベッドと洋服
ダンスを置くと、机が置けるかどうかというサイズ。勉強やくつろぎは、1階デスクやリビングで、寝起きと着替えは
個室でという利用を想定。

・子供が使用する期間は限られるから、子供部屋という一つの目的に限定せず、フリースペースや倉庫利用も想
定し、造作収納を設けず。子供部屋利用だけを考えると便利だろうけど、シンプルな造りにしたことで、2階全体が
広く使えることに。


・子供部屋南側の窓には、障子引戸が付き、1階リビングと吹抜けでつながる。障子を通す明かりから、1階や主
寝室から子供部屋の様子が分かるようになっている。

 ⑤廊下                 ⑥小屋裏階段            ⑦廊下収納
  
⑤廊下
・ホールから主寝室へと向かう廊下で、左手が子供部屋入口、正面が主寝室、右手腰壁の先が押入収納となる。

⑥小屋裏階段
・廊下の天井には、小屋裏に上がる階段を設置。天井高210cmと背伸びをすれば手が届く高さのため、階段も
器具を使わず、直接手でレバーをつまみ、簡単に下すことができる。

⑦廊下収納
・廊下の途中にある押入は、主寝室と子供部屋の冬布団をしまうことを想定。右側は5段の可動棚が付き、カバン
等を置ける収納になっている。

⑧小屋裏収納 ⑨吹抜け2階の窓
・小屋裏収納には8畳近い十分なスペースを確保。
当初は、階段を上がる手間から、実際には使わない
のではと設置に消極的だったけど、安定した階段や
広々とした室内倉庫は使い勝手が良く、なにかと重
宝しそう。

・小屋裏階段は、当初、子供部屋への設置を提案さ
れたけど、将来子供部屋に入れてもらえなくなる可
能性を考慮し、廊下上に設置。結果的に、天井の高
い子供部屋では、手による階段レバー操作ができな
かったから、使い勝手面でもプラスに。

・断熱材が天井に付いているとはいえ、夏場は熱が
こもるため、収納する物を選ぶ必要がある。
・吹抜けの2階部分には大きな窓を設け、太陽の光
を部屋の奥まで取り込む。また、子供部屋の南側窓
を通じ、南北がつながる造りのため、1,2階への通
風の役割も果たす。

・キャットウォークには、見た目と安全性を両立する、
ワイヤーロープを張り、子供の侵入を防ぐため、主
寝室から出入する引戸に、簡易鍵を付ける。


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 ⑩主寝室                ⑪ウォークインクローゼット      ⑫キャットウォーク
  
⑩主寝室
・主寝室は、勾配天井の6畳間。セミダブル+シンブルサイズのベッドを2個置ける十分な広さを確保。

⑪ウォークインクローゼット

・主寝室の北側に設けたウォークインクローゼットは、季節物や普段着ない服の収納スペースとして利用。
・入口の両サイドに付けた枕棚とパイプハンバーによる吊り下げ収納と、枕棚の下部に確保した広いスペースを
使う衣装ケースによる収納で利用。スペースを広く使うため、鏡は造作で設置。


⑫キャットウォーク
・キャットウォークの外に布団干しバーを設置。キャットウォークには、布団を抱えて動いても気にならない、安定
の広さがある。

2 その他
①プリーツスクリーン
・1階は、リビング、ダイニング、和室の各部屋に、タチカワブラインドのプリーツスクリーンを付ける。落ち着いた
温かみのあるオレンジ色のプリーツスクリーンで、質感の高い生地と暖色系の色合いが無垢床や珪藻土など自
然素材の室内空間とよく合い、部屋の雰囲気を高めてくれる。

・サンプルを見ただけではなかなかイメージがわかず、派手すぎるのではないかといろいろ悩んだオレンジ色は、
実際に利用する夜間の室内では、温かさを感じさせるとても落ち着いた色合いに見えるから、この色を選んでよ
かったと思う。また、室内の明かりを受けた外では、オレンジ色の明かりが漏れ出す、ほのぼのとした温かな雰
囲気に包まれ、室内、室外ともに映える色だと感じさせる。

・プリーツスクリーンは、ペアタイプとし、下部にレース生地を付ける。昼間の視線を防ぎたいときには、レース生
地だけを下げればよく、明るさだけを取り入れられる便利な機能。

・カーテンとの違いは、厚みがなく、すっきりと見せることができること。一方、耐久性には不安があり、特に子供
が壊さないように注意を要する。また、コストもカーテンより高いため、買替には大きな決断がいることになりそう。

②ロールスクリーン ③和室ふすま
・2階はコストカットもあり、ロールスクリーンを設置。
明るいベージュ色とし、床や壁と色合いを合わせる。

・それぞれ1枚のスクリーンのため、上げ下げも楽。
レース生地が付かないため、開けるか閉めるかの
扱いになるけど、遮光性能を付けなかったことで、
閉めたときにも一定の明るさを確保できる。

・プリーツスクリーン同様、ロールスクリーンの欠点
は、窓を開ける際には、スクリーンを全開にする必
要があること。カーテンのように風を受け流さないか
ら、夏場の夜に風を通すにも、スクリーンを上げて
おく必要がある。2階だとあまり気にしないにしても、
1階寝室などでは使用を考える必要がある。
・和室は3枚引戸が左の壁に収まり、閉めると個室が
できあがる。冬場の暖房効率をあげたいとき、夜寝る
ときなど、引戸を閉めて、個室として活用。







④吹抜け
・リビングから見上げると、吹抜けの中央に太い梁、周りを囲うように木枠が見える。構造材を隠す大壁工法で
ありながら、ところどころに構造の木を見せるのが、安成工務店のセンスの良さ。珪藻土の自然な塗壁と合わ
せ、自然素材による柔らかく温かな風合いが心地いい。

⑤無垢床 ⑥床暖房吹き出し口
・安成工務店の特徴でもある、信州唐松の無垢床材。
柔らかな足当たりの感触が心地よく、冬場でも裸足
で過ごしたくなる。

・唐松の明るい色も、部屋になじむ。経年により赤み
を帯びる色の変化を楽しめるのも、木の特徴となる。

・サエラ展示場、これまで見た完成見学会から、床
材は無垢唐松でと強くリクエスト。復興需要などで
国産唐松材が確保できない状況になりつつあるよう
だけど、すぐに手配することで、事なきを得る。

・一枚板のサイズは、縦195cm×横10cm×厚
1.5cm。縦の長さが短いと煩雑に見え、規格が
大きくなるとコストが上がるから、よく考えられたサ
イズ。

・国産唐松材は、他の木材会社なら調達できるだ
ろうから、唐松材にこだわるなら、調達先を変える
等そういう相談をしてもいいのではないかと思うところ。
・床下暖房機で暖められた空気が床下を循環し、
リビング、和室、ダイニング、トイレ、洗面脱衣室と、
それぞれに設置された吹き出し口を通じて、じんわ
りと室内に供給される。

・吹き出し口は開閉可能で、床下暖房を使わない時
や部屋の使用に応じて、閉じる使い方もできる。










⑦その他
建物工事と合わせると、コストを抑えて設置可能なため、将来の利用も見越して、いろいろと設備を付ける。

■センサーカメラ(パナソニック VL-CD265)配線
・センサーライトや外から死角を作らない窓の配置など、いろいろ防犯対策は施しているけど、極めつけはセンサーカメラの設置環境を整えたこと。インターホンのパナソニック・どこでもドアフォンとLANでつながり、カメラ画像をインターホンモニターで確認、録画できるというもの。また、夜間撮影用に照明機能も付くから、警報効果もある。
・まだまだ顔が見える関係が残る地方の町では過剰な設備だけど、昨今の犯罪事情や、人口減少等による治安の悪化が想定される将来を見据えると、自己防衛の手段として必要な設備になると考える。防犯カメラに経営資源を注ぐパナソニックはその先端を進み、今後さらに、画像の鮮明化や使い勝手の良さ等が家庭製品にも取り入れられると推測する。

■200V電源
・システムキッチンのコンロ位置に、将来のIHクッキングヒーター設置のため、200V電源を設置。
・もう一つ、少々早計ながら、駐車場近くの壁に、電気自動車用コンセントを設置。車と外部コンセントをつないだ後、室内スイッチで充電が開始する。電気自動車までいかなくても、PHV機能が、エアバッグやアイドリングストップのようにもう少し普及価格帯で選択装備できるようになると、この設備が役に立つはず。

■ガス衣類乾燥機(乾太くん
・ガス温水床暖房やガスファンヒーターなど、ガス配管が必要になる設備は、建物工事の段階で設置することでコストを抑えることができる。今回付けたガス設備は、ガス乾燥機の乾太くんで、引越後、洗濯機の位置を確定した上で、ガス会社による取り付けが行われる。
・ガス乾燥は、天井に埋込む浴室乾燥機の形をとることもできるけど、乾燥機能をメインに考えるなら、ランニングコストも性能も、衣類乾燥機の方が断然上。サイズから、外に置いて使う家庭もあるようだけど、洗濯作業で乾燥機を使うために家の外に出るなら、魅力も半減ではないかと思う。一連の流れの中、家の中でタンスにしまうまでを完結させる。乾燥機設置場所が高いためか、圧迫感もなく、思った以上にコンパクトに収まる。




                                                                         






家造り記
2014年12月完成 安成工務店
Ⅰ 方向性 Ⅱ スケジュール Ⅲ 土地 Ⅳ 住宅会社 Ⅴ コンセプト
Ⅵ 住宅会社決定 Ⅶ 住宅工事 Ⅷ 完成見学会 Ⅸ 番外編 Ⅹ コメント
足掛け6年、住宅会社と、そして土地と出会い、思いを形へ
居心地・使い勝手の良い、居住空間としての本質を追求した間取りに、安成工務店のセンスと技術が息吹を吹き込む
①外観 ②外構 ③室内1 ④室内2 ⑤室内3