Ⅶ 住宅工事④(外構工事①、室内仕上げ)


24 外構工事開始(11月15日)
25 室内クリーニング終了(11月22日)
26 施主検査(11月29日)



24 外構工事開始(11月15日)


内装大工工事、内壁塗装が完了し、いよいよ最終仕上げへと向かう。予定より1~2週間前倒しで工事が進み、引渡しに向け、様々な手続きが一気に動き出す。

住宅ローンは、JAを利用。山口県内の店舗型金融機関で、固定金利を選択するなら、JAが最も優位。住信SBIネット銀行や新生銀行等、ネット銀行は変動金利や10年固定に優位性があるが、長期固定金利の設定がない。借入金利が最低を更新する好環境でこそ選択すべきは、長期固定と判断。結果的に変動金利が得だったとしても、将来のリスクを包含する安心感には代えがたい。毎月の金利変動に一喜一憂する余裕も、臨機応変に対応する判断材料も持ち合わせていないから。

JAは各支所で金利が異なるが、今回利用したのは、当初15年が1.5%、それ以降が2.4%という2段階の固定金利。団信JA負担、繰上返済手数料無料、繰上返済最低額なしと条件面は他に劣らない。条件・負担は、JA口座への給与振込や組合出資金(借入額×0.1%)、ローン保証料(借入額×0.9%~)といったところ(事務手数料無料)。ちなみに、金利面だけだとフラット35Sが低いけど、団信を含める合計負担額は圧倒的にJAが優位となる。

住宅ローンは、ミックスローンも含めていろいろシミュレーションしたから1項目立てられそうだけど、とりあえず結論だけを簡単に記すに留めることに。

電気、ガス、水道は工務店任せとなるが、ケーブルテレビ・インターネット接続手続きや固定資産税評価依頼等は施主の役割となる。引渡し・引越後、すぐに生活できる環境になるよう、抜けがないように準備を進める。


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工事はこの一週間で、システムキッチン、トイレの設備機器、照明・コンセントが設置され、造作家具には建具が取り付けられる。来週には、室内クリーニングを完了し、床の養生も取り外すというから、まさに最終段階という状況に。

  
システムキッチン、レンジフード、掲示板、照明、造作家具扉が付き、家の質感が現れる。司令塔をキッチンに置くのが、
この間取の根本。ダイニング、リビング、和室、サニタリー、玄関とその中心に位置し、唯一1階全体を見渡せる。




    
左:クリナップのシステムキッチン。キッチン前の立ち上がりで、目隠し、コンロからの油飛散防止を狙う。
  白いレンジフードが、シンプルながら存在感を現す。
中:キッチン周り重視は密かなコンセプトで、食器棚も持ち込みから造作に変更。シオジの扉が安成造作
  家具の特徴で、室内の雰囲気を引き立たせる。
右:玄関ホールの建具も取付。二種類の樹種を組み合わせた木製引戸を実現する。




      
左:建具が付き、雰囲気が出てきたからいろいろと紹介。キッチン北側のパントリー(食品庫)。
  可動棚が付き、お米やビール、保存食の置場となる。
中:トイレが設置され、正面には手洗いと造作収納が。タイルを付けて、アクセントに。
右:室内唯一の開き戸が付く、階段下収納。意外とスペースが広く高さもあるから、掃除機等日常道具から古新聞まで、
  使い勝手よく利用できそう。




    
左・中:小屋裏には8畳の物置スペースを設置し、2階ホールから主寝室へと向かう廊下天井に設置した階段から
     上がることができる。天井高さが210cmと背伸びをすれば手が届くため、簡単に階段を下すことができるのも、
     使い勝手の良さにつながりそう。
右:勾配天井の主寝室。奥には、ウォークインクローゼットを配置。当面は1階和室利用のため、荷物置き場で使う予定。



      
左:主寝室のWIC。杉板造りで、棚+パイプハンバーのみ設置。日常服は1階WIC利用のため、週末服をかけたり、
  季節物を保管する収納ケース置場として利用予定。
中:2階廊下の押入。主寝室、子供部屋共通の布団置場となる。
右:子供部屋に建具が付き、2階の雰囲気が変わったから、オープン&クローズドの2パターンを比較する。





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建物工事が終盤に差し掛かる一方、足場が外れたことで、外構工事がスタートする。

安成工務店は、外構工事に自社をかまさず、直接造園業者に依頼する形を取るから、価格以上の外構を実現できる。これは設計士とのつながりにもよるが、三浦設計士が組む坂本造園は、いわゆる人工のエクステリアを使用しない、自然物を主体とする造園業者だから、値段を抑えながら、本物の庭ができあがる。

テレビチャンピオン優勝の実績を持ち、県内に留まらない全国から造園の依頼が来るようで、長い人で2年待ちの状況にありながら、安成工務店案件を優先するのは、そのつながりの深さによるのだとか。坂本造園、ここを利用できるのも、実は安成工務店で家を建てるメリットとも言える。

ところで我が家は、立地環境から四方をフェンスで囲う必要があり、特に北側のダイニング周りはプライバシー確保も考慮する必要があるから、外構予算がそれなり必要になる。とは言え、多くを建物に注ぎ込んだところもあり、目指すイメージを描き、予算を伝えた後、これでなんとか実現してくださいと無理を承知でお願いする。

これまで見学会で見てきた坂本造園の仕事から厚い信頼があるため、最終形がさてどうなるものかと、楽しみにしているところで。

  
左・中:カメラ機能をマスターし、実際と同程度の色合いを出すことが可能になったことから、あらためて掲載。
     ベージュがかった白系塗装が伝われば。
右:玄関前、駐車場と庭との境には、室内への視線を防ぐ狙いから石積みの壁を設置。耐久性や見た目を考慮し、
  ウッドフェンスからの仕様変更。




    
北東側、北西側からの外観。ところどころに使われる木がアクセントに。西側ポーチには目隠し用のウッドフェンス
を設置し、洗濯物干場としても利用。







25 室内クリーニング終了(11月22日)


室内照明・配線の設置、大工・設備関係の工事がほぼ完了したことから、室内クリーニングが行われ、キズや汚れ防止のため敷かれていた床の養生が取り外されたことで、唐松の床が姿を現す。一面に広がる無垢床は室内に品と、木の温もりをもたらし、降り注ぐ陽気と相まって、心休まる空間を演出する。

残る工事は、室内が造作家具の仕上げと畳の搬入に、外注のカーテン、エアコン、太陽光発電設備の設置、そして外構工事としてウッドデッキや駐車場、境界フェンス等となり、いよいよ引渡の時期が目の前に見え始める。固定資産税負担面から悩むも、ゆっくり過ごせる年末を新居で過ごしたいと、12月中旬引渡しを目標にスケジュールを組み、予定を上回り進捗。早ければ12月上旬の引渡しも可能という状況ながら、準備の面が追い付かずに、スケジュール通りに12月中旬で日程を確定する。

今回は、ついに全貌を現した室内を中心に紹介。

  
左:家周りの囲いが取り外されたことから、広々とした雰囲気に。玄関ドアや柱の養生も外され、家の顔が姿を現す。
  外構は、来客を迎える玄関・駐車場スペースと、プライベート空間である庭を隔て、目隠し効果も狙う石積みが完成。
中・右:無垢唐松の床が一面に広がり、引き締まった上質な空間に。昼時には、南側の掃出し窓からリビングにポカポカ
    とした陽気を届け、上階の吹抜けからはリビング奥へと明かるさを取り込む。




  
左:造作家具への可動棚設置が完了、家具としての姿を現す。ダイニングスペースの収納は、左側が本棚と勉強・ワーク用
  のテーブルとなり、右側がカバン置場や充電エリア、おもちゃ置場となる。
中・右:ダイニングからキッチン、リビングスペースを見渡す。和室は畳が入ると、リビングとの一体感でつながりを保ちながら、
    客間・寝室・くつろぎスペースとして雰囲気の異なるアクセント空間となるはず。南側の壁に収まる3連引戸により、
    6畳の個室を作ることも可能。




    
左・中:キッチンを紹介。クリナップ白色扉は壁と調和し、無垢床材の雰囲気に溶け込む。横幅2700mmのサイズ
    により、シンク、調理スペースに十分な広さを確保。立ち上がり付のオープンキッチンとしたことで、手元を隠し
    ながら、部屋全体と前面の庭まで見渡せる。
右:キッチン背面は、冷蔵庫、造作食器棚が並ぶ。冷蔵庫は、ダイニングテーブルそば、キッチンシンクの向かいに
  配置。キッチン周りの配置は、調理の流れやリビング・ダイニングでの動きをいろいろ検討し、たどり着く。




      
左:洗面脱衣所前から、キッチン方面を。
中左:1階ウォークインクローゼットの奥に鏡を設置。邪魔にならないように、造作で壁に据え付ける。
中右:洗面脱衣所内の造作棚には、今後カゴを置き、タオル類、下着、パジャマを収納。風呂上がりの着替えをここで
    完結できるように。可動棚の移動で、下部に広めのスペースをとり、脱衣カゴを置く予定。
右:階段途中の西側窓からは、夕刻の明かりをキッチンまで取り込む、設計士の思いが入る。




  
2階にも無垢唐松の床が張られ、各部屋が一体感のある造りに。北側の眺望を取り込むだけでなく、外とのつながりにより
集中力を高めることも狙うワークスペース。ワークテーブルに加え、本棚を造作としたのは、幅100mm、高さ210mmの
既製品が限られることからで、文庫本にも対応できるよう可動棚7枚を設置。地震で本棚が倒れ、避難路が潰れることが
ないようにとの思いも。




    
左:2階ホールから南側主寝室へと向かう廊下には、右手に押入、天井に小屋裏収納階段を設置。
  小屋裏収納階段は、当初の子供部屋設置案を、将来中に入れてもらえなくなると困るからと配置替え。
中:2階吹抜けから見下ろす、1階リビング。木の床が広がる景色は、なかなか壮観。
右:写真スペースが余ったことから、階段下から南側リビングを。







26 施主検査(11月29日)


外構は、境界フェンスの基礎ブロックが積み上がるなど、少しずつ進展。事前にイメージで確認していたものを、実際の現場に合わせていろいろと調整が入り進捗に影響をしているところもあるけど、引渡までの完成を予定する。

外構に関しては、安成工務店の設計士が合わせて作成した外構イメージをベースに、自分で詳細な外構図を作成し、家の設計が固まった9月過ぎには坂本造園に直接出向いて打ち合わせを実施。もう少し、家のイメージを伝えるなり安成工務店が絡むのかと思ったら、完全にお任せ。まあ、工務店をかまさない直接発注だから、当然のことではあるけど。

とは言え、安成工務店、特に三浦設計士の家の外構を何度も手掛けているから、家の雰囲気は十分把握されており、さらに坂本造園の感性と安成工務店の家のコンセプトが同じ方向を向いているから、安心して任せられる。打合せ段階で、こちらが提案の外構図にとらわれず、木の配置はこうした方が映える、こういう壁にする方法もあると、タブレットで過去に手掛けた庭の写真を見せながら次々に提案を受けるから、細かいことを言うよりも任せた方が本当にいいものができそうだと判断。必要なことだけを押さえ、基本はお任せするので好きにやってくださいと伝える。

(主なリクエスト)
・ダイニング周りはプライバシーを確保するため、境界にウッドフェンスを設置
・ダイニング前にテラスを設置(ウッドデッキは、予算面及び座る位置が高くなり庭が見えなくなるとの提案で却下)
・北側に土間コン+前面を覆う差掛けを設置(両側は閉じず、自転車置場を兼ねる。北側勝手口等への視線遮断)
・家庭菜園、砂場スペースを設置
・境界フェンスを北、西、南に設置
・駐車場は、常時2台+必要時2台とめられる造りとする(庭の一部を駐車場代わりに使用)
・南側庭は、子供が走り回れるようスペースをとり、(管理しやすい)芝を植える
・シンボルツリーを設置

次の打ち合わせ時に、坂本造園からイメージが示され、こちらのリクエストを取り込んだ上、さらに立派になった庭の提案を受ける。予算内に収まらない中、せっかくだからといろいろ詰め込んだ提案は素晴らしく、これでいいですの二つ返事で快諾。

今回の現場での調整は、この絵で描いたイメージを最終確認するもので、差掛けのサイズを大きくしたり、駐車場の形を変えたり、テラスの造りを確認したりと詳細まで。現場の業者さんを含め、こちらの気付きを、今ならまだ間に合うと快く柔軟に対応してもらい、できあがりがわくわくする楽しみばかりが先行するのが、現在の状況。これもひとえに、エクステリア(メーカー部材)をふんだんに使用し型通りの庭を造る住宅メーカーの下請ではなく、自分でオリジナルの庭を造る造園業者の強みだとつくづく思う。

いろいろと無理なお願いを聞いてもらいながら、やはり申し訳ないのは、これを対外的に披露する機会がないこと。安成工務店の家と合わせて造る坂本造園の庭は、完成見学会でも一つの魅力となっており、坂本造園にとっても自社を売り込む機会でもある。宣伝のためではなく、純粋に施主のためにと応えてくれる社長の心意気には頭が上がらないところで。

  
左:駐車場と庭の境は、ウッドフェンスから石積みに変更。石積みの両側に木がある雰囲気が全然変わると、さらなる改良が。
中:北側は、勝手口を起点にエコキュート等の設備を覆う形で前面囲みの差掛けを設置。視線遮断により、北側活用の環境を
  整えるとともに、倉庫代わりとしての役割にも期待。
右:北・西・南側境界には、2ブロック+80cmフェンスを設置。ボールが跳ねて外に出ないように、少し高めに設置。




この日の目的は、建物がほぼ完成したことから、施主検査を実施すること。まずは、家のクリーニングがしっかりとできているか、設計通りの工事が行えているか、照明器具は使えるか等々チェックリストを渡されるも、ほぼ毎週のように家ができあがる工程を見に行き、気付きはその都度確認しているから、細かいことにとらわれず、頭に入っている設計図をもとにあらためて疑問点を確認したり、使い方を習ったりしながら家の中を見ていく。

照明器具が設置された家は温かな光に包まれ、さらに雰囲気が良くなり家の中を満喫。一方、ここに3路スイッチを付けておけばと、あれだけ考えたはずの照明計画に穴を見つけ、甘さを痛感したりも。

    
左:玄関収納の可動棚が設置。靴や傘、小物収納として十分なスペースを確保。
中・右:照明が付くと雰囲気もまた変わる。施主支給も含め、すべてLEDで統一。電球色のオレンジの暖かな
    明かりが部屋全体を包み込む。




  
左:和室に畳が入り、緑の落ち着いた空間ができあがる。一度はコストカットした縁無・和紙畳を復活。色落ちせずに
  きれいな緑色を留めてくれるはず。
中:押入の戸に珪藻土仕様の壁紙が付く。床の間サイズを大きくしたため、押入は少し小さめ。
右:3連引戸を閉めると、和室が個室空間に。来客時や就寝時、冷暖房効率を高める時と便利空間になるはず。




      
左:キッチン周りはスポットライトも含め、十分な明るさを確保。
中左:死角になるキッチン裏の壁に、浴室操作パネル、インターフォン、照明スイッチ等を集約して設置。
中右:照明が付いた1階WICを。
右:TOTO「サザナ」のシステムバス。窓の外には、目隠し可動ルーバーが付き、視線遮断と通気性の両立を狙う。




    
左・中:2階子供部屋の南側窓には、障子引戸が付き、外からの明かりを取り込む。夜には、子供部屋から
    明かりが漏れ、1階からも気配を感じられる仕掛けとなる。
右:2階南側窓前のキャットウォークには、転落防止のワイヤーが張られる。ワイヤー利用は、1階からの見た
  目や、明かりの取り込みを優先した結果。子供が入らないように、主寝室からの入口には簡易鍵を設置する。





                                                                         






家造り記
Ⅰ 方向性 Ⅱ スケジュール Ⅲ 土地 Ⅳ 住宅会社 Ⅴ コンセプト
Ⅵ 住宅会社決定 Ⅶ 住宅工事 Ⅷ 完成見学会 Ⅸ 番外編 Ⅹ コメント
2014年12月完成 安成工務店
足掛け6年、住宅会社と、そして土地と出会い、思いを形へ
居心地・使い勝手の良い、居住空間としての本質を追求した間取りに、安成工務店のセンスと技術が息吹を吹き込む
①地鎮祭 ②屋根・内装工事 ③外装工事 ④室内仕上げ ⑤外構工事 ⑥引渡し